カタールの外務大臣を袖にした日本の外務大臣
湾岸諸国の中でも、ひと際、経済成長の著しい親日国がカタールです。
2022年にはワールドカップを主催するため、新たなサッカー場や地下鉄の建設工事があちこちで進んでいます。
日本企業も進出を加速させているのですが、大きな建設プロジェクトは安い価格で入札する中国や韓国の企業に押されぎみのようです。
しかも、砂嵐が舞い上がる工事現場で働くのは皆、海外からの出稼ぎ労働者ばかり。
巷のウワサでは、北朝鮮からの労働者も混ざっているとのこと。
それほど、世界から注目と羨望を集めている国といえるでしょう。
その背景には世界最大の天然ガスの輸出国としての潤沢な資金があることは論を待ちません。
そのため、2年前の東日本大震災の際には、国際社会の中でも最大の義捐金を贈ってくれました。
大半の原発が操業停止を余儀なくされている日本にとっては、カタールからの天然ガスの安定供給はまさに命綱のようなもの。
同国との信頼協力関係は欠かせません。
ところが、そんなカタールが日本に対する不信感と怒りを募らせているのです。
それは、先日、カタールの外務大臣が今後の両国関係を協議するために来日したのですが、わが国の外務大臣が会談の時間をとらなかったためです。
理由は「多忙のため」。
滞日時間が数時間というのであればいざ知らず、事前に訪日計画を伝え、4日間も東京にいたのです。
カタール政府は「4日間のうち、いつでもいいので、岸田外務大臣との会談をお願いしたい」と再三申し入れをしていたのですが、、、。
外交上、信じられない、お粗末な対応でした。
「なぜ、日本の外務大臣は15分の時間すら割いてくれないのか」と、カタールの外務大臣はメンツをつぶされたこともあり、「今後、日本との関係は考え直す」とまで発言しておられるようです。
岸田大臣は「自分はカタールの外相が来日していることを知らなかった」と述べ、これまた火に油を注ぐ結果に。
こうした状況を早急に改善しなければ、国際社会における、わが国の信用は国民が知らない間に失墜しかねません。