『ゴジラ-1.0』(2023年) #ゴジラマイナスワン #イオンシネマ京都桂川 #生きて抗え | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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未だ今年の9月に鑑賞した、ウェス・アンダーソン監督の『アステロイド・シティ』や、菅田将暉さん主演の推理ドラマの劇場版『ミステリと言う勿れ』、鳥山明さん原作のアニメ映画『SAND LAND』。

また10月に鑑賞した実写版『沈黙の艦隊』などの作品について、それら作品群の紹介文をこれまで一切書いていない状態ですが、そのためブログ記事として、ご紹介する作品の順序は前後致しますが、今月の11月5日(日)に入院した私の母親の肺ガンの除去手術の術後はICUにて暫く過ごす事となったので、その間、暫くは緊急の連絡などはないだろうということで、11月3日(金)の公開日から丸々一週間後になりましたが、11月10日(金)に、イオンシネマ京都桂川までDolbyAtmos上映でも公開している『ゴジラ-1.0』の鑑賞に父親と一緒に出向いて来ました。

 

率直な感想としまして、嬉しい誤算とでも言いますか、予想外にこの『ゴジラ-1.0』の出来映えが良かったので、先ずは、取り急ぎ、本作品を当該ブログ記事でもご紹介させていただきたいと思います。

 

今年度の30本目の劇場鑑賞作品。

(今年度のイオンシネマ京都桂川での2本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

[終戦後の東京を襲う圧倒的恐怖に対し術のない人間が如何に抗うのか(23.11/10・Dolby Atmos・2D鑑賞)」

ジャンル:SF / 怪獣映画

英題:GODZILLA MINUS ONE

製作年/国:2023年/日本

制作会社:TOHOスタジオ / ROBOT

VFXプロダクション:白組

製作・配給:東宝

公式サイト:https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/

上映時間:125分

上映区分:一般(G)

公開日:2023年11月3日(金・祝)

製作総指揮:市川南 / 臼井央 / 阿部秀司

製作:山田兼司 / 岸田一晃 / 阿部豪 / 守屋圭一郎

VFXディレクター:渋谷紀世子

撮影:柴崎幸三

美術:上條安里

録音:竹内久史

編集:宮島竜治

音楽:佐藤直紀、伊福部昭『ゴジラ』『モスラ対ゴジラ』『キングコング対ゴジラ』

監督・脚本・VFX:山崎貴

キャスト(配役名):

神木隆之介(敷島浩一) / 浜辺美波(大石典子)/ 山田裕貴(水島四郎) / 青木崇高(橘宗作) / 吉岡秀隆(野田健治) / 安藤サクラ(太田澄子) / 佐々木蔵之介(秋津清治) その他

 

 

【解説】

日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。

 

「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。

タイトルの「−1.0」の読みは「マイナスワン」。舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。

主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、2023年4~9月に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。そのほか山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介と実力派豪華キャストが共演。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

日本初の怪獣・ゴジラが、来年の11月3日で、生誕70周年を迎えることを記念し、(尚、2024年4月12日にレジェンダリー・ピクチャーズ製作の『ゴジラ×コング:ザ・ニュー・エンパイア』の公開が決定していることから、レジェンダリー社との契約の関係上、東宝は同じ年に自社製作のゴジラ映画を公開することが出来ない事もあり、今作を前倒しで2023年11月3日に公開することになった作品でもある訳ですが)、日本で製作された実写版ゴジラの第30作目の記念作品。

そして、その節目を託された山崎貴監督は、1954年の第1作の初代『ゴジラ』に立ち返って、シリーズを上手くREBOOT(リブート=再始動)させたとも言えるかも知れないですね。

 

 

つまり今回のゴジラはまさに、《絶望の象徴》と言えるでしょう。

初代ゴジラと同様に、人間への敵意と殺意が剥き出しで、極めて恐ろしく描写されていました。

 

 

しかしながら、巷間では、SNS上では特に一部の怪獣オタクの方々からはあまり評判が芳しくはないようですが、やれ「安っぽい演出」だの、「人間ドラマパートの展開の先読みがし易く、ご都合主義的な側面が多々見受けられる」だの否定的なアンチ派からの声も散見しているようですが、私的には、それらの点を差っ引いても、今作での圧倒的な映像と個々の俳優の熱演にも支えられ、単に怪獣オタクのみならず、幅広い世代の心情にも共鳴すること必至の傑作の域に仕上がっていたかと思いました。

 

そんな一部のSNS上をはじめとしたレビューなどでは「安っぽい」とも揶揄される人間ドラマパートの展開や演出においても、私などは思わず涙腺が緩くなってしまった程に感情移入してしまい、所謂、《#ゴジ泣き》してしまったくらいでした。

まさか私もゴジラ映画で泣かされるとは思ってもみなかったです(汗)

 

 

時は、第二次世界大戦末期。

従軍していた特攻隊員でもある主人公の敷島浩一(神木隆之介さん)は、第一作にも登場したシリーズお馴染みの舞台である大戸島で、伝説の怪獣・呉爾羅(ゴジラ)に遭遇する。

 

 

今作のゴジラは大戸島の伝説の怪獣・呉爾羅のこの段階の時点から、あの『ジュラシック・パーク』のT-REXやギャレス・エドワーズ監督版の『Godzilla』の、所謂、「ギャレゴジ」を彷彿させるような足元からの至近距離のアングルや人間をガブッとくわえて投げ飛ばしたり踏み潰したりするショットなど、昨今のゴジラ映画の中でも群を抜いて恐ろしいゴジラ像でしたので、怪獣オタクの端くれの私としましても、かなり満足が行く出来映えでした。

 

 

そして、終戦後。

かろうじて怪獣・呉爾羅から生き延びたものの、東京大空襲で家族を失った敷島は、焼け野原と化した東京で出会った大石典子(浜辺美波さん)と、戦争孤児の少女・明子と共に暮らし始めるのでした。

やがて日々の生活のために海中の機雷の撤去作業をする危険な仕事に就くのでした。

 

 

しかし、終戦翌年の1946年夏。ビキニ環礁で米軍が核実験を行ない、この時に近海にいた呉爾羅が被曝し、体を焼き尽くされたのですが、しかしそれによって呉爾羅の体は細胞内でエラー反応を起こして、やがて巨大化し、体高約50メートル相当もの超巨大怪獣「ゴジラ」へと変貌を遂げるのでした。

そんな中、巨大化したゴジラが海中から姿を現すのでした。

 

 

この場面ではあたかも『JAWS』を想起させる展開で、機銃を搭載した小さな船「新生丸」とゴジラとの戦い。

実際に海で撮ったからでこその船の揺れや海面の煌めき。VFX(視覚効果)技術を駆使して描写される、水しぶきをあげて泳ぎながら全速力で迫り来るゴジラ。

こんな映像表現も可能だったのかと驚かされる事でしょう。

 

 

この後に描かれる東京・銀座への襲撃シーンもあまりにも衝撃的。

あの『シン・ゴジラ』から7年、この間のVFXの驚異的な進化の度合いにも感嘆させられてしまいました。

 

 

近年のハリウッド産のゴジラ映画などにおいては、人間のドラマパートは添え物的な扱いにされがちでしたが、しかしながら、ゴジラのその怖さは魅力的な人間がいてこそ引き立つとも言えるのではないでしょうか。

その点では、今作は、主人公の敷島浩一役を演じた神木隆之介さんの演技が特に素晴らしかったですね。

前半部は弱々しく、次第にゴジラへの復讐の念に取り憑かれていくといった、その表情と言動が変わっていく過程をその迫真の演技で物語を牽引し、反戦や反核のメッセージを投げかける重要な役割も果たしていました。

 

 

ただそう言った意味合いでは、今作は怪獣のゴジラが主役と言うよりも、むしろ神木隆之介さん演じる元特攻隊員・敷島浩一のPTSD克服の成長譚の映画と言った趣も強い映画でもありましたね。

 



また、あくまでも私個人的には、今作の主役が、NHK連続ドラマ小説『らんまん』の神木隆之介さん&浜辺美波さんのコンビでしたので、朝ドラ効果も手伝ってか、とても感情移入し易くて良かったですね!

 

 

山崎貴監督はゴジラ・シリーズ初の終戦直後を舞台に、日本政府やGHQの手を借りずに、人々がゴジラに挑まなくてはならないという状況を作り出し、ここぞといういう時に、今作の佐藤直紀さんのオリジナルスコアに加えて、ゴジラ音楽と言えば伊福部昭さん作曲のテーマ曲を流し、民間人が力を結集させる。といったシーンを目撃するにあたり、あたかも、あの映画『ダンケルク』のクライマックスシーンをもオマージュしたかの如く想起したのは私だけでもないでしょうね。

 

 

それに致しましても、今回、私は、入場料金以外には別途に追加料金が不要な、イオンシネマ京都桂川のDolby Atmos上映で鑑賞したこともあり、流石にイオンシネマが誇る音響設備が素晴らしいスクリーンだったので、ゴジラの咆哮シーンなどでは胸にまでその振動が響いて来るほどでしたので、出来れば音響設備が良く、且つ、大きなスクリーンでご覧になられることをお薦め致します。

 



尚、北米での試写会では未だレビュー数のサンプル数が少ないながらも現時点で100点満点らしく、幸先が良くて嬉しいですよね。

本格的な北米公開は来月の12月1日かららしいので、出来ますれば、北米をはじめ世界的な大ヒットの興行記録を期待したいですね。

庵野秀明監督による『シン・ゴジラ』はアレはアレなりに模擬的政府危機管理映画としての良さもありましたが、今作の山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』の方が万人受けしそうな人間ドラマ重視で、ゴジラ映画史上最もエモーショナルなゴジラ映画でしたでしょうね。

 

山崎貴監督の作品は作品によってその出来映えに当たり外れが非常に大きいので、映画を見届けるまでは、かなり心配をしていましたが今回はそんな不安も杞憂に終わりました。
何処かで観たようなシーンも多くて、1954年の初代『ゴジラ』は当然ながらも、『永遠の0』『ジュラシック・パーク』『JAWS』『ダンケルク』などのオマージュかとも思えるシーンもあって面白かったです。

 

 

私的評価:★★★★★(100点満点)。 

 

確かに、ドラマパートの展開が先読みもし易く、ご都合主義的な面など突っこみどころも多々見受けられる側面もありはしましたが、終戦時にゴジラに抗う人々の個々のドラマが胸を熱くする部分もあり、安っぽい演出などと揶揄される否定的な意見も一部で散見しているようですが、私はそんな安っぽい演出にあっても、思わず涙腺が緩くなってしまい、所謂、《#ゴジ泣き》してしまうほどでしたし、また何と申しましても、今作でのVFX技術を駆使したゴジラの造形や描写が素晴らしい点からも文句の付けどころがなく、私的な評価としましても、五つ星評価的にも★★★★★(100点)の満点評価とさせて頂くのが相応しい作品かと思いました。

 

一部の怪獣オタクの方々に認めて貰うべく迎合することなく、幅広い世代の映画ファンにも支持されるよう、特段に重くもなく、軽過ぎることもない絶妙なバランスの脚本仕立てだったような作風の映画でまさに傑作の域に仕上がっているとも思われました。

 

ご覧になる際には、出来る限り音響設備が良い大きなスクリーンでのご鑑賞を推奨致します。

 

 

○ゴジラ-1.0 - 予告編|Godzilla Minus One - Trailer|第36回東京国際映画祭 36th Tokyo International Film Festival

 

 

○Godzilla-1.0 Resolution:佐藤直紀

 

 

 

○Godzilla-1.0 Godzilla Suite II:佐藤直紀、伊福部昭

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。