JARL社員総会 準備書面 | はじめてのアマチュア無線

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アマチュア無線を始めたばかりの方、あるいはン十年ぶりに再開局された方、アマチュア無線のイロハを解説するブログです。

私が社員になって初めて出す準備書面ですが、今年から、1項目につき200文字という制限がつきましたので、当初用意していた文章をかなり簡素にしました。

黒字部分が出した文書、赤字部分は補足説明となります。

 

第 14 回定時社員総会準備書面

第一号議案 令和6年度決算の件
・広報活動について
 広報活動の支出の概要を見ると、主として、JARL会員向けへの広報に見受けられる。
JARLの定款に、「日本におけるアマチュア無線の健全なる発達を図る」とあり、一般向けにアマチュア無線への関心を引くような活動も重要な任務となっている。若者向け、親世代向けといった一般層への広報活動や、免許を持たない層向けの広報は実施しているのか?

広報活動というのは、現会員に対して行うものではなく、会員でないアマチュア局やまだ免許を持っていない層に対して行うことも、事業の継続性という観点では重要と考えています。何も知らない一般向けに広報しても大してアマチュア無線家は増えると思いませんが、技術雑誌やエレクトロニクス関連誌であれば、確率は上がると思われますが、そのような活動はしていないように見えるので、この質問としました

第5号議案 規則改正の件
 支部長というのは、一般会員から見た場合、支部大会や支部内のイベントの顔でありJARLの代表者の1人である。支部長にいろいろと要望を伝える会員も多い。特に「社員でない支部長」の立場(役割)が明確でない。規則改定と合わせて、役割の規定は存在するのか?

 

現制度下での支部長=社員ということも、一般会員にはあまり知られていないことかと思います。ここに社員である支部長と社員でない支部長が誕生すること。社員である支部長は社員総会に出席し、議決権を持つことは同じですが、社員でない支部長は???となるわけです。じゃ、社員でない支部長になんか言ってもJARLには伝わらないの?と。
役割の規定が触れられていないので、この質問としました。



報告事項3「令和7年度事業計画」
アワードの発行について
今年の年間AJA発行、100周年の新アワード発行などを検討しているようであるが、既存のアワードの改革はしないのか?
JCC800、JCG400、500などは新規に開局した方は取得不可能なアワードとなっている。現行のアワードはそのままでもよいが、これからチャレンジしても取得できる新体系のアワードを発行をする計画はないのか?平成の大合併が一通り終わった後からのカードが有効でよいと思われる。

 

書いてある通りなのですが、現状のAJD、JCC、JCGは長年発行されているアワードです。少なくとも平成の市町村合併前は、開局したての方でも、全てのアワードが取得可能でした。

しかし、現在のJCC800などは昔からやっていないと取得できないものとなっており、新規に開局された方はそもそも取れないアワードとなります。従来からJCC800を目指されている方もいるので、現行アワードはそのままにし、新JCC、JCGといったものを作ってもらいたく、この質問としました。

 


報告事項3「令和7年度事業計画」
アワード規定の見直し
LoTWがJARLアワードに使えるようになっているが、アワード規定では「 相手局の了解度、信号強度、音調等」が条件とされている。FAQで、「申請に使用する交信の了解度、信号強度、音調等がログで確認できる場合に使用することができるようになりました。」とあり、これが運用されている。当初の迅速な運用としてはよいが、全てのアワードに共通の事項は、アワード規定に記載すべきである。この検討はされているのか? 

 

これは、LoTWの利用できる条件がFAQにしかないという現行制度に関する指摘となります。
 
報告事項3「令和7年度事業計画」
JARL創立、アマチュア無線100周年に向けて①
アマチュア無線100周年は、業界にとってもまたとないPRの場になると思われる。
50周年の際には記念切手が発行された。100周年に向けて、切手発行の計画はあるのか?
記念局運用も各エリアに8JxJARL局等を開設するような動きはあるのか?
対外的に100周年を周知するイベントを計画しているのであれば、内容を教えていただきたい。

JARL創立、アマチュア無線100周年に向けて②
アマチュア無線100年の2027年は横浜市で開催される「2027年国際園芸博覧会」の年でもある。
大阪・関西万博とは異なり、園芸がテーマの博覧会ではあるが、記念局運用を含め、運用場所になる建物での100年の歴史や未来への展望といった展示等の予定はないのか?

 

元々①②はつながっていたのですが、文字数の関係で分割しました。

100周年という重要なイベントに対して、アワード発行とか、記念局運用といった内向きのイベントではなくアマチュア無線家を増やすというまたとない機会であることを認識し、活動してもらいたいという趣旨から記載しています。

100周年に向けて全国紙で全面広告とか金を出せばできる企画もありますが、なるべく金をかけずに外の力を借りてPRをしたらというのが、記念切手の発行であり、国際園芸博覧会であったので、記載しています。

これ以外にも、いろいろな広報活動ができると思えるので、アマチュア無線の宣伝、若い世代の取り込み等を100周年という名を使って、やっていこうという趣旨です。

なお、国際園芸博覧会でのJARLブースができた場合は、横浜市民として可能な限りお手伝いする所存です。
 
報告事項3「令和7年度事業計画」
2.情報の発信とJARL入会へのアピールの(b)
先の「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用」では、「アマチュア無線は無線技術の中でも一番身近に触れることができ、入門レベルのIoTや無線通信技術の知見を体感的に身につける手段として、また、国際コミュニケーション能力の向上を図る有効な手段になり得る」とされているが、JARLでは、体験局運用や災害時の運用が中心となっている。アマチュア無線関連以外の団体との連携などの活動はしているのか?

 

「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用」がなぜ提起されたのか。例えば国際コミュニケーション力の向上といえば、真っ先に思いつくのがDX交信。でも、体験運用でやっているのは主にUHFを使った国内近距離交信。しかも多くが子供向けのイベントになっています。これでは国際コミュニケーション力の向上には何の寄与もしません。同様に将来のIoTや無線通信技術の知見を体感的に身につけることをやっているかといえば、答えはNOです。ただ、体験局運用とお祭り等での利用の実だけをもらって、そもそもの議論の発端部分に礼を返さないというのもとても失礼な話です。「アマチュア無線家に任せてよかった」と総務省をはじめ、検討に参加した諸団体が思えるような活動をJARLはすべきと思い、この質問としました。


報告事項3「令和7年度事業計画」
3.組織の透明化と関係諸団体との関係強化
 先の電波法の改正に伴い、アマチュア局の免許は以前よりも簡易化された。一方で、かねてより要望のある
 「包括免許」(包括の言葉は幅広く使われるが、その範囲はここでは問わない)に向けての総務省や関係団
 体を含めた議論は行われているのか?

 

言わずと知れた包括免許の件です。範囲は問わないとしたのは、包括免許と一言で言う部分が、免許証と免許状の一体化なのか、運用機材(工事設計書の記載)なのか等、人によって意見が分かれるからです。全部一緒に進められればいいのですが、制度改革は時間のかかる話ですので、まず何をすべきか等を改めて精査し、進めてもらいたいという観点からこの質問としました。