本日のBSテレ東日経NEXTで取り上げた話題。

訪日外国人客がクレジットカードを使用する際、
日本のカード会社は店舗から手数料190円受け取るのに対して、
(手数料1.9%の店舗で1万円の買い物をする場合)
海外のカード会社に180円、VISA/MASTERなどのブランド使用料として80円、国内のシステム費用として10円ほど支払うため、計190円-180円-80円-10円の80円ほどが日本のカード会社にとって赤字となる、との事。日本人客がクレジットカードで支払う場合は海外のカード会社やブランド使用料合わせて5円ほどで、日本のカード会社にとっての負担が、海外客と日本人客の場合で大きく異なるのが原因。



このような状況になった理由の一つは、カード会社が店舗を開拓するために日本人客を前提に手数料を安く設定してきて、海外客を想定していなかった事。ここ最近急速に訪日客が伸びた事がカード会社の赤字を拡大させる事になった。

え、なんで?
海外客の場合に高いコストがかかるなら、それを手数料に反映すればいいだけじゃないの?とも思うのだが、そう簡単でもないらしい。多くのカード会社は規約で「現金の場合とカードの場合で支払金額を変えてはいけない」とされているのだとか。

いやいや、それは規約がおかしい。海外客が使用するクレジットカードのコストと日本人客が使うクレジットカードのコストが違うのであれば、当然コストに見合った手数料を別々の体系として徴収すべき。上の例で言えば、海外客が1万円の買い物をした場合は手数料270円以上を上乗せした金額で支払う、という事にすればいい。請求は店舗での支払時ではなく、海外のカード会社経由での決済時に手数料として追加請求する形でもいい。正当なコストであり、請求をためらう必要は全くない。
実際のところは、規約が外国人客の利用を想定していなかっただけなのだろうから、実情に合わない点は修正すべきだ。

海外ではそのような事は発生しない。カード会社が身を削ってまで手数料を安くする事はないし、必要な経費は必ず上乗せして請求するからだ。

外国人から見たら「本来外国人客が負担すべきコストを日本のカード会社が支払ってくれている」のに加えて、「日本のカード会社が自分で首をしめて赤字になっている」のだから、まるで理解不能だ。外国人客が購入すればするほど赤字拡大では事業が継続できる訳がない。
 

元をただせば、外国人客がクレジットカードを使用する事を日本のカード会社が想定していなかったツケが回ってきただけなのだが。