ホルムズ海峡の波高し
イランの核兵器開発疑惑が世界に暗雲を投げかけている。
欧米諸国はイランのウラン濃縮活動は安保理決議違反であるとし、経済制裁措置を講じる構えだ。
それに対し、イラン政府は「濃縮活動は医療用アイソトープのためで、テヘラン研究用原子炉の燃料を製造するために過ぎない」と反論し、対抗上、「ホルムズ海峡の封鎖」もありうるとの強硬姿勢を見せている。
(ホルムズ海峡で軍事演習を行うイラン軍)
アメリカとイランの間で“言葉のミサイル”が飛び交っている間はいいが、万が一、実際の戦闘状態になれば「第3次世界大戦」に結びつく可能性もある。
そうなれば、それこそ「2012年、地球最後の日」になりかねない。
最悪のシナリオを回避するため、関係国による水面下の交渉が続く。
場合によっては、日本にとっても深刻な影響が生じるだろう。
原発の大半がストップしている状況下で、中東からの原油が入らなくなれば、経済的な突然死も免れない。
欧米との協調も必要だが、イランとは長年にわたる信頼関係を有する日本とすれば、危機回避に向けてあらゆる手立てを講じる時である。
日本での報道は限定的であるが、イラン情勢は極めて危険な水域に入っている。
1月23日にはEUによる対イラン制裁会合が前倒しで開かれることになった。
何としても平和的、外交的な解決に道筋をつけてもらいたいものである。