伝えたい人、音にならない考え事 -22ページ目

伝えたい人、音にならない考え事

演劇、表現活動での色々。独りよがりだけど伝えたい、そんな支離滅裂。

多分このお題、ほとんどみんな「差し入れなんかいりませんよ。ご来場くださるだけで嬉しいです」的な回答をするんだろうな、と思うんです。

私もそっち派です。お客様は入場料を払って観劇される。我々はそれに見合った娯楽を提供する。そこですでに対等な取引が成立しているので、それ以上は100%お客様のご好意。「欲しい差し入れ」を役者が言うのって、めちゃめちゃ気が引けることだと思います。


しかし今回のお題は「もらって嬉しい差し入れ」。この「嬉しい」ってのがミソですよね。「欲しい」じゃないんだもん。って、そらそっか。



せっかくなので、差し入れに関する思い出話を2つほど。

2年くらい前、軽度の鬱症状を持っていた頃。食欲が全くなくなって、何も食べられなくなって、それでもお腹は空くから、ちょっとずつ食べられるお菓子で生活していたんです。今の座組みで同じことしたら全力で怒られそうだけど。でも当時は軽い拒食症状態だったから、お菓子でも食べられないよりはマシだった。

で、当時1番食べやすかったのがルマンド。味が好きだったんかな。百均で買ったお弁当箱みたいなやつにちっちゃいルマンドを詰めて持ち歩いていました。そのまま鞄に入れたら割れちゃうからね。

それを見ていた当時の共演者のみなさんが、それからことあるごとにルマンドを差し入れてくれるようになった。「みなさんへ」ってもらった中にルマンドがあると即「はいはるかちゃんの〜」みたいになってた。今となっちゃ懐かしい思い出。てか今だにいただくからね、ルマンドの差し入れ。好物だから嬉しいんですけど。当時を思い出して、「元気になれてよかったなあ」なんて思う。差し入れとは関係ないけど、その頃は色んな人に迷惑かけながら支えてもらいながら、なんとか舞台に立ってたなあ。身体は本当にしんどかったけど、周りの人達が優しかったから幸せでもありました。



もう一つ。これも鬱時代の思い出。当時(ってか今もだけど)アルバイトで働いていた舞台関係の会社。鬱のときは目眩や過呼吸も酷かったから、危険を伴う現場は不安なので2ヶ月くらいお休みさせてくださいという旨のメールを会社に送った。

それが、自分が出る舞台の初日の前日かなんか。その劇場と会社が、最寄駅挟んで反対側にあって。初日の朝。その時も役者と照明オペレーションを兼ねていた私は必死こいてきっかけの整理かなんかをしていた。そしたら外から戻ってきた共演者の方が「これ〇〇さん(その会社の上司)から」と、大量のウィダー(エナドリっぽいのも入ってたかも)を渡してくれた。どうやらわざわざ劇場まで訪ねてきてくれたらしく、しかも差し入れ渡すだけ渡して去ってしまった。ので、直接お礼も言えなかった。大慌てでメール送ったら、ふわ〜っとした絵文字が返って来たけど。

そんときはちょっと泣きそうになった。めちゃくちゃ嬉しかった。早く復帰したいと思った。絶対忘れない、差し入れの思い出。

今では無事復帰して、元気に働いていますよ。相変わらずお世話になりっぱなしだけど。早く貢献できるようになりたい。



差し入れって、内容じゃなくて気持ちだと思うんです。何でもいいんです。くれる気持ちが嬉しい。プレゼントも一緒だよね。一緒にいない時間に自分のことを考えてくれたって、その事実が嬉しい。

私は人に物を贈るのがあまり得意ではないので、スマートに嬉しい差し入れができる人は尊敬します。貰って嬉しい差し入れを喜ぶだけじゃなくて、ちゃんと贈れるようになりたいものです。