「二人の天才レーサーの死闘(14.1/21・試写会)」ジャンル:人間ドラマ
原題:RUSH
製作年/国:2013年/米国
配給:ギャガ
上映時間:123分
公式サイト:http://rush.gaga.ne.jp/index.html
公開日:2014年2月7日(金)より全国公開
監督:ロン・ハワード
出演:クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリヴィア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、クリスチャン・マッケイほか
PG12
京都市内のTOHOシネマズ二条での試写会に当選したので、期待を膨らませて鑑賞。
率直な感想と致しましては、
期待を裏切らない出来栄えの、実に素晴らしい作品でした。
F1界の宿命のライバルと言えば、アラン・プロストとアイルトン・セナが有名ですが、1970年代にも、宿命のライバル同士の対決がありました。
稀代のプレイボーイであり、<壊し屋ハント>ことジェームス・ハントと、完璧主義の頭脳派ドライバーの<スーパーラット>ことニキ・ラウダとの二人の天才ドライバーのF3での出会いから、F1グランプリを席巻し、その中でも、特に、世界を熱狂させた1975年、1976年のF1グランプリを舞台に、人生を掛けた宿命の対決の中、1976年のドイツグランプリにて、熾烈を極めるレース展開から引き起こされた衝撃のクラッシュ事故。
この壮絶な事故が分けた、それぞれの運命と、その年間ワールドチャンピオンの勝負の行方を描いた感動の実話ですが、瀕死の重傷で大火傷を負ったニキ・ラウダが、事故から42日後での奇跡の復活劇には、思わず涙が溢れてボロボロ泣いてしまいましたね。
当時、私たち日本の子供達の間では、スーパーカーブームで、私や弟も夢中になって観ていたF1アニメにも登場するほど、<不死鳥>とも呼ばれた、ニキ・ラウダの人気振りは今でも憶えていますが、ジェームス・ハントとのこの様な宿命のライバル対決関係にあったことまでは知らなかったので、今回、この映画を観るにあたり、非常に面白く観ることが出来ましたね。
ジェームス・ハント役のクリス・ヘムズワースは、当初は、鑑賞していても、私の場合には、『マイティ・ソー』のソー役の印象が抜けきれなかったのですが、観ているうちに、こういった命知らずな無鉄砲で自由奔放で派手好き・オンナ好きな天才ドライバーが<マクラーレン>に居たんだと、お話しにグイグイと次第に引き込まれていきましたね。
また、その対極にあるような職人気質でストイックで、地味な生活を送るニキ・ラウダ役のダニエル・ブリュールも、実際のニキ・ラウダ本人というよりも、外国人タレントのデーブ・スペクターを彷彿させる様な顔立ちで、違和感も無きにしも非ずでしたが、観ているうちに見慣れて来ました(苦笑)。
▲当時の実際のニキ・ラウダ(左)とジェームス・ハント(右)本人
そういった要らぬおバカな感想は抜きにしましても、
実話の再現ドラマとして、これほどにも、性格的にも両極端で対照的な二人の天才ドライバーがF3での出会いから、宿命のライバルとして、そして<好敵手>としてお互いを認め合いながらも、年間ワールドチャンピオンを争った、1975年、1976年のF1グランプリに焦点を当てて、今回、あの名匠ロン・ハワード監督が映画化したというところが、実に良かったですね。
また、劇中も、オーストリア人のニキ・ラウダの台詞の多くを、ニキ・ラウダ役のダニエル・ブリュールに、ちゃんとドイツ語で話させていたのも、違和感がなくて良かったですね。
<フェラーリ>のニキ・ラウダと<マクラーレン>のジェームス・ハント以外にも、当時のF1カーのマリオ・アンドレッティの乗る<JPSロータス>や6輪車の<タイレル>なども見事に忠実に再現されて、当時のF1カーを知る者としても、すごい迫力あるF1マシンのノイズ音や映像美には鳥肌が立つほどの感動ものでしたね。
現在のF1グランプリ中継をも凌ぐくらいの、ど迫力のレースの再現映像には驚嘆の一語でしたね。
音楽担当のハンス・ジマーのBGMも、再現したレース展開を更に盛り上げてくれていましたね。
そして、1976年の最終決戦の地は日本の富士スピードウェイ。
どす黒い雨雲に霞む富士山を背景に、二人の天才ドライバーが限界ギリギリまでアクセルを踏み込み疾走していく姿が、日本人の私からしても嬉しかったですね。
ただ、惜しむらくは、ジェームス・ハントの自由奔放で享楽的なオンナ癖の悪さを表現するべく、SEX行為の描写が多々あるためか、PG12指定のレイティング規制が設定されたのが悔やまれますね。
私的な評価と致しましては、
実話ベースの二人の天才ドライバーの宿命のライバル関係をはじめ、ロマンスなども描くヒューマンドキュメントタッチ風ドラマ映画で、実に良く出来た映画で、感動して涙が溢れてボロボロ泣いてしまったくらいでしたので、当時のスーパーカーブーム世代の私にとっては、文句なしの★★★★★(100点)満点評価を付けさせて頂きました。
決して男女を問わない、ヒューマンドキュメントタッチ風ドラマ映画です。
お勧め映画です。
●『RUSH/プライドと友情』劇場予告編
この度も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。