新潟県十日町市で開かれた「クロアチア・ハウス」の竣工式
「海の日」をはさむ連休初日、新潟県十日町市を訪ねた。
同市にて開かれた「ジャパン・クロアチア・フレンドシップ・ハウス」の竣工式に出席するためである。
(マルティネツ大使や関口市長らと共に)
クロアチアと十日町市のご縁は2002年のサッカーワールドカップにさかのぼる。
当時、クロアチア・チームがキャンプを張ったのが、この地であった。
クロアチアの選手たちは地元のサッカーチームと交歓試合を繰り広げ、また地元住民たちとの交流にも積極的に取り組んだ。
その結果、クロアチア・ファンが多数生れたという。
そうした背景もあり、関口芳史市長の肝いりで、日本とクロアチアの友好を象徴するクラブ・ハウスが完成した。
地方自治体の進める国際交流活動のモデルケースといえるだろう。
意外に思われるかも知れないが、クロアチアを訪れる日本人観光客は年間15万人を突破する勢いで増えている。
かつて詩人のバイロンが「アドリア海の真珠」と讃えただけに、クロアチアは自然、歴史・文化遺産の宝庫である。
今回、新潟に新たな交流の拠点ができたことを契機に、人物往来が一層盛んになり、相互理解の輪がますます広がってほしいものだ。
実は、クロアチアは過去、深刻な民族対立を経験している。
にもかかわらず、昨年、わが国を襲った大震災に際しては、特別の思いやりを込めた支援が寄せられた。
首都ザグレブでは反政府活動のデモ隊ですら、日本大使館の前を通過した折には黙とうを捧げてくれたものである。
そんな心優しいクロアチア人とわが国の間では平和交流も活発化している。
原爆を投下された広島からは記念の石が、そして長崎からは浦上天主堂のレンガがブコバル市に贈られ、平和の式典が開催されたばかりである。
来年は両国が国交を樹立してから20周年。
マルティネツ大使ともども、クロアチアと日本の絆を深めるべく、スポーツや文化面はもとより、政治、経済面における交流の深化を図りたいとの思いを強くした。
「フヴァラ!」(クロアチア語で、ありがとう)