「アウンサン・スーチー女史の半生記(12.8/2・劇場)」
ジャンル:人間ドラマ
原題:THE LADY
製作年/国:2011年/仏=英
配給:角川映画
時間:133分
公式サイト:http://www.theladymovie.jp/
公開日:2012年7月21日(土)
監督:リュック・ベッソン
出演:ミシェル・ヨー、デヴィッド・シューリス、ジョナサン・ラゲット、ジョナサン・ラッドハウス、スーザン・ウールドリッジ、ベネディクト・ウォン、フトゥン・リン、アガ・ポエチットほか
PG12
父親のリクエストにて、一緒に、京都市内の大型シネコンにて鑑賞。
率直な感想と致しましては、
この映画を観るまでは、私の場合には、アウンサン・スーチー女史のことはそれほど詳しく知らなかったのですが、ただビルマ(現ミャンマー)の軍事独裁政権により、長期間に亘り、自宅軟禁状態にあり、1991年にアジア人女性として初めてノーベル平和賞を受賞された女性政治活動家というくらいの知識しか無かった状態でした。
ですが、この映画を観て、夫や家族と、自宅軟禁という形で、ひき裂かれても、その家族への愛を忘れず、母国ビルマの民主主義の復権へと、マハトマ・ガンジーの非暴力・不服従主義を信条に、その信念を貫き通した1人の女性政治活動家を通して、軍事独裁政権の愚かさや、民主主義の尊さ、そして更には、家族愛と母国への愛という2つの愛の狭間にも、その信念を揺るがすことなく、民主主義の扉を少しずつ開けていった過程を、実に、丹念に描写し紡ぎ出した、今回、自らがメガホンを執ったという、あのリュック・ベッソン監督らしからぬ(?)と言っては失礼ながらも、それこそ意外なほどに、アウンサン・スーチー女史と、それを支える夫マイケル・アリス教授、そして、アレックスにキムという2人の息子達についての描写が、実に落ち着き払って、哀しい半生を送った女性政治活動家の映画ながらも、その描写の仕方が、リュック・ベッソン監督の作品にしては、実に清々しく潔くも感じましたね。
また、政治家の妻をを支える夫という夫婦という構図の映画は、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』でも見受けられた図式ではありましたが、むしろ、この映画の、アウンサン・スーチー女史の夫婦像の方が、より強く、より一層に、夫婦揃って、ビルマの民主化を成し遂げようとする、その意志が強く感じ取れた映画でもありましたね。
更に、アウンサン・スーチー女史が自宅軟禁状態になり、家族が英国とビルマに、ひき裂かれた後は、英国に住む夫のマイケル・アリス教授が2人の息子の<主夫>であり<イクメン>として奮闘している点も、その大きな違いかも知れないですね。
そして、また、軍事独裁政権下のビルマの、その理不尽なほどに、自宅軟禁下のアウンサン・スーチー女史の自宅の電話回線を切断するのみならず、更には英国大使館内の電話の盗聴や回線を途中で遮断させる行為や、珍妙な国会での法整備など、あの手この手で、英国オックスフォードに住む家族への通話や外部への連絡を遮断するばかりでなく、アウンサン・スーチー女史が、この<カゴの鳥>状態にありながらも、更に、ビルマの国民の民主化活動を形骸化させようと謀る行為の沙汰には、ほとほと呆れるばかりでなく、そのあまりの理不尽さに、涙を誘うほどでしたね。
但しながらも、惜しむらくは、冒頭に、ビルマの「独立の父」或いは「建国の父」として崇められている、アウンサン・スーチー女史の実父のアウンサン将軍とのエピソードはありながらも、英国人男性のマイケル・アリス教授との留学時代のロマンスの経緯と、そもそもが英国の植民地下にあったビルマの英雄の娘たる女性が、英国人男性と結婚するという苦難についての描写が、あえてなのか、この映画では、あまり描写されてなかった点が少々惜しまれるところではありましたね。
仮に、もしも、それらの留学時代のロマンスの経緯や苦難の部分などの描写があれば、苦難を乗り越えた結婚だったからこその夫婦愛であり、家族愛であることも、更に、よりよく伝わっただろうとも思えも致しましたのが、少々残念な部分でしたね。
また、ビデオ・ジャーナリストたちが命を賭して遺してきた現実を捉えた貴重な映像がほとんど使用されることがなかった。
と言うよりも、むしろ、ビルマという国では、そういった類のビデオ素材は世に送り出すこと自体出来得なかったのも残念でしたね。
そういう意味合いでは、ラスト近くの僧侶達の行進の実際の映像が実に貴重なのがよく解り、感動的でもありましたね。
私的な評価と致しましては、
私と共に映画を一緒に観ても、観る度に、いつも評価が辛辣な意見の私の父親が、珍しく今回の作品については、大絶賛するほど気に入った作品だからという訳ではありませんが(笑)、私も、スゴく大変勉強になりましたし、また1人の女性政治活動家とその家族の苦難の日々が痛いほどに伝わって来て、涙をも誘う映画でもありましたね。
また、主演のアウンサン・スーチー女史役のミシェル・ヨーのその容姿・風貌のみならず、まさにアウンサン・スーチー女史が憑依したかの様な努力の賜物の演技ぶりには頭が下がる思いにもなりましたし、他の共演者の好演も実に輝った映画でしたね。
ただ、強いて欲張った意見を挙げるとするならば、前述致しました通り、
アウンサン・スーチー女史と夫マイケル・アリス教授との留学時代のロマンスの経緯や苦難の部分の描写などがあれば、更に良かったにと残念ではありましたが、その点を加味を致しましても、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価に値する映画かと思いました。
お勧め作品です。
※尚、国名表記につきましては、1989年の軍事独裁政権下に対外国名呼称を「ビルマ」から「ミャンマー」に改名をしてはおりますが、アウンサン・スーチー女史は、これを民主主義に則っていないと認めていらっしゃらないとの事ですので、あえて国名表記については「ビルマ」と記載させて頂きました。
●映画『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』予告編
<追記>
●【ロンドン五輪&ロンドン五輪・サッカーTV観戦雑記】
先ずは、8月1日深夜から2日未明の朗報と致しましては、
男子体操個人総合決勝で、内村航平選手(23歳)が、優勝し金メダルを獲得致しましたが、この種目の日本人の優勝は、1984年のロサンゼルス五輪の具志堅幸司さん以来の28年ぶりの快挙。
男子体操団体戦で銀メダルに終わったことから気持ちを切り替えて臨んだ個人総合。
これまでで個人総合で優勝した選手は日本人選手では、4人目に相当するらしいのですが、世界選手権と両方制したのは内村航平選手が初めてという大快挙。
内村航平選手曰く、もう気持ちは、早くも、次のリオデジャネイロ五輪を見据えているというらしく、さすがに世界選手権で3連覇しているだけあって貫禄が違います♪
また、競泳の男子200m平泳ぎ決勝で、この種目の3連覇を狙っていた北島康介選手(29歳)は惜しくも4位でメダルを逃すも、同種目で、立石諒選手(23歳)が銅メダルを獲得致しました。
サッカー男子五輪代表は、予選リーグD組の最終戦の対ホンジュラス戦。
既に決勝トーナメント進出を決めていることから、この試合での目的は2つ。
なでしこJAPANと同じく、体力を消耗している主力選手の温存することと、控え選手を試して今後の戦い方の幅を広げることを主眼に置き、先発に、杉本選手、宇佐見選手、斉藤選手、山村選手、村松選手の5名を先日のモロッコ戦から大幅に入れ替えて先発出場。
しかしながらも、この試合が五輪初先発組は、ドリブル突破が多く、スムーズな連係面やチャンスメイクの面では相手を崩す様なパス交換による攻めには多少乏しかった様にも感じられ、後半途中から交代した主力組とは対照的な結果で、戦い方、戦術の幅を広げるという課題の点では少々物足りなかったところもありましたね。
ですが、一番の収穫は、先発としてピッチに上がったことは控え組選手にとっては自信や意欲を高める点では大いに意義ある結果だったことでしょうね。
結果、対ホンジュラス戦。0対0の引き分け。計2勝1分で、男子サッカー五輪日本代表の予選リーグD組1位通過が決定致しました。
その結果、決勝トーナメントの準々決勝では、今大会の優勝候補でもあるブラジル代表を回避して、FIFAランキングでも日本代表よりも実力で劣るエジプト代表との対戦が決定し、更に、マンチェスターの、伝統あるマンUの本拠地での試合を実施することともなりました。











