オーストリアでキム・ジョンイル死去の報道を聞く | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

オーストリアでキム・ジョンイル死去の報道を聞く

訪問中のオーストリアでもキム・ジョンイル氏の死去のニュースは大きく報道されている。


後継者となる三男のジョンウン氏をはじめ金王朝の子弟や親族が当地やスイスにて留学や勤務していることも影響しているようだ。


ウィーンでは地元有力紙「クーリエ」の編集委員イングリッド・シュタイナー・ガシさんから意見交換を兼ね取材を受けた。


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彼女はピョンヤンを訪ねた経験をもつ数少ないジャーナリスト。


北朝鮮の内情や欧州方面における非合法活動などについて多くの情報を得ることができた。


特に、20年以上にわたりドイツ語圏で武器や車両などの調達にかかわった後、「北朝鮮の崩壊を確信」し、スロバキアの首都ブラチスラバから列車でオーストリアに脱出した元北朝鮮大佐キム・ジョンリュル氏にまつわるエピソードは興味深いものであった。


同大佐は日本統治時代に幼少期を過ごしており日本語もできる。


日本人拉致については口を閉ざしているようだが、「死ぬ前に独裁体制の横暴を告発したかった」と語り、自らの半生をガシ記者に伝えている。


その告白の裏取りをした上で、ガシさんは『独裁者に服して:ある北朝鮮工作員の人生と脱出』と題した著作(ドイツ語)を出版。


韓国や欧州各国では翻訳版が話題となっている。


欧州諸国はさまざまな形で北朝鮮との交渉窓口を開拓しており、わが国もそうしたチャンネルを有効に活かす工夫が必要と思われる。


その意味でも、ガシ編集委員の著作の日本語版が期待される。