むかし、愛犬の介護をしていた時期のことです。

 しだいに夏の気温が上がっていき、毎年「例年にない暑さ」が更新されていました。


 大型犬で、寒い地方が原産の子でしたので、 
日本の夏の暑さがこたえているようで、
看ていてもつらかったことが数年続きました。


 そんな折、庭で洗濯物を干していると、
スイッとトンボが、目の前を横切りました。


 わたしは驚きました。


 なぜなら、あまり自然に親しんだ経験のないわたしにとって、
トンボとは秋の季語で、秋に飛ぶものだと思いこんでいたからです。


 空は晴れていました。


 そこには、空の水色と、浮かんでいる雲とが、ありました。


 トンボはほかにも飛んでいました。

 
 わたしはそれらに気が付かずに、心がうつむいて日々を過ごしていたのだと気付きました。
 

 今年もトンボが、飛んでいます。

 春は、新緑に、チョウチョ。テントウムシ。ハナバチ。
(←ちっちゃくて、まぁるくて、おとなしいハチさんたち) 


 夏になると、トンボが、一気に存在感を増したように感じたことはありませんか?


 水の中で育っていたヤゴたちが羽化し、夏の空へ飛び立ったのです。 


 そして、エサを食べたり、パートナーを探したり・・・。


 トンボは秋の準備をしているのです。


 季節は必ず移っていきます。


 わたし達はつい、今のつらさや未来の不安に心を奪われ、
「もう美しい時はやってこないのではないか」
と思ってしまうことがあります。 


 しかし、野に生きる者たちは、そうではないようです。


 わたしも、そのことを忘れないでいたいと思っています。


 それでは、また・・・。
 


(当ブログ「古今東西」も、別ブログ「重ための話」も・・・不定期更新)