ギリシャの運命や如何に
ギリシャの運命が気なる今日この頃。
世界文明の発祥地でありながら、国家破綻の瀬戸際に追い詰められているからだ。
3月20日に145億ユーロ(1兆4500億円)の国債の返済期限を迎える。
ところがお金がない。
30万人で十分なはずが、100万人もの公務員を雇ってきたつけツケが回ってきたのか。
それとも必要以上に軍事にお金をかけてきた結果なのか。
意外に思われようが、観光以外にこれといった産業のない、人口1100万人のギリシャはヨーロッパ最大の武器輸入国。
しかも、世界でも中国、インド、アラブ首長国連邦、韓国に次ぐ何と5番目。
国家予算の5%を国防費に投入しており、そうした武器を売り込んで大儲けをしているのが、実は、ギリシャに緊縮財政を求めているドイツ、フランス、アメリカなのである。
ワイロや汚職に関する話題は事欠かないお国柄。
しかし、何とか資金を調達しなければ歴史に汚名を残すことになりかねない。
金権まみれの首相や政治家の首を切り、欧州連合の求める財政再建策を丸のみすることで、ようやく資金調達の道筋が見えてきたようだ。
とはいえ、長い歴史を誇るギリシャ人のこと、土壇場の交渉はお手の物。
欧米はもちろん日本など債権国の弱みを逆手にとり、奇想天外と思える条件を提示する可能性も否定できない。
そんなギリシャ人の意外な側面を知る上で、村山春樹氏の『雨天炎天:ギリシャ・トルコ辺境紀行』(新潮文庫)は大いに参考になるだろう。
ご一読をお勧めしたい。