テロ対策に苦心するロンドン・オリンピック
間もなく開幕するロンドン・オリンピック。
当初危ぶまれた競技施設も無事完成し、聖火リレーも順調に進んでいる。
経済危機に直面している欧州にとってはオリンピックがもたらす経済効果への期待が高い。
その一方で、テロ対策など警備上の問題も急浮上。
オリンピック関連施設の警備を担当する会社からは制服が盗まれたとの報道も。
また、空港でのセキュリティ・チェックが十分機能していないとの指摘も相次ぐ。
テロ組織の動きも活発化しているようで、英国軍が周辺のビルやアパートの屋上に地対空ミサイルを配備するなど、厳重な警備体制を敷いている。
万が一の事態に備えて、4人分の遺体が収納できる棺が20万個も用意されたというから、驚かされる。
そうした不穏な動きもあってか、不審者を監視するため、スコットランド・ヤードでは市内数千台のタクシーに小型の隠しマイクを設置し、乗客の会話を警察本部で常時把握できるようにした。
危険と判断された場合にはタクシーを遠隔でストップさせることも可能だという。
安全な環境を整えるため、水面下での準備が着々と進んでいるのは心強い限りである。
わが国は2020年のオリンピックの開催候補都市、東京をアピールするため、ロンドン・オリンピックの期間中、会場内にてさまざまなイベントを計画している。
小生も、招致委員会のメンバーとして東京のPRに取り組んでいる。
最終選考に残っているのは、東京、マドリッド、イスタンブールの3都市。
施設の充実度や都市の安全性では最も高い評価を得ている東京だが、地元住民の支持では最下位に甘んじている。
この弱点をクリアーすることが当面の課題である。
来年9月のIOC総会で2020年のオリンピック開催地が決まる。
夢のある東京オリンピックに向けて世論を喚起していきたい。