コソボから独立の闘士、サチ首相が初来日
コソボ共和国は西バルカンに位置する、人口180万人余りの独立間もない国である。
ユーゴスラビアが分裂してできたセルビアとの争いを経て、2008年の独立宣言にこぎつけた。
とはいえ、セルビアはコソボの独立を未だに認めていない。
一方、2010年7月には国際司法裁判所が「コソボの独立宣言は国際法に違反しない」と勧告。
国家の独立を認める、認めないで、緊張関係は続いている。
現在、この誕生間もない国を承認しているのは91カ国。
わが国は同国の独立直後に承認した。
そのせいもあり、コソボの対日感情はすこぶる良好である。
関係強化を目指して、昨年12月にはホジャイ外相やガシ環境・空間計画相が相次いで来日。
そして、今回、サチ首相が初来日することに。
小生は、外務大臣政務官としてヨーロッパや中東を担当しているため、これまでもコソボの要人との会談を重ねてきているが、サチ首相とも胸襟を開いた意見交換ができた。
聞けば、同首相は非合法武装組織であったコソボ解放軍の創設に参加していたため、国内外を転々とする逃亡生活を余儀なくされたという。
1999年にコソボ民主党を創設し、党首に就任。
その後、暫定自治政府の首相を経て、2008年の独立宣言に署名。
2011年に首相に再任された。いわば筋金入りの闘士である。
深刻な民族対立を経験し、いまだ国造りの途上にあるコソボ。
セルビアとの建設的な対話を期待したい。
実は、わが国は雇用創出や経済発展に役立つよう、同国の上水道システムや公共交通網の整備を支援しているが、サチ首相の来日を機に、これまで以上に協力関係を深めていく考えである。