
アメリカの優れたテレビ番組などに贈られる、今年で第76回の歴史を誇るエミー賞2024の授賞式で、俳優の真田広之さんがプロデュースと主演を務めた、戦国時代絵巻を描いたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が見事にドラマ部門の作品賞を受賞しました。

さらに、真田さん自身が主演男優賞を受賞するなどひとつのシーズンの作品としてあわせて22部門にノミネートされ、そのうち18の賞を受賞し、エミー賞で史上最多の受賞記録を打ちたてました。

「SHOGUN 将軍」がエミー賞で史上最多の18冠を記録する快挙!

第76回エミー賞は現地時間の15日、ロサンゼルスで主要な賞の発表が行われ、俳優の真田広之さんがプロデュースと主演を務め、アメリカの有料テレビチャンネルFXが制作し、(日本でもDisney+が独占配信している)、本格時代劇ドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」がドラマ部門の作品賞を受賞しました。

このほか真田さん自身が主演男優賞、アンナ・サワイさんが主演女優賞、フレッド・トーイ監督が監督賞をそれぞれ受賞しました。

「SHOGUN 将軍」は9月8日に撮影賞や編集賞なども受賞していて、15日に発表された主要な賞とあわせてひとつのシーズンの作品として18の賞を受賞し、アメリカ国内のドラマ界で最も権威があるエミー賞で史上最多の受賞記録を打ちたてました。

ドラマ部門の作品賞の受賞スピーチで真田広之さんは「時代劇を継承して支えてきてくださったすべての方々、監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り国境を越えました」と、あえて日本語にて述べました。
「東洋が西洋と出会う夢のプロジェクト」

また、ドラマ部門の主演男優賞を受賞した際のスピーチでは、真田さんは英語を駆使しながら、一緒に作品を作った人たちに感謝の気持ちを伝えたうえで、「この作品は東洋が西洋と出会う夢のプロジェクトで、敬意が込められています。人々が一緒に取り組むことで奇跡を起こせることを教えてくれました。私たちはよりよい未来を一緒につくることができます。本当にありがとうございました」と述べました。
「ヒロ」は“扉を開いてくれました”

ドラマ部門の主演女優賞を受賞したアンナ・サワイさんも英語でスピーチし、「名前が呼ばれる前から泣いていました。きょうは混乱しています。私を信じ、このような大役を任せてくれてありがとうございました」と述べました。
そしてこの作品をプロデュースした真田広之さんを親しみを込めて「ヒロ」と呼び、「ヒロに率いられたキャストとクルー、全員に感謝を申し上げます。彼は私のような人たちに扉を開いてくれました」と述べました。
「次世代の俳優や制作陣に大きな意味をもたらしてくれると信じています!」

受賞後の記者会見で真田広之さんは、「名前が呼ばれたときは信じられない思いでした。壇上に上がったときに皆さんが立ち上がってくださって、本当に夢かと思ったんですが、ことの重大さに改めて気づかされました」と賞が発表された時の気持ちを率直に明かしました。
そのうえで「このことが次世代の俳優や制作陣に大きな意味をもたらしてくれると信じています。時代劇が継承され、日本発でも世界に通用するものを作っていくというひとつの布石になればという気持ちです」と話し、日本の作品が後に続くことに期待を示しました。
また主演女優賞を受賞したアンナ・サワイさんは「ステージの上も含めきょう12回くらい泣いてしまいました。不安や、みんなに賞をとってほしいなどいろいろな気持ちで混乱していました。いまでも何が起きたのか気持ちの整理がつかない感じです。受賞は信じられないことで、あすの朝起きたらすべて夢だったと思うでしょう」と受賞の喜びを話しました。
「SHOGUN 将軍」とは‥。


「SHOGUN 将軍」とは、1975年に発表され、1980年に、三浦按針をモデルに主人公にした物語としてリチャード・チェンバレンを主演に据えて、将軍・虎永役に三船敏郎、鞠子役に島田陽子を配役するなどして、アメリカで実写ドラマ化され、その当時、驚異的な視聴率を記録したジェームズ・クラベルのベストセラー小説「SHOGUN」を、(世界的に大ヒットしたテレビドラマを日本でも全国放送した後に、更にそのダイジェスト版も同年に映画として東宝配給で公開もなされたのですが)、その当時、一代「将軍」ブームを巻き起こした時代劇ドラマを、今回、44年振りに、あえて本物志向の時代劇にこだわり、新たに大幅にリメイクをして映像化した作品です。


▲『SHOGUN 将軍』(1980年)
関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康や石田三成ら歴史上の人物にインスパイアされた架空の武将達による、将軍の座を懸けた陰謀と策略が渦巻く物語を紡ぎ出します。


窮地に立たされた、徳川家康をモデルにした戦国一の武将・吉井虎永(真田広之)、その家臣となった英国人航海士・按針(コズモ・ジャービス)、ふたりの運命の鍵を握る謎多きキリシタン・細川ガラシャをモデルにした戸田鞠子(アンナ・サワイ)などが繰り広げる歴史の裏側の、壮大な“謀り事”を描く戦国絵巻。

世界的に大ヒットした、戦国時代の日本が舞台の小説が原作の作品で、前回の1980年の実写ドラマ化の際には、ほとんどが英語中心の台詞廻しだったのですが、今回のリメイク版では、三浦按針を主人公とした話の展開から、戦乱の窮地をくぐり抜け、天下統一を目指し”将軍”となるべく権謀術数をめぐらす戦国一の武将・吉井虎永を主体とした物語として、全10回のドラマシリーズで描いていて、さらに台詞の大半7割方が日本語によるという、アメリカのドラマでは非常に稀有で異色の作品です。
「本物の日本文化」を追求し発信したい。
真田さんは徳川家康からインスパイアした主役の戦国武将・虎永役を演じるだけでなく、今回は、プロデュースも務めていて、衣装や殺陣師など各分野に精通した専門家を招聘し起用。
これまでのハリウッド映画などでは日本人から見るとかなり違和感があった「なんちゃって日本」っぽい描写を、真田さんのこれまでの出演作品では、単なる俳優一個人の立場からの改善の進言には非常に気も遣わざるを得ず、またウザがられるなど本物の日本文化の追求にはかなり限界を感じていたらしいので、今回、自らプロデュースする側に立つことにより、それらの「なんちゃって日本」感を改めて「本物の日本文化」を追求し発信することが強く意識されています。

リアリティーのある演出や迫力あるアクションが随所に盛り込まれ、激動の戦国時代の物語を壮大なスケールで描いています。
米国メディア 「外国語のシリーズ番組にとって大きな飛躍を意味」。
「SHOGUN 将軍」はあわせて18の賞を受賞し、76回を数えるエミー賞でひとつのシリーズの番組としては史上最多の受賞を記録しました。
また、アメリカの複数のメディアによりますと主に英語ではない言語が使われたドラマが作品賞を受賞したのは初めてのほか、真田広之さんの主演男優賞の受賞は日本人では初めて、アジア系では2人目となり、アンナ・サワイさんはアジア系で初めて主演女優賞の受賞者となりました。
アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は「この受賞は、外国語のシリーズ番組にとって大きな飛躍を意味する。アメリカのネットワークによって制作され、アメリカ国内のストリーミングサービスで配信されたにもかかわらず、このドラマの台詞のおよそ70%は日本語だった。韓国産ドラマの『イカゲーム』のような外国語のシリーズはこれまで何度かエミー賞を受賞してきたが、ドラマ部門の作品賞のようなトップの賞を脅かすようなことはなかった」と指摘しています。
またエンターテインメントの専門メディア、「ザ・ハリウッド・リポーター」は「今回のエミー賞は、韓国の『パラサイト 半地下の家族』が英語以外の映画で初めて作品賞を受賞した2020年のアカデミー賞のように、歴史的な転換点として記憶されるだろう」としたうえで、アメリカの国外で制作されたテレビ番組を対象にする「国際エミー賞」について「数年のうちに、『国際エミー賞』を別に開くという考えは時代遅れと見なされるだろう」と論評しています。
そして、加えて、受賞に至った背景については、「特に、新型コロナ禍以降、この数年で動画の配信サービスが大きく普及し、アメリカ人が韓国ドラマ『イカゲーム』や日本映画『ゴジラ-1.0』など海外作品を字幕スーパーにて見る機会が増え、多様な人種が出演する作品を受け入れる土壌ができていたことも追い風になった。そこに、真田さんが真の日本を投影した時代劇を再現することへのこだわりが伝わり、受賞につながったのだと思う」と、先日の9月11日(水)のNHK総合の「クローズアップ現代」などでは分析していました。
※尚、NHKプラスでは、9月18日の水曜日まで、クローズアップ現代(9月11日放送の「”SHOGUN”大ヒットのワケ、JAPANコンテンツ新時代」)の見逃し配信中。
【再放送情報の加筆】
9月11日(水)本放送のクローズアップ現代「”SHOGUN”大ヒットのワケ、JAPANコンテンツ新時代」を、深夜の放送枠ではありますが、NHK総合にて、9月23日(月) 午前1:45〜午前2:13(28分間)の時間帯に再放送が決定!
〇『SHOGUN 将軍』|本予告|「全てを欺き、天下を獲るー」真田広之とハリウッドが”日本の魂”を本気で描いた天下分け目の戦国スペクタクル
私の場合には、予てから、Disney+のサブスクの会員であるにも拘わらず、まだまともに、この『SHOGUN 将軍』については視聴していなかったので、機会を作って慌てて全話観てみたいと思います。
あの映画『ラストサムライ』への出演以降、それを機に、20年余りもハリウッドに拠点を構えて地道に活動されて来られた真田広之さんをはじめ、この『SHOGUN 将軍』の製作に加われたキャスト、そしてクルーの皆様には、「このエミー賞においても、作品の質の高さ以上に、日本文化における本物志向のこだわりを認められて、積年の夢がここにひとつ結実する事が出来て、本当におめでとうございます」と申し上げたいですね!
今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。