「映像美のみが全てだった映画(12.8/21・3D劇場)」
ジャンル:冒険ロマン
原題:BRAVE
製作年/国:2012年/米
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
時間:100分
公式サイト:
公開日:2012年7月21日(土)
監督:マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン
もう京都市内のシネコンでは3D版も字幕版も上映していなかったので、仕方なく、滋賀県大津市のシネコンにて3D吹き替え版を鑑賞。
吹き替え版の主人公メリダ役の声優には、AKB48の大島優子さんがご担当されていましたがなかなかの吹き替えぶりでしたね。
ですが、私個人的には、出来ますれば、字幕版の翻訳のご担当の松浦美奈さんの字幕スーパー版で観たかったのが本音ではありましたね。
率直な感想と致しましては、
森や川や海の自然の景色の映像美や、鬼火や、メリダの愛馬アンガスはじめ各キャラクターの細部に亘る造型美の映像の拘りについては、非常に伝わって来て素晴らしかったと思います。
しかしながら、ピクサー・スタジオの映画にしては、女性が主人公であり、舞台がスコットランドという大胆な挑戦がなされた作品にしては、ストーリー自体がやや新鮮味に欠ける部分も見受けられた映画でしたね。
この御伽話の発案者自体は、アニメーション界では数少ない女性監督のブレンダ・チャップマン監督による、自身の娘をモデルにヒロイン像に膨らませていった映画であり、それを『カーズ』の際の短編アニメ映画『ワン・マン・バンド』を手掛けたマーク・アンドリュース監督と共同監督をした作品とのことでしたが、お話しの展開自体が、そもそもの、メリダが幼い時分に、モルデューという獰猛な熊に襲われて、父親のファーガス王との格闘シーンから始まるのですが、そのお話の帰結が相当先の展開まで繋がって来ない点も、非常にもどかしいかったですね。
簡単なストーリーと致しましては、
お転婆盛りになったメリダ王女を、母親のエリノア王妃が清く正しい王女に育てるべく、教育熱心に完璧なレディへと導こうとするのでしたが、そんな或る日、娘の将来を案じるあまりに、性急に結婚話を進めるエリノア王女は、メリダ王女と衝突し、その勢いで、メリダ王女が森の中へと彷徨って、鬼火に導かれるまま、老婆の館へ辿り着くのでした。
メリダ王女は、直ぐさま、その老婆が魔女と見破り、「魔法で自分の運命を変えて欲しい」と頼むのでしたが、その願いを叶える魔法のケーキを食べた母親のエリノア王妃は、魔物へと姿を変えてしまうのでした。
やがて、2日目の日が昇るまでに、その魔法を解かないと、その魔物の姿のままになってしまうということを知るのでしたが・・・。
といったストーリー展開でした。
ただ、赤毛にカーリーヘアの王女メリダの容姿自体は決して嫌いではないのですが、この母親のエリノア王妃を魔物の姿に変えてしまった張本人は、そもそもはメリダ王女自身にも拘わらず、「私は悪くない。魔女のせいなの」と言い放ったり、2日目の日が昇るまでに、その魔法を解かないといけないのにも拘わらず、慌てる素振りを見せるところもないところなどが、結婚相手を迎えようとするお年頃のヒロインにしては、キャラクターの性格付けが、自分自身の手で自由奔放に将来の運命を切り拓きたいとの大人びた行動をとりながらも、やや子供っぽい過ぎる点が、共感し辛かったですね。
また、メリダ王女の弟の三つ子の三兄弟が、人間というよりも、あたかもペットの様な存在で、もう少し何とかならなかったのかとも思われましたね。
花婿候補の3つの国の王子も、見た目からも頼りない存在でしたし、これといって、各登場人物が目立って共感出来得るキャラクター像が見受けられないのも欠点だったかと思われますね。
そして、また魔物に姿を変えたエリノア王妃とメリダ王女が手話で会話をするシーンでは、誰も、その魔物の方に目を移すこともなく、そのことに気付かないのも不思議でしたし、そもそも手話で会話出来るのも変でしたし、ご都合主義も良いところでしたね。
たとえ、ご都合主義であっても、まだ笑いが起これば良いのですが、それも無く正直なところ期待外れな作品だったと言わざるを得なかったですね。
また、魔物の姿から元に戻る方法を知った過程も、安直に過ぎた点や、そこからラストの展開も必然的に想像出来ることからも、新鮮味に欠けたと言わざるを得ない作品だったと思いますね。
それと、今回、3Dで観ましたが、眼前に迫って来る様な<飛び出し感>の有る描写もほとんど無く、あえて3Dで観るよりも、通常の2Dで観た方が、映像美が、より鮮明で綺麗に観られたかも知れないと少々残念にも思われましたね。
尚、本編上映前の同時上映のトイ・ストーリーのスピンオフ短編映画『ニセものバズがやってきた!』や、『月と少年』とがありましたが、特に、『月と少年』は第84回米国アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされただけある逸品で良かったですね。
●トイ・ストーリーのスピンオフ短編映画『ニセものバズがやって来た』

●短編アニメ映画『月と少年』
私的な評価と致しましては、
主人公のメリダ王女は、自我に目覚めた大人びた行動をとりながらも、そのキャラクターの性格付けは、やや子供っぽい過ぎた感もあり、共感し辛いキャラクター像でもあり、また、各登場人物も魅力的なキャラクター像が見受けられなかった点や、お話しの展開自体からも新鮮味に欠けていた点などから、正直なところ、これまでのピクサー・スタジオのアニメの実績からしては、期待外れな感が否めなかったのですが、同時上映の短編アニメ映画『月と少年』が秀逸でしたので、その分を加味致しましても、残念ながら、★★★☆(70点)の評価くらいが相当の映画かと思われましたね。
ピクサー・スタジオは女性を主人公にしたアニメは不得手なのかも知れないですが、本家ディズニーの『塔の上のラプンツェル』などを見習った各キャラクター像の魅力溢れる設定を心掛けて欲しかったところですね。
●映画『メリダとおそろしの森』劇場予告編
●短編アニメ映画『ニセものバズがやってきた』&特報
●短編アニメ映画『月と少年』&特報









