丸々ちょうど一年前の昨年2月に観た映画であり、本当に、今更ながらになりますが、現在、ちょうど、ミラノ・コルティナ冬季五輪2026大会が開催中ということもあったので、この機会に、今から54年前のミュンヘン夏季五輪1972大会の期間中に選手村で発生した人質テロ事件の顛末を、生中継した米国ABCテレビ局スポーツ番組担当スタッフクルーの視点で描いた、実話を基にしたサスペンス作品の『セプテンバー5』についても、備忘録的に拙ブログに、あくまでも記録として残しておきたいと思います。
昨年、2025年の2月14日(金)に、この『セプテンバー5』が公開して間もなく、その当時、多くの映画ブロガーさん達の間でも、なかなか高評価の作品のようだったので、私的には他に観たい作品も幾つかあったのですが、上映時間も100分を切る短尺な作品だったこともあり、映画の内容的にも面白そうで興味が惹かれた事から、その当時、先ずは、この『セプテンバー5』を公開5日目の2月18日(火)にイオンシネマ京都桂川まで劇場鑑賞に出向いてきたのでした。
昨年、2025年の4本目の劇場鑑賞作品。
(2025年のイオンシネマ京都桂川での2本目の劇場鑑賞作品。)
「約半世紀前の五輪テロの緊迫の生中継の舞台裏(25.2/18・2D字幕)」
ジャンル:人間ドラマ/サスペンス
原題または英題:September 5
製作年/国:2024年/ドイツ・アメリカ合作
製作会社:コンスタンティン・フィルム
配給:東和ピクチャーズ
公式サイトなど:https://news.eigafan.com/september5movie/
上映時間:94分
上映区分:一般(G)
劇場公開日:2025年2月14日(金)
【スタッフ】
製作(メインプロデューサー);フィリップ・トワラー
共同プロデューサー: トーマス・ヴェープケ / ショーン・ペン / ジョン・アイラ・パーマー / ジョン・ヴィルダームート / マルク・ノルティン
製作総指揮(エグゼクティブプロデューサー):マルティン・モスコヴィッチ / クリストフ・ムーラー
撮影監督:マルクス・フェーデラー
編集:ハンスヨルク・ヴァイスブリッヒ
プロダクションデザイナー:ジュリアン・R・ワグナー
衣装デザイナー:レオニー・ザイカン / ジョン・イラ・パーマー / ジョン・ヴィルダームート
ヘア&メイクアップデザイナー:サピーネ・シューマン
音楽(作曲家):ロレンツ・ダンゲル
リレコーディングミキサー:ラース・ギンゼル
サウンドデザイナー:フランク・クルーズ
脚本:モーリッツ・ビンダー / アレックス・デヴィッド
共同プロデューサー・脚本・監督:ティム・フェールバウム
【主なキャスト(配役名)】
ピーター・サースガード(ルーン・アーレッジ :放送クルーとして事件を生中継する中心人物の一人) / ジョン・マガロ(ジェフリー・メイソン:若手放送スタッフ役で、事件中の緊迫した状況を体験する) / ベン・チャップリン(マーヴィン・ベイダー:放送チームのメンバーとして、情報収集や中継に奮闘) / レオニー・ベネシュ(マリアンネ・ゲバルト:チームの女性スタッフとして、事件の中で冷静かつ的確な判断を下すドイツ語通訳の役柄) / ジネディーヌ・スアレム(ジャック・レスガード) / ジョージナ・リッチ(グラディス・ディースト) / コーリー・ジョンソン(ハンク・ハンソン) / マーカス・ルザーフォード(カーター・ジェフリー)/ ベンジャミン・ウォーカー(ピーター・ジェニングス) / ダニエル・アデオスン(ギャリー) / ジム・マッケイ(本人役出演) 他
(以上、映画.comおよびシネマトゥデイより引用抜粋し加筆)
【解説・あらすじ】
1972年のミュンヘンオリンピックで起きたパレスチナ武装組織によるイスラエル選手団の人質テロ事件の顛末を、事件を生中継したテレビクルーたちの視点から映画化したサスペンスドラマ。「HELL」のティム・フェールバウムが監督・脚本を手がけ、報道の自由、事件当事者の人権、報道がもたらす結果の責任など現代社会にも通じる問題提起を盛り込みながら緊迫感たっぷりに描く。
1972年9月5日。ミュンヘンオリンピックの選手村で、パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に立てこもる事件が発生した。そのテレビ中継を担ったのは、ニュース番組とは無縁であるスポーツ番組の放送クルーたちだった。エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、機能しない現地警察。全世界が固唾を飲んで事件の行方を見守るなか、テロリストが定めた交渉期限は刻一刻と近づき、中継チームは極限状況で選択を迫られる。
出演は「ニュースの天才」のピーター・サースガード、「パスト ライブス 再会」のジョン・マガロ、「ありふれた教室」のレオニー・ベネシュ。第82回ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)ノミネート、第97回アカデミー賞の脚本賞ノミネート。
(以上、映画.comより引用抜粋)
#イオンシネマ京都桂川で、#セプテンバー5 鑑賞。ミュンヘン五輪のテロ事件の生中継を行うABC局の現地クルーの視点で描くセミドキュメンタリー映画。ドイツ語通訳マリアンネが仕事が出来過ぎで半端ない!95分間に込められた報道の在り方への問いやこの事件の結末を知らずに観たのでその顛末にも驚愕! pic.twitter.com/iyPh9oMzDz
— HALU6700 (@HALU7100) February 18, 2025
西ドイツにおけるミュンヘン五輪の意義。
1964年の東京五輪から2大会後、1972年に西ドイツで開催されたミュンヘン夏季五輪。当時のドイツは西と東に分断されていましたが、第二次世界大戦の汚名を晴らし、国際的な舞台に復帰するためにも、このオリンピックという”平和の祭典”はそれほどにも西ドイツにとっては重要な位置付けな機会だった。
▲人質になったイスラエル選手団(事件当時の実際の写真)。
その西ドイツで”平和の祭典”であるミュンヘン五輪が開催中の1972年9月5日に生じた未曾有の事件。パレスチナ武装組織「黒い九月」による五輪選手村のイスラエル選手団の宿舎を襲撃し立てこもった人質テロ事件が発生。
出場選手11人が人質となり、テレビ画面を通して、全世界が初めてテロの脅威と対峙しました。
五輪テロの緊迫の生中継の裏側。
本作の特徴は、約半世紀前のミュンヘン五輪で起こった人質テロ事件を、現地から生中継したTVクルーの視点を主軸に描いているところにあります。
私は、この事件の顛末についてはあまり詳しくは知らなかったのですが、世界的にも史実として事件そのものの顛末は広く知られているらしいのですが、その様子を「世界に拡散した者たち」という、テロ事件の生中継の舞台裏という未知のストーリーが展開する、謂わば実話を基にしたサスペンススリラーでした。
▲パレスチナ武装組織「黒い九月」のメンバー(当時の実際の写真)。
つまり、たとえ、この事件の結末を知っていたとしても、TVクルーの視点から、見たことがない事件の裏側が追体験出来るため、予測不能でスリル満点!もちろん私のようにこの事件について、ほぼ白紙状態で観ればその衝撃は更に倍増することでしょう!
事件の発生から終結まで何が起こり、彼らはどう向き合ったのかをありのままに伝え、まるでその場に放り込まれたかのような没入感がすごく、事件の顛末の追体験が出来る1時間34分。絶え間なく続く緊迫感には圧倒されるばかりでした。
この人質テロ事件の生中継に挑むことになったTVクルーたちは、実は彼らは、ニュース番組の担当ではなく、現場近くのスタジオで競技の中継を担当していた米国ABCテレビ局でオリンピックを現地で中継するスポーツ番組担当のTVクルーにすぎません。
つまり”事件の報道”についてはまったく慣れておらず、手探り状態で”歴史的事件”に向き合っていくのでした。
▲人質救出を試みる西ドイツ現地警察(事件当時の実際の写真)。
また、私は未見ですが、スティーヴン・スピルバーグ監督による『ミュンヘン』(2005年)などが有名らしく、このテロ事件を題材とする映画やドキュメンタリー番組など幾度も作られてはいるようですが、本作はその大半がコントロールルーム(=放送スタジオ)で展開していくという点では一線を画しているとも言えるでしょう。
当時使われていた機材を置くなどして忠実に再現したコントロールルーム(=放送スタジオ)を主な舞台に、実際のニュース画像なども多数盛り込んでいて、何を撮り、どうやって情報源にあたり、報道するのか。未曾有の事態の中、判断を迫られるクルーの姿を描き、緊張が本当に途切れない。
当時は、放送における倫理的なルールなどが明確化されていない時代。
彼らに突きつけられる”無数の選択”には正解がないという状況で、その時どきの判断を誤れば”大きな問題”に・・・。
その緊張感から、まさに息をつく暇もありません。
報道の自由とその責任の在り方とは?
報道の自由とは?その責任とは?「不適切報道」との言葉が話題となる昨今において、容易に答えを導き出せない”問いかけ”が画面を通して届き、その価値観を根底から揺さぶってきます。
衛星放送の回線の利用時間については他局との取り合いの中、中継ケーブルが届かない場所はフィルムによる撮影、そんな時代にスタッフが生中継に懸命に取り込むのでした。
しかしながら、その結果はどうだったであろうか。
決して、テレビ局からの臨時ボーナスの受給云々の話どころではないであろう。
本作は、事実をいち早く報道することへのジャーナリストとしての使命と放送倫理の間に横たわる問題を提起し描き出す。
人の生死に関わるような問題に対して、いったい報道とはどうあるべきなのか。真実を暴き、他局を出し抜くことが果たして全て”善”であるといえるのか?
▲人質テロ事件を報道しようと群がるメディア(当時の実際の写真)。
また一方、カメラを搭載したスマホなど携帯端末が人々に広く普及し、SNSでは簡単に情報を発信できる現代において、本作が作られた意義は大きいでしょうね。
これは報道の担い手には言うまでもなく、万人に警鐘を鳴らす1本とも言えるでしょう。
ティム・フェールバウムによる監督・脚本・プロデュース作品。
製作には、あの俳優のショーン・ペンも名を連ねています。
映画の劇中では、女性ドイツ語通訳のマリアンネ・ゲバルト役のレオニー・ベネシュが、仕事が出来過ぎなくらいの優秀なクルーにも拘わらず、お茶汲みをさせられているあたりが、男尊女卑な男性クルーのマリアンネに対する扱いがあまりにもピントが外れていて、情けなかったのが、特に印象的でしたね。
2025年・第97回アカデミー賞の脚本賞ノミネート作品でしたが、残念ながら本作は受賞は逃しましたが、私が、他のノミネート作品を鑑賞する前だったこともありましたが、劇場鑑賞時には、直ぐさま、この映画が脚本賞でオスカーを獲得をするのが相応しいとも思ったほどでした。
ただ、その後に、実際に脚本賞を受賞した『ANORA/アノーラ』を鑑賞した後でも、私個人的にはその気持ちは揺らぎませんでした(汗)💦
私的評価:★★★★☆(90点)。
いち早く先行上映された第81回ヴェネチア国際映画祭でも圧倒的な称賛を受けていたことなど、「報道の自由と責任の在り方」が現代にも通じるメッセージ性へと直結している部分からも「ぜひ今の時代に観るべき作品」のひとつとも言えると思われます。
つきましては、私的評価としましては五ツ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)も相応しい作品かと思いました次第です。
実話を基にした、わずか94分の短尺な映画ですので、スリル感が溢れながらも、サクッと観られるのでオススメ作品です。
※尚、本作についてはそもそもが劇場向けパンフレットの製作自体がないのが実に勿体ない作品でもありました。
▲冬季五輪関連ということで、女子フィギュアスケート界の裏側を描いた実話を基にした作品『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017年)の過去記事です。
▲1996年アトランタ夏季五輪の爆破テロ事件の真犯人に仕立て上げられた警備員の実話を基にした作品『リチャード・ジュエル』(2019年)の過去記事です。
今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。




































