就職率100%の「奇跡の大学」 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

就職率100%の「奇跡の大学」

自民党国家戦略本部では、中嶋嶺雄先生を招き、“国家百年の計”といわれる「教育」のあり方を議論した。


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中嶋先生は秋田にある国際教養大学の学長。


なにが凄いといって、「卒業率51%」をPRしていることである。


これは、卒業と認められる学生が半分ほどしかいないということ。


日本の大学では「卒業率90%」が一般的だ。


実は、“大卒”とは名ばかりの学生を大量に排出しているに過ぎないのだが。


他方、ハーバードやケンブリッジなど、欧米の一流大学では50%台が普通。


残念ながら、日本では入ってしまえば、遊んでいても卒業できてしまう。


たとえば、毎年60万人ほどの大学卒業生が世に送り出されているが、そのうち英語を仕事に使える最低レベルの「TOEFL600点以上」は0.2%しかいない。


残りの99.8%は中学、高校、大学と少なくとも10年近く英語を学んでいながら、仕事で使えないまま社会人になっているのである。


それどころか、一般教養も身につけないで卒業する学生がほとんどといわれる。


企業からすれば「使い物にならないので採用できない。国際化の時代ゆえ、外国の学生をどんどん採りたい」となってしまう。


“就職氷河期”といわれるものの、大半の大学による押し付けのごとき“不完全商品”など、買い手がつかないとしても仕方ない。


ところが、国際教養大学は毎年、「内定率100%」を誇る。


しかも、有名優良企業ばかり。


実は、その秘密が「卒業率51%」に隠されている。


全員にしっかり単位を取る「本物の留学」をさせ、それを終えた学生でなければ卒業させないというのである。


徹底した「3言語主義」と芸術を含む教養(他の大学にない人口学や安全保障学など)を身につける教育が評価されているわけだ。


地方にありながら、これだけ自信に満ちている大学も珍しいのでは。


これからの学問と実践的教育のあり方について考えさせられた。


ついでながら、日本語を含む語学力と教養については、政治家にも求められる基本能力ではないかと思う。