イスラエルの政府高官が「原爆記念日」に放った“毒矢” | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

イスラエルの政府高官が「原爆記念日」に放った“毒矢”

イスラエルと日本の関係に激震が走りました。


事が起こったのは、8月6日の「原爆記念日」。


その日、イスラエルの政府高官でパブリック・ディプロマシーの責任者ダニエル・シーマン氏が自身のフェイスブック上にて「日本人にはうんざりさせられる。広島や長崎で年中行事化している原爆被害者への追悼式典は独りよがり以外の何物でもない。原爆が投下されたのは侵略行為を繰り返した日本にとっては当然の報いだ。日本が追悼すべきは日本の帝国主義や大量虐殺の犠牲になった中国や韓国等アジアの5000万人と日本の軍国主義との戦いで犠牲となった連合国軍人12万人である」といった書き込みを行ったからです。


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まさかフォロワーの数を増やすために過激な発言をしたわけではないでしょう。


当人はエジプトの騒乱デモについても、「イスラム教徒はラマダンの期間中は昼間であればお互いに食い合いを止めるはずではなかったのか」といった強烈な皮肉を書きこんでいました。


シーマン氏は歴代の首相のスポークスマンを務めてきた政府高官です。

これまでも物議を醸す発言はあったにせよ、ネット・メディア時代の最前列で活躍してきた人物。


今回の日本人を冒涜するかのような発言の真意は何なのでしょうか。


とはいえ、ネット上ではこの発言が瞬時にして世界を駆け巡り、大きな話題に。


日本政府も無視するわけにもいかず、イスラエル外務省に抗議を申し入れた次第です。


その結果、同氏は停職処分になったようです。


しかし、それに対し、「シーマン氏は正直な思いを綴っただけだ。言葉狩りにつながるようなことは止めるべき」とか「原爆投下はシーマン氏の言う通りだ」といった、同氏を擁護する声も上がってきました。


個人の思いはいろいろあるにせよ、国家を代表する立場の人物としては、ありえない発言です。


イスラエルと日本は今後、学術、経済、文化など広い分野での交流拡大が期待されているだけに、パブリック・ディプロマシーの第一人者が放った「毒矢」の悪影響がこれ以上広がらないことを願っています。