国際エネルギー回廊の要衝、アルメニアからサルグシャン大統領が初来日!
今週はアルメニアからサルグシャン大統領が来日。
野田総理との首脳会談や両国の友好とパートナーシップに関する協定の署名式典にも同席する機会を得た。
同大統領には昨年の東日本大震災に際し、義捐金の送付に加え、首都エレバンにて自らの出席の下で震災犠牲者追悼ミサを催して頂いた。
今回の初来日にあたっては、先ず特別機で仙台空港に降り立ち、被災地の仮設住宅を訪ね、いまだ不自由な生活を強いられている住民を激励するという、行動派ぶりを如何なく発揮。
さすがレーニン青年共産同盟(コムソモール)出身である。
エレバン電機工場での組立工からスタートし、国防大臣を2度、さらには安全保障・内務大臣、大統領府長官、首相と要職を歴任した後、2008年に大統領に立候補し、見事、当選を勝ち取った。
実は、アルメニアも日本同様、地震国である。
1988年には大地震に見舞われ、死者2万5000人を超える犠牲がでている。
当時、日本は緊急援助隊を派遣し、救援物資を含む12億5000万円の支援も行った。
このたびの大統領の日本滞在中にも、今後の防災協力についてさまざまな意見交換を重ねた。
(サルグシャン大統領)
これまでもわが国はJICA(国際協力機構)を通じて、エレバン市の断層分析や地震リスクの評価を行ってきている。
こうした研究成果に基づき、同市の「防災計画」や「避難計画」の作成が進んでいる。
本年12月には原子力安全に関する福島閣僚会議が予定されているが、アルメニアからは早速、関係閣僚出席の意向が表明された。
というのも、同国では旧ソ連製の原発が稼働中で、老朽化が懸念されているからである。
福島原発事故の教訓や最新の知見を得たいとの思いが強いようだ。
今年は日本とアルメニアが外交関係を樹立してから20年目。
経済関係はまだ緒に就いたばかり。
カスピ海地域からの石油・ガスパイプラインが通過する「国際エネルギー回廊」の要衝として、今後の成長、発展が大いに期待される。
日本としても関係強化に本格的に取り組む元年にしたいと思う。