3歳次男を窒息死、母親に懲役7年求刑/横浜地裁
横浜市港北区で昨年5月、次男=当時(3)=を窒息死させたとして、殺人の罪に問われた同区、無職横山三三(みみ)被告(43)の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、横浜地裁(朝山芳史裁判長)であった。検察側は懲役7年を求刑、弁護側は懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を求め、結審した。判決は16日。
検察側は、直前まで通常の社会生活を送っていたとし、「完全な責任能力があるのは明らか」と主張。「精神障害があるなど配慮すべき点はあるが、被害者の明るい将来を一方的に奪い、見合った責任は取らねばならない」とした。
弁護側は「精神障害から抑うつ状態になり、犯してしまった罪。家族も支援を約束しており、社会の中で更生させてほしい」と求めた。同被告は被告人質問で「一生かけて罪を償っていきたい」と述べた。
横浜の次男殺害:母に懲役3年6月--地裁判決 /神奈川
横浜市港北区のアパートで昨年5月、無理心中を図って次男(当時3歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた母親の無職、横山三三被告(44)の裁判員裁判で、横浜地裁(朝山芳史裁判長)は16日、懲役3年6月(求刑・懲役7年)の判決を言い渡した。判決は「動機は身勝手」と指摘した。
弁護側は「被告は幼少期、母親との関係が劣悪で精神疾患を発症し、長年抑うつ状態に悩まされ、事件当時は心神耗弱状態だった」と主張。これに対し、判決は精神鑑定の結果を踏まえ「自らの意思で行動をコントロールできた」と退けた。
判決によると、横山被告は母親との関係に悩み、子どもとともに死のうと考え、昨年5月31日夜、次男幸信ちゃんに睡眠薬を飲ませた後、頭に枕を押し当てて窒息死させた。
※)豆知識
殺人罪の法定刑は、死刑 又は無期若しくは5年以上の懲役である。2004年 の刑法改正により、従来の「3年以上」から刑の下限が引き上げられた。もちろん、法律上の減軽 や酌量減軽 により5年未満の刑を宣告することは可能である。
※)ご参考
殺人既遂の事案であっても、それが家族内にとどまっていて、金銭目的や猥褻目的でなく、介護疲れ、被害者の病気・障害などからの精神的疲弊による無理心中パターンの場合、執行猶予がつく可能性が高くなります。
このような量刑に対しては、「家族を自己の所有物と考えるに等しく問題だ」と批判する向きもあります。
しかし、無理心中事案は、家族に対する限りない愛情がその背景になっていることがほとんどで(愛情の表現方法が間違っているのは当然としても)、自分ひとり生き残ったことで我が身を責めに責め、生気が抜けきった被告人を前にして、それでも刑務所に行け、とするにはためらいを感じる裁判員もいることでしょう。