ロシア大使からの“疑問符”ミサイル攻撃 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

ロシア大使からの“疑問符”ミサイル攻撃

「いつになったら涼しくなりますかね?」


冷房の入っていないエレベーターの中でのベールイ大使の第一声である。


37度近くと、この夏一番の猛暑日となった東京。


小生のもとを訪ねてくれたロシア大使にとって、この暑さは相当こたえているようだった。


とはいえ長年外交官として世界を巡ってきたベールイ大使は、時候の挨拶も早々に本題に切りこんできた。


「どうして日本政府はロシアの申し出を袖にし続けているのか。3月11日以降、われわれはロシアから原子力発電や放射能汚染に関する最高頭脳を連れてきているのに、一向に話を聞こうともしない。チェルノブイリの経験や核廃棄物処理のノウハウを共有したいと提案してきたが、無視されたまま。


原子力の平和利用に関する協定も店ざらし状態。エネルギー危機に直面する日本のために天然ガスを優先的に提供しているのに、あまりにクールな反応に戸惑っている。日本政府はいったい何を考えているのか」。


機関銃のように発せられる疑問符の連続攻撃に、小生とすれば、時に驚き、時にさもありなんと頷き、最終的には、日露間の相互不信を取り除くための具体的提案で応戦した次第である。


実に有意義な意見交換ができた。


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わが郷里、鳥取県には何度も足を運んでもらっているベールイ大使。


20世紀梨やスイカが大好物で、日本の農産品をロシアにどんどん売り込んでくれる頼もしい存在だ。


「放射能汚染の風評被害で日本の中古車がウラジオストックで荷揚げを拒否されて困った」と伝えると、「ロシアには日本の中古車が溢れている。これからは新車を持ってきて下さい。トヨタ、日産、ホンダ、日本の自動車メーカーの工場進出を大歓迎します」と、巧みにユーモアを交えて切り返す。


東北の被災地にも足繁く通う行動派の外交官である。


放射能汚染の除染やガレキ処理についても突っ込んだ議論ができた。


地元自治体に役立つ技術提供に発展させたいものだ。