今回は、本日ようやく鑑賞してきました『アルゴ』をご紹介致します。
「ハリウッド救出作戦(12．12/3)」
ジャンル：人間ドラマ
原題：ARGO
製作年/国：2012年/米
配給：ワーナー
時間：120分
公式サイト：http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/
公開日：2012年10月26日(金)
監督：ベン・アフレック
出演：ベン・アフレック、アラン・キートン、ブライアン・クライストン、ジョン・グッドマン、ケリー・ビシェ、カイル・チャンドラー、ロリー・コクレーン、クリストファー・デナム、テイト・ドノヴァン、クレア・デュヴァル、ビクター・ガーバー、ジェリコ・イヴァネク、リチャード・カインド、スクード・マクネイリー、クリス・メッシーナ、マイケル・パークス、テイラー・シリングほか
京都市内のシネコンにて鑑賞。
俳優のベン・アフレックによる『ザ・タウン』に次ぐ、３本目の監督・主演作の映画であり、1979年のイラン大使館員の脱出劇の実話ベースの映画という予備知識のみにて鑑賞。
率直な感想と致しましては、
予想以上に面白い作品で、ほぼ完璧に近い映画かと思いましたね。
冒頭から、イランの革命史の流れをアメコミチックな解説で、その流れを解り易く解説してくれているので、その点では、私の様に、中東のイランの歴史に疎い御方々でも、大体の流れが掴めますのでその点も親切設計な映画でしたね。
エンディングロールを観る限り、渋いキャスティングにより、1979年のイラン大使館員の6名の脱出劇を、特殊メイクなどを遣わずとも、大使館員の役柄も、ほぼ忠実に再現しており、その点でも凄いとも思いましたし、何よりも、実話ベースなのですから、既にその結末は解っているはずなのですが、それでも、電話のベルの長さや、ギアのなかなか入らない車や、搭乗予約の確認や、飛行機の離陸の順序など、ともすれば、ありふれた要素なのですが、観ている観客のこちら側は、ハラハラドキドキで、その間一髪の脱出劇を、それこそ祈る想いで観てしまっているから不思議でしたね。
特段に、有名どころや綺麗な女優をキャスティングに用いたりすることもなく、渋いキャスティングを用いながら、その時代の歴史的な顛末の有り様を、実に、リアリティを持たせて再現している点も素晴らしかったですね。
シリアスな展開ながらも、CIAの会議で提示される、数々のお粗末な救出作戦プランや、ハリウッド映画界の風刺の描写には、ユーモアも溢れていて、笑いも交えながら、徐々に深刻になって観ていける作品仕立てになっていましたし、また、実際に実行された、B級SFアクション映画『アルゴ』のロケハンという態をなして単身で潜入し、長期間、カナダ大使の私邸に匿われいるアメリカ大使館員６名を救出するというプランも、実に大胆で驚かされましたが、これが実話というのだから更に驚かされましたね。
その単身で潜入するCIAエージェントのアントニオ・メンデスを演じるベン・アフレックも上手かったのですが、何よりも脚本が実に優れていたとも思いましたね。
前半部分は、アメリカの政治とCIAを中心にした描写、中盤は、ハリウッド映画を風刺した描写、そして肝の部分に、ドキュメンタリータッチの政治的なサスペンスフルな描写と３つのトーンに色分け出来る様な映画仕立てになされていて、徐々に、ハラハラドキドキ感が盛り上がっていくといったお話しの組み立て方が、実に巧いに尽きましたね。
エンディングロールに、1997年にクリントン大統領がこの実話の救出劇を最高マル秘機密情報から公開情報に踏み切るまで、非公開とされていたとされるらしく、最後のエンディングロールの途中に、当時のアメリカ大統領のカーター大統領の肉声による言葉が寄せられている部分も必見でしょうね。
とは言え、そもそもはイランの国家の抱える石油の利権に伴う、CIAやアメリカ政府の政治介入が、このアメリカ大使館占拠事件の発端と言えば、その通りなのであって、その点がうやむやにされている点は致し方ないのかも知れないですが、真のヒーローは、地味なCIAエージェントで有りながらも、本当の悪玉もアメリカ政府ならびにCIAに他ならないのは確かでしょうね。
私的な評価と致しましては、
予想以上に面白い作品で、ほぼ完璧とも言える作品でしたので、文句なしの★★★★★(100点)満点評価を付けても良いくらいにハラハラドキドキ感溢れる、実に面白い映画でした。
尚、この映画も、やはり字幕翻訳家は松浦美奈さんだったからか、上手い字幕翻訳でしたね。
お勧め作品です。
●『アルゴ』劇場予告編
この度も、最後までブログ記事を読んで下さり、有り難うございました。
