オバマ大統領に届けられた「グローバル・トレンド」報告書

アメリカでは４年に１度の大統領選挙に合わせて、国家情報評議会が「グローバル・トレンド」と題する報告書を作成する。

新しいホワイトハウスの主に届けるためである。

国防総省やＣＩＡなど１６の政府機関で情報分析にあたるプロたちが、近未来の世界情勢を徹底的に分析し、新政権へのプレゼントとするならわしだ。

昨年末にまとめられた最新の報告書のタイトルは『グローバル・トレンド２０３０』。

今から１８年後の２０３０年の未来から現在を展望し、国家としてどのような政策を追求すべきかを、問いかけている。

曰く「世界全体が２０２０年から２０３０年にかけて、かつてない地政学的な大転換の時代に入る。アメリカもロシアも中国も、覇権国家と呼べる存在ではなくなる。力と富の分散が起こり、個人や非政府組織の非公式なネットワークが国家にとってかわる」。

近年話題となった「ブラック・スワン」現象を念頭においた、アメリカらしい発想といえよう。

要は、国家に頼れる時代が終わろうとしているというわけだ。

日本の近未来がどのように分析、評価されているか。

ご関心の向きはご自分で確認して頂きたい。

アメリカの本音が透けて見え、大いに参考になる。