安倍総理の所信表明演説に思う | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

安倍総理の所信表明演説に思う

安倍総理の所信表明演説があった。


巨大な与党が誕生した後だけに、どのようなメッセージを内外に発するものか、“カムバック総理”の一挙手一投足に世界が注目したはずである。


小生も、参議院本会議場の最前列で聞いた。


確かに、姿勢は良く、声に張りもあり、外見的には上出来だった。


しかし、中身は単調というか、安全運転に過ぎたというのが大方の感想ではなかろうか。


経済再生を強調しながら、原発とどう向き合うのか、エネルギー政策については一言も触れずじまい。


外交・安全保障の危機と言いながら、中国についてはまったく頬かむり。


震災復興を強調しながら、放射能汚染のガレキや土壌の処理についての見通しも明らかにしないまま。


これでは「危機突破」、「強い日本」、「世界一を目指す」という言葉が泣こうというものだ。


冒頭、「かつて病のため職を辞し、大きな政治的挫折を経験した人間です」との反省の弁が述べられたが、堂々とした立ち居振る舞いとは対照的に演説の内容は暗いトーンに終始。


スピーチライターの性格であろうか。


多少なりともユーモアを織り込むとか、ペーソスを利かすといった工夫があっても良かったのではないだろうか。


アメリカの上院ではインドから「笑うヨーガ」の指導者カタリア師を招いて演説の指導を受けているという。


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(インドの笑うヨーガの創始者、カタリア博士)


聞く人の気持ちを明るくするのは政治家として大事な使命である。


景気浮揚にも「明るい笑顔」は欠かせない。


安倍総理の言葉づかいも表情も硬すぎたのが気になった。


今後の代表質問での答弁では、もう少し余裕の笑みを見せてほしいものである。


圧倒的多数の応援団が控えているのだから。