ルース大使は手品師か?
あたかも手品師のような離れ業。
それはルース大使が東北の被災地で涙を見せながら慰問活動を行う一方で、東京のアメリカ大使館に勤務する外交官の大半とその家族を台湾にチャーター便で逃したこと。
台北のホテルでは900部屋以上が借り上げられた。
アメリカ政府による緊急時対応の「プランB」が発動されたのだという。
しかも、台湾で注目を集めているのは、この避難オペレーションに海兵隊員40名が付き添ったこと。
彼らに与えられた任務はアメリカ人を守ることではなく、大使館から運び出した機密文書を守ることにあった。
そこまでこだわるのがアメリカ式の機密保持戦略である。
横須賀から姿を消した原子力空母「ジョージ・ワシントン」も、その突然の出港の理由を詮索されたため、「福島原発の放射能漏れが自分たちの責任と疑われる事態を避けるため」との苦しい説明に終始。
日本政府や東京電力もいろいろと情報を隠しているようだが、アメリカ政府もなかなかしたたかなパフォーマンス。
その間に挟まれて、うろうろしているのが日本国民というのも情けない。
マスコミによる核心を突く報道を是非とも期待したいものである。
実は、今回のアメリカ式手品のトリックを見破ろうと鵜の目鷹の目なのが中国政府である。
なぜアメリカは沖縄や韓国ではなく、国交のない台湾に外交官とその家族を逃したのか?
福島原発危機の裏側で米中関係も地殻変動しつつあるようだ。