年末年始にかけて、デンマークのジャズ・ベーシスト、トーベン・ヴェスタゴーのアルバム「タンゴファイド」のⅠ~IIIを聴いた。
トーベン・ヴェスタゴーとの出会いは2013年に遡り、タンゴファイドの日本盤が出た時にタワレコの試聴機に入っていたのを何となく聴いたのがきっかけだ。
それまでジャズギターというものに何か苦手と言うか魅力が分からずにいて、ジャズでギターが入ってるものは聴いてこなかったんだけど、
このアルバムを試聴するとアコースティックギターが入っていて、その音色が良くて今までのジャズにおけるギターへの偏見が変わったというか、単に「いいなぁ」と思った。
また、バイオリンなども入った編成とディアゴ・スキッシのアルゼンチンタンゴ?のアレンジがクラシックっぽくもあり新鮮で衝動買いした。
タンゴファイド…このアルバムはアルゼンチン・タンゴのピアニスト、ディエゴ・スキッシとの共作で、作曲をトーベン、編曲をディアゴが行っている。
どうやら編成はまんまディアゴ・スキッシのグループのレギュラーメンバーらしい。
まさにトーベンがアルゼンチンタンゴの人たちとがっぷりよつに組んだアルバムだ。
元々ジャズ、と言ってもそんなに毎日のように聴きかじってるわけじゃなく、ヘビロテのようなものもあまりしてなかったこともあり、
このアルバムもしょっちゅう聴いてた訳ではないけど
時々思い出しては断片的に聴いていた。
そして追ってた訳でもなく、トーベンの新作を待つとかそう言うこともなく、本当に時々思い出してこの1枚だけを聴いていた。
どうやらその後は日本でのリリースもなかったようなので、たまにCDショップに行っても何か偶然に新作を目にすると言うようなこともなかったのかもしれない。
「ふと」思い出してトーベン・ヴェスタゴーについて調べたのが何年前だったか、スマホで見ていると日本語のページが出てきた。
詳しくは分からないけど、公式の日本語サイトのようだ。
驚いたのがタンゴファイドに続編があり第3弾まで出ていることだった。
その時はどうやら「出ている」と言う事はつかんだけど、どうやら聴くのはサブスクか配信で買うしかなさそうだと言うことで、
後でもっと調べようと思ったけどなんとなくそのままフェードアウトしてしまった…
あ、ディスクユニオンも一応見に行ったかな?
そんな記憶なんだけど、正直なところあんまり覚えていない。
それから2、3年経って、去年の11月の頭にまた久しぶりに聴いたのをきっかけにして改めてタンゴファイドについて、トーベンについて調べた。
すると以前見た日本語サイトをよく見ていなかったのか、それとも更新されたのか分からないけど
タンゴファイドのⅡとⅢ、そしてほかのいくつかのCDが買えるようになっていた。
アレな言い方だけど、もう何年も経ってるアルバムだし「本当に今でも買えるの?」「本当にはとっくに売り切れてるのが更新されてないだけなんじゃ?」
と、軽い心配をしつつも注文をしてみた。
すると返事が来てどうやら買えるようだ。トーベンさんの方(オフィス?)から直接送られてくるらしい。
俺が聴き続けていたⅠを改めて見てみたら、日本で発売されたものは2012にトーベンのアルバムとしてリリースされたものを日本のレコード会社が選曲やジャケットを変更した「Japanese Edition」だと分かった。
そもそもトーベン・ヴェスタゴーの単独名義のアルバムだったようだ。
掲載されてるジャケット写真も別物のように違う。
オリジナル版のCDは売ってなかったけど、曲順が載っていたのでそれを見ながらプレイリストで本来の曲順にして改めて聴いてみた。
うーん。ここまで変わるとは。改めて新鮮な気分でタンゴファイドを聴きなおしてCDの到着を待った。
それから1ヶ月程度、クリスマスを迎える頃に国際郵便?でCDが届いた。
中にはトーベンさん直筆のメッセージカードも入っていた。
欲しかったアルバム、あると想像すらしてなかった、聴き続けてたアルバムの続編。手に取ってとにかくワクワクした。
今まで10年以上聴き続けていたんだからと、届いたCDは一気には聴かずに1枚ずつゆっくり聴くことにした。
(結局2週間ちょっとでⅢにも手を出しちゃったけど)
存在を知ってから数年。ようやく「タンゴファイド」のⅡ~IIIを聴けた。
ⅡとⅢもとても素晴らしい。
タンゴファイドシリーズ以外のアルバムを聴いたことがないので、
他のアルバムがどんなものか分からないけど、少しづつトーベンさんのアルバムをチェックしていきたいと思っている。
2024年1月13日-はるた