こういった人々の心理を知りたければ、誠実にその人の身になって考えてみればわかるものなのですが、この「誠実に」、「その人の身になって」という点が「自分は嘘をつくことに対して平気ではない」という人にとっては拒否感を感じるといった点でしょう。

 
 ですのでもしも周囲に平気で嘘をつくような人がいるのであれば、腹立だしいかもしれませんが、できれば糾弾(きゅうだん)したりせずに(もちろん裁判沙汰は別です)、心理的にも物理的にも離れることをわたしはおすすめしたいと思います。糾弾した所でそういった人々から返ってくる反応は一切期待できたものではないからです。


 そして、その出来事から、自責するのではなく自分にとっての学びを得る、といったように、ポジティブな点を見つけて、納得や喜びといったものを実感し、その出来事を取り込んで昇華させ、拡張していきましょう。



 さてこの「平気で嘘をつく人」というのは、スピリチュアルで言われる所の「眠り」の度合、つまり自分の本心やハイアーセルフとのつながりが分断されている度合が相当強いと言えます。


 こういった人の側に立ってみると、これも人それぞれでケースバイケースなのですが、以下のような信念(思い込み)や動機があることがおのずと見えてくるでしょう。こういった人々には、自分で気が付いて、健康で幸福な精神状態になることを望んで頂けさえすれば高確率で回復可能ですので、そのためにも分析をざっと挙げてみましょう。


・そもそも思考と本心が極度に乖離しており、嘘をついているという自覚をOFFにしている場合あり。
・周囲こそ嘘つきだと思っている。
・自分こそワリを喰っている「被害者」であり「犠牲者」なので、これくらいしてもまったくかまわないだろうと思っている。
・嘘をついたことによって得た何らかの不健全な成功体験による“仮そめの快”に依存している。
・周囲の言うことを認めたら自分は終わりだ、と思い込んでいる。
・嘘をつかないと自分の望むものは得ることができないと思い込んでいる。
・嘘をつかないと自分の身を守れないと思っている。嘘をつく以外の自分の守り方や大切にするしかたを知らない。



 最後のものについて言及しますと、これは例えばひとつに、幼少期に偏った信念を持った親が子どもを追い詰め、子どもとしては一体どうしたらよいのかわからずに苦し(まぎ)れに嘘をつくしかなく、それをまた親が「この嘘つき野郎!」と追い詰める、という悪循環な環境で育ったというケースがあるということを示しています。


 そういったような何らかのネガティブな経験とその時に感じた感情が原体験となって、大人になるにつれて、それはそれは苦しい人生となっていくことは想像に(かた)くないでしょう。(この辺りはポジティブな統合のために、スピをたしなんでおられる皆さまの優れた「共感能力」が使える点となっているのではないでしょうか。)


 しかしこういった「その人にしかわからない事情や胸の(うち)」といったものは他者にはわかりませんので、その人が「今、嘘つきである」という結果だけを見てその人の人格等を判断することとなります。先述のように、これは少し込み入ったケースとなって来ますので、通常はこういった人には近寄らないほうがベターですし、周囲にいなくて実害を(こうむ)ったのでなければ心理といったものは考えなくてもよいと思います。こういった人々を治療するために専門家がいるのです。


 ではなぜ今回記事を書いているのかというと、「つい、あらぬことを言ってしまう」という当事者であるご本人がこういった記事を読まれることで、自分で気が付くことが最も望ましいことだと思うからです。他者を介入させずに自分で改善、というか本来の自分に戻っていくことができるのです。以下、こういった皆さんを治療する側としての在り方などについても書きますので、そういった方面からも、自分が一体どういう状態なのかをつかんでみて頂けたらと思います。

 

 ではここからは治療方針ですが、これはいつもの言葉を使いますと、
「信念体系からネガティブなものをとる」という作業から始めることになります。この作業の詳細は、すでにお伝えしているものの中にあり、長くなるので今回は省略します。


 そして、こういった人々が通過するかも知れないし、しないかも知れない点についてお伝えしますと、一時的に「自責」のゾーンを通るかもしれませんが、それは治療が進んでいる証拠です。「良心の呵責(かしゃく)」というものを感じる柔らかな心を取り戻してきたということです。


 さてここからは、もしも「治療者」として自分が関わっているのであれば、という場合の話をします。


 治療者としてはこういった他者に「許可証」を与える訳にはいきません。それでは「依存」を招きかねません。これに対して抵抗感があるという治療者も多いでしょう。


 それに、「他者に許可証をバラ撒いて依存させてお金をもらう」という従来型スピリチュアリストの在りかたを、続けても自由ではありますが、集合意識の次元上昇を狙って自分自身の宇宙を底上げしていきたいのであれば、そろそろそういったシステムは卒業し、目の前にいる人に本気で自立して頂く方針に意識をスイッチするという在り方も知っておいて損はないでしょう。


 ですので治療者としては「自分で自分を満たす、愛する」といったやり方を教えることにより誘導し、いい頃合いを見てその人らしい真の自信を身につけてもらうことに導くことが良いと思われます。


 さあ、目の前にいるのは平気で嘘をついていたような人物です。何があったとしても環境に()ることなく、あなたは「愛や癒し、喜び」といった周波数で振動し続けなければなりません。そうでなければ相手は共振しようがなく、治療にならないからです。

 なぜかと言うと、人は誰でも、例えこういった人々であったとしても、いえ、こういった人物であるからこそ、「大切にされたい」、つまり「愛されていることを感じたい」と願っているからです。

 「この治療者も自分の敵だ!」と敏感に察する力はとても強く、そのように思われたらたちまちラポールは崩れることでしょう。あなたには「それ」、つまりが「何があったとしても環境に()ことなく、「愛や癒し、喜び」といった周波数で振動することが、果たしてできるでしょうか?(←これがいつもわたしが言う「ポジティブ・ブラックボックス化した」ということです。)


 「できる」と思うのであればエクセレントです。是非引き続きTRYを!


 そしてもしも今はそうではなく、そう在ることができるようにしたいのであれば、治療者のほうも更なる高みを目指すことにもなるチャンスとなりますので、自分の中の信念体系をチェックして、少なくともニュートラル化、できればポジティブ化できるように思考をこらしましょう。なんてエキサイティングなのでしょう!(°▽°)

 
 とは言え、どこまでの高みを目指すのかも各人それぞれで、皆さまの自由なのです。しかも状況により変化もしていくことです。

 
 自分がどこまで行きたいのか、はっきり自覚されると良いと思います。そうするとご自分の手に負える・負えないという、クライアントである他者とのラインがわかり、早期の段階で、相手の人生や存在への敬意を持ったまま、丁寧に「お断り」することができ、誰も不要に傷つかなくてすむ可能性がとても高くなるのです。


 いかがでしたでしょうか。


 いつも解説をみっちりとギューギューに詰め込み過ぎていて、ブログが長くて読みにくいだろうなと心苦しく思っていたので、根本は同じことを言っていますし、(これでも)短くしてみました。



 ではまた・・・。