新QSLビューローが決まりました。
2024年のJARL社員選挙立候補にあたり、所信の中に、QSLカード問題を取り上げさせていただきました。
それに対しての活動報告を兼ねて、こちらに書かせていただきます。
私としては、一昨年(2024年)秋にQSLカードの自動仕分(OCR導入)の検討も行い、実際のカードを読ませるなど、検討を進めてきました。JARL事務局にも提案を行い、同様の機器の導入も見据えている旨の回答も得ておりました。
自動仕分機の導入といえば、1990年代にJARLが郵便番号自動読取機レベルの機器の導入を検討していましたが、当時、機器の導入だけで数億円、保守費が年間1億円という金額となり、当時のJARLでも簡単には導入できない金額でした。今振り返っても、機械を導入しなくてよかったとは思います。
ただ、時代は進み、OCR搭載の機器の自動ソータが1000万円~2000万円程度で購入できる時代となりました。単純にリース計算しても月額50万円程。人件費換算で2~3人程度で導入可能ですので、十分にメリットが出るというものです。
私は、QSLカードの仕分け作業そのものの分析も行いました。過去にJARL Newsに掲載された現ビューローの記事をもとに、作業手順を洗い出し、自分でこれを事業化した場合の人数や金額等も想定しておりました。
そんな中、第82回理事会(2025/9/27~9/28)で、「できる可能性があると判断できる複数の先に声がけした上で、見積りを取得したい」との判断があり、公募のような処置は取らない旨の記載がありました。
早速JARLにメールをし、「複数の先」に入れていただけるようにお願いしました。事業の応募ですので、私が経営するHAM-NETとして、お願いしました。
10月23日に、JARLより、受託業者の募集の案内が届きました。
ここからが驚きの連続でした。
1番目に、募集の案内に委託料の上限と最低処理枚数の記載があったことです。この金額の範囲で出せというのと同じであり、事業者の自由度はほぼ無いという内容でした。(一般的に予算の上限というのはロビー活動等でわかることが多いので、条件に記載されていることが驚きでした。)
見積作成にあたり、不明な点も多くあったので、メールでJARL事務局に質問しました。
すべての回答は頂けましたが、他社の質問というのはこちらに来ませんでした。質問に対しては、全事業者に回答するのが一般的ですので、他社に公開されることを前提で質問を書いたのですが、他社の質問というのはこちらに来ませんでした。提案依頼をしたのは4社と聞いていますが、ほかの会社は質問無しで見積もりしたのでしょうか。個別解答だけで済まされたような気もします。
2番目に驚いたのが、提案期限です。11/7という期限が記載されておりました。提案依頼から2週間後ということ自体は違和感ない方も多いと思いますが、物流事業では、作業場所の選定から人員の確保、導入機器の費用の算定まで行う必要があります。内容にもよりますが、3か月~6カ月程度は必要です。また、先に書いた「自動仕分機」は、発注から半年後の納入とされており、今回の2月からの作業には到底間に合わない状況でした。
この時点で、今回の募集はすでに場所や要員が確保できている事業者向け、すなわち、すでに事業者は決定していて、合見積を取るだけの作業であることは薄々わかりました。
ただ、提案自体は最後までやろうと見積もり作業を進めましたが、残念ながら提出期限の11/7には間に合いませんでした。
やむを得ず、見積金額を空欄のまま提出し、メールにて11/20まで待ってほしい旨の連絡をいたしました。この期限は、ビューローの決定が第83回理事会(11/22~23)で決定されるであろうことを想定しての期限です。(実際この理事会で決まりました)
提出期限までに出せなかったことは、辞退とみなされても仕方ないとは思いましたが、JARLからその旨の連絡もなかったことから、作業を進めました。当方は東証プライム企業の大手物流会社と組み、通常の3倍というハイスピードで打ち合わせを重ね、何とか自分で決めた11/20の納期に間に合わせ、回答いたしました。
83回理事会報告で3社という表現がありますが、決定した新ビューロー、うちともう1社ということで提案は受け付けられたという認識でした。
当方の提案としては、
・2月開始という時間の関係から、機械化は見送り、すべて手作業での仕分けを前提で見積もりました。
機械化に関しては、ある程度こなれた時期を以て導入検討をする旨の注釈付きです。
・金額に関しては、JARL要望の金額から大きく上振れした金額となりました。
はがきの仕分けなどは物流会社でもやったことがなく、前例が無いため、リスクを取らざる得ない状況でした。
実績を計測し、4か月後に見直しという注釈をつけました。
・従量制という要望に対しては、固定費(場所代、リース品)と変動費(人件費等)に分けて出しました。
・ハムフェア等での事業紹介や仕分け体験イベントの開催、電子QSLとの融和などいくつの提案事項も盛り込みました。
そして、最後に驚いたことは、提案に対するJARLの対応です。
まず、提案書をメールで送った後、受領の連絡もありませんでした。翌週になっても連絡がなかったので、心配になって「届いていますか?」というメールを出したところ、これに対しては「届いている」旨のお返事を頂けましたが、数千万の規模の提案に対し、せめて受領しましたというメールくらいは返すのは当たり前だろうと思っておりました。
また、83回理事会の結果を受けて送られてきたメール、ごく普通のお断りメールでした。
先にも書きましたが、物流の見積り・提案の場合、非常に多くの工数がかかることから、提案を断る場合でも不採用の理由等をご説明頂く(対面やWeb会議などで)のが一般的です。(企業規模や内容にもよりますが)
そういったお話もなかったことから、こちらから、お聞きしたいと問い合わせたところ、それもお断りとのことでした。
提案が取れなかったことは残念ではありますが、3社競合の中ですので、仕方なかったと思っています。
しかし、こういった事業に対するJARLの姿勢が見えたこと、QSLカード転送や遅延問題ということに対し、提案というやり方で一石を投じられたことは多少なりとも効果があったと思っています。
新ビューローの決定に関しては出来レースであったことなどを含め、SNS等でも書かれております。それを払拭するようなビューローであってほしいと思っています。
長文をお読みいただきありがとうございました。