世界自然遺産に選ばれた小笠原諸島に感動!
先週末、小笠原諸島を訪問した。
本年6月にパリで開催されたユネスコの世界遺産委員会において、同諸島の世界遺産登録が決定されたことを受け、祝賀記念式典が開催されたため。
外務省を代表して祝意を述べた。
世界遺産条約に加盟する187カ国が競って自国の文化や自然遺産を登録させようと凌ぎを削っている。
そんな熾烈な競争を勝ち抜き、小笠原諸島が日本では4番目となる世界自然遺産に選ばれたのは、実に快挙といえよう。
東日本大震災からの復興に向けても、希望と元気を与える朗報であった。
現在、世界遺産登録の認定数の多い国の順位は、1位がイタリア(47か所)、2位がスペイン(43か所)、3位が中国(41か所)である。
われらが日本は16か所で14位。
今回、小笠原諸島が見事な勝利を得た背景には、4000万年以上前に島々が誕生して以来、一度も大陸と陸続きになったことがなく、植物も陸産貝類なども独特の進化を遂げた生物が数多く生息することが評価されたため。
長年にわたり地元の方々や関係省庁が自然の保全に尽くしてきた結果でもある。
時間的には陸地から世界で最も遠い離島の世界遺産だ。
1週間に1便しか通わない船で片道25時間半かかる。
最も大きな父島で人口は2000人ほど。
島内に信号は2か所しかない。
しかも、そのうちの1つは使われていないという。
走っている車のナンバーが皆「品川ナンバー」であることで、「東京都小笠原村」であることを再認識したものの、大都会とは違い、まさに孤島ゆえの別天地である。
この素晴らしい自然を守るためには外から島を訪れる人々が持ちこむ外来種の侵入を防ぐことが課題となっている。
すでに「グリーンアノール」と呼ばれるアメリカ生まれのトカゲが繁殖しており、小笠原の固有種であるトンボやカミキリムシなどを絶滅の危機に追い込んでいるという。
世界自然遺産に登録されたのを機に新たな外来種との戦いを加速させねばならない。
そんな思いで島を後にした。
森下村長ほか島の皆さまには温かくお出迎え頂き、深く感謝。