日本でも近年よく耳にする言葉に、消滅可能性自治体といった言葉が有ります。

○○市とか○町が消滅と言っても、その市域の場所が消えてしまう筈は無く、何やらイメージし難い気もしますが、つまりは人口減少で税収が減少する為、維持していく事が財政的に不可能となり、維持可能な人口まで増やすには周辺の何処かと合併するしかない…という事でしょうか。

単に自治体が現在の枠組みからもっと大きな枠組みとなるだけなら、それは要するに市町村合併であり、明治以降に何度も何度も繰り返して行われてきたこと。
郷土が廃れていく事は実に悲しい事ですが、郷土愛の対象は郷土であって、行政区分に過ぎない自治体ではない…
そういう考えも有るでしょうし、実は私もかなりそう思っています

何らかの要因で人口減少や大都市集中が止まり、人口増加や地方回帰に転ずるといった奇跡が有れば別ですが、現状では、移住促進などと言っても結局のところ減り行く人口の奪い合いです。
ではその「奪い合い」は市町村単位で捉えるべきなのか?

日本の総人口が1億を越えたのは戦後になってから。
余談ですが、戦時中にも一億総玉砕などの言葉が有ったのは台湾や朝鮮などが当時日本領だったからでしょうか。

今後は減少が続くと言っても、総人口に関する限りまだまだ戦前より遥かに多くの人がいる訳ですが、当時とは比較にならないくらい大都市(特に東京)の人口集中が激しく、その分、地方からの人口流出が甚だしいという事でしょう。

異次元の少子化対策などと言っても、人口減少を止める為には、移民以外には手段は無いかもしれません。
或いは人口減少は仕方無いとして、それ前提で考えるか。

減少前提とすれば、それは現行の自治体の境界を基本とするより、もっと大きな地域…都道府県でもかつて話題となった道州制でも良いですが、そうした枠組みで捉えていくべき。
一市や一町主体での人口奪い合いで一喜一憂している場合ではありません。
そうして考えると、令和の大合併もおそらく行われるでは…と思っています。

無制限な移民は反対ですが、私はそれ自体は反対ではありません。
日本人として日本の文化を継承していってくれるのであれば、何処出身でもウェルカムです。

それにしても…
十九世紀辺りから、国の近代化は都市への人口集中、そして産業化とセットで進んできました。
更に都市への人口集中は、核家族化(最近ではあまり聞かない言葉)を促し、地域コミュニティーの空洞化に繋がり、近代化は結果的に少子化というのほ必須なのだろうか?
お前が言うなというのはさておき、そんな事をつらつら考えてしまいます。

例によって写真は何も関係無く、勤務先近所の麟祥院で行われる催しです。