■判決
1)相模原・緑区の妻殺害:夫に懲役6年判決--地裁 /神奈川
毎日新聞 2013年10月19日 地方版
相模原市緑区の自宅マンションで昨年9月、妻の首を絞め殺害したとして、殺人罪に問われた無職、相田三春被告(66)の裁判員裁判で、横浜地裁は18日、懲役6年(求刑・懲役8年)の実刑判決を言い渡した。成川洋司裁判長は「ストレスのはけ口として行われ、身勝手」と指摘した。
判決によると、相田被告は昨年9月13日、うつ病と診断され地元自治会の会計係を続けられなくなったため、妻の邦子さん(当時65歳)が、代わりに係を辞めると自治会長に説明。その行為に自尊心を傷つけられストレスを感じ、翌14日、寝ていた邦子さんの首をタオルで絞め、殺害した。
2)
相模原市緑区で昨年9月、妻=当時(65)=を殺害したとして、殺人の罪に問われた同区、無職相田三春被告(66)の裁判員裁判の判決が18日、横浜地裁であり、成川洋司裁判長は「ストレスのはけ口として行われた身勝手で短絡的な犯行」として、懲役6年(求刑懲役8年)を言い渡した。
成川裁判長は、被告は犯行当時、担当していた自治会の会計係として、収支が2万円合わないことに思い悩むようになり、うつ病と診断されるなど強度のストレスを抱えた状態に陥っていたと指摘。弁護側は「精神障害の影響で心神耗弱の状態だった」と主張していたが、「判断や行動制御の能力が著しく欠けた状態にはなかった」と退けた。
一方で、「病気を患い、長年看病してきた被害者を自らの手で殺害した経緯には、同情の余地はある」と酌量減軽の理由を説明した。
判決によると、同被告は昨年9月14日、自宅マンション内で、妻の首をタオルで絞め付け、窒息死させた。
■傍聴雑感
・個人的には、かかりつ医の証人がポイントだったと思う。
フクザキ検事の質問が有効だった。
また、被告人はその受け答え方からして現在も鬱病を患っている印象。しかし、議論されている内容はしっかりと理解・把握している。
裁判長から度々声が小さいと注意され、裁判長との相性は悪かった印象。答え方がぶっきらぼうだし。
弁護人が初めて面会にきたとき、被告人は一言も話さなかったとのこと。
弁護人「なぜ一言も話さなかったの?」
被告人「失礼ですが、怪しい人だと思ったから」(←今回公判でかなりウケた発言)
確かに、岡田弁護士の風貌は悪徳不動産屋の風貌。ガタイも大きくポケットに手をつっこむ癖がある。
斎藤弁護士は話し方は理路整然として好印象ですが、いかんせん背が低く小太りでハゲている(失礼!)。
それに対して、検察側は若手の二人で爽やかな印象。
特にフクザキ検事は身振り手振りのアクションの熱血漢。ときに岡田弁護士に毅然と注意「あなた長年弁護士をやっていてそんなルールも知らないのですか?」
岡田弁護士もカッとなってやり返す。
成川裁判長、たまらず「時間の無駄ですからやめて下さい」という場面も。
不思議だったのは、
被告人は岡田弁護士の質問には消極的に答え、フクザキ検事の質問には積極的に答えたこと。
フクザキ検事
「私も大学時代に会計を専攻してたのでわかるのですが、会計で数字が合わないとストレスたまりますよね?」
「質問しているのは私ですよ。ちなみに、私は妻としょっちゅう口喧嘩してますけど」
フクザキ検事、好感持てました。
それにしても、被告人の内心について、専門家を交えて大勢の人間が侃々諤々議論する。多額の税金を使って。しかし、その張本人ははずっと俯いたまま。
被告人の内心は被告人にしかわからないのに何だか変な感じ。
会計係に立候補さえしなければこんなことにはならなかったのだろうか。
わずか2万円の穴埋めぐらい、4,000万円持っているなら自腹でもできただろうに。
不思議な事件だった。
そうそう、被告人は妻だけでなく飼っていた愛猫も同時に殺しています。面倒を見る人がいなくなるので可哀想だからという心理だそうです。
■勝手に評点(5段階)
・成川裁判長→4、安定した訴訟指揮
・大森裁判官→5、右陪席にもかかわらず積極的に的確に質問。好印象
・高市裁判官→2~3、一回一回の質問が長い、冗長的