2024年4月

 

 

今夜聴くのは  中島みゆき「誕生

 

その物語の書き出しはこんなふうでした。 思い出しながら書きます。

 

 

愛媛県 松山市。

四代続く米屋の(国から委託された)卸を営んでいる〇家の大きなお屋敷には

庭に池があり、ガチョウたちが飼われていました。

 

その ギャゥ~ギャゥ~ とうるさい鳴き声に・・・

よく似た声が重なります。

 

おぎゃ~おぎゃ~

 

女中の一人が、ドンドンドンと長い廊下を走ってきて言いました。

だんな様 生まれましたでございます 女の御子です

 

「・・・・そ~か

 

 

都・みやこ誕生でした。

 

 

 

 

2020年4月

 

 

その日から 4,5年たちました。

 

 行くぞ

 

父は蔵の仕事を雇い人たちに任せては

都を連れて、道後温泉まで人力車を走らせるのでした。

 

父はあぐらを組んだ膝の上に都を座らせて

着物姿のきれいなお姉さん方にお酌をさせながら、上機嫌なのでした。

 

 

 

 

 

都は高校生になりました。

自転車通学する都の三つ編みのおさげが風になびくのを

 

遠くから、憧れのまなざしで見ている男子大学生が居ました。

見染めた・・・というもの、ですね。

 

 

 

結婚したのは四国から出たかったこと。

彼は建設省に勤めるエリートで、神戸に転勤になることが決まったのでした。

 

 

結婚生活が始まった2日目に後悔する都でした。

こんな堅苦しい人と暮らしていけるかな。。。

 

 

神戸で長男が生まれました。

そして都は、二人目の女の子を出産しました。

 

 

 

 

 

 

陽子ちゃんはダウン症でした。

 

 

プラットホームで、都は陽子ちゃんを抱いて呆然としていました。

悲しいとか、辛いとか、不安だとか、、、 分からないのです。

 

 

電車が入って来るアナウンスがありました。

 

「電車が・・・・

これでいいかな、、と思ったような気がします。

 

 

その時、小さな長男が都のスカートのすそを引っ張りました。

ねえ、おかあさん  

 

都は ハッとしました。

 

我に返った一瞬でした。

 

 

 

 

 

 

主人のアメリカ転勤に二人の子どもも一緒につれて行きます。

 

それからの都の世界が広がって行きます。

アメリカで、ダウン症の子どもたちも

当然、自然に受け入れられてのびのび育っていったのです。

 

 

都もシャドウボックスを習い、教えられるまでになりました。

これが後に都を助けます。

 

帰国してから偶然に東京・銀座和光に紹介してくれる人が居て

 

当時、シャドウボックスはまだ知らない人ばかりです

瞬く間に人気が出て注文が殺到したのでした。

 

 

 

 

 

 

50歳になったら離婚しましょう。

慰謝料や養育費は要りません。

 

 

そして都は決心します。

 

ダウン症の女の子だけを受け入れる施設を造ろうと。

子どもたちに働くことを教えたいと。

生きていることを喜んで、のびのびと学ばせたいと。

 

 

クッキー工房での作業や、さおり織を教えました。

グループホームも自腹を切って、一時は4軒運営するまでになりました。

 

国や県や市に働きかけました。

正しいと信じたことは、歯に衣着せず主張していきました。

「神戸市に鈴木都あり」と言われるほどになりました。

 

 

カナダから人形劇団を呼びました。

ニュースステーションに出演して、久米宏さんに話を聞いてもらいました。

 

 

そして、そのあと何年かして

私は都さんと知り合うのでした。

 

彼女の人生をドラマにしたらいいのにと思いました。

脚本なんて書いたこと無かったけど、募集を知り書き始めました。

10枚くらい書いたところで

テーマは「初恋」と分かり・・・・がっかりで止めてしまいました。

 

ところが「虎に翼」を観ていて

私の「竜に翼」はむくむく湧き出したのです。都さんは辰年。

 

 

そのドラマの主題歌は  中島みゆきさんの「誕生」がいいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

2025年12月

カナダから人形劇団を呼べることに決まったそうです。

公演は・・・姫路・尼崎・豊岡で。

 

 

素晴らしい劇団です。

前回日本に呼んだ時の予算は1400万円。

今回はいったい・・・ だから

 

たくさんの人に来ていただきたい。観ていただきたい、という都さんです。

83歳の(現在)都さんは実行委員長です。

私もお手伝いしようと思います。

 

 

 

そして、つい3時間前に聞いたこと・判明・決定したことは・・・(お電話で)

ご招待受けて6月、トロントに行ってきます。国連大使とお会いするのよ

 

 

行ってらっしゃい カナダでもアメリカでも、83歳なんて若いのよハート

 

貴女の世界はまだまだ広がる、子どもたちの笑顔のために。

 

竜に翼 広げて。

 

 

 

 

 

 

 

感謝