コルバタ合同公演十万喜組『PEEKABOO CATHARSIS』全公演終了しました。
ご来場くださった皆様、気にかけてくださった皆様、本当にありがとうございました。

稽古期間が長かったし、共演者は初めましての方ばかりだったので、振り返ると長くなる。
追記 : あんま気にせずに書くので失礼とか嫌な話とかあったらごめんなさいね。ちょっと裏話チックになるので、物語の綺麗な思い出だけを持っていたい方は読まないことをお勧めします。
まず初めに。めちゃくちゃ久しぶりの客演でした。去年の3月ぶりかな。同時に、役者だけでの参加もそれ以来(後に逆班のサンプラーとして参加することになったので厳密には違うけど)。
客演は、自分達の企画とは意識がまるで違う。特に今回は十万喜さんの作品に何度か参加している人も多かったから、なんとなく出来上がってる空気感とかもあって、完全なるアウェーだった。顔合わせ当時は、絶対に溶け込まないなとか思ってた。
そうそう。顔合わせのときの十万喜さんが熱くて熱くて。それに少し物怖じしてしまったのを覚えている。その後もことあるごとにグループLINEが熱くて、「大変な現場にきてしまったぞ」と思ったものです。これは最初の頃のブログにも書いたけど、私と十万喜さんでは使う文法が決定的に違う。初めの頃はその言葉を自分の文法レベルで受け取ってしまっていたから、そのひとつひとつが重くてキツくて。上手くやっていけるかめちゃくちゃ不安だったなあ。まあその不安は杞憂に終わるし、十万喜さんに抱いていた印象も、後に変わることになるんだけども。
でもひとつだけ、最初からほぼ確信していたことがあって。初めて戯曲を読んだときに「あ、これ好きだ」と思ったこと。作品の相性と人間的な相性は必ずしも一致しないけれど、その一点だけで、なんとか頑張れるような気がした。頼れる人がいない中では、戯曲だけが唯一の拠り所だから。戯曲と仲良くできそうなことは、結構大きかった。
そして稽古が始まる。
稽古序盤は、とにかく自分の役割と立場を確立させること。初めましての方ばっかりの現場で「舐められたくない」というのと、けっこうすぐに自分が最年少だと分かって「後輩ヅラできたら楽だな」というのと、両方思ってた。まあその2つは両立不可能だし、後輩ヅラは見事に失敗したんだけど。
配役について。2回の読み稽古を経て、3回目の稽古(初の立ち稽古)の日に発表された配役だったのだけど、個人的には「やっぱりな」という感じだった。役そのものについては稽古期間中に散々語っているのでひとまずは置いておくけれど。
数えたわけじゃないから多分だけど、総勢15のキャラクターの中で、1番出番と台詞が少ない役だったと思う。というのと、チーム内での役割的なものも相まって、かなり自由度が高い役どころ。初めての現場ということもあって、全力で得意分野に振り切らせていただきました。それはそれは「初めて」という状況に甘えた感じになった。ただ今回で得意分野は出し尽くしてしまったので、もし2回目があったら今度は苦労するだろうなあとも思うけど(これは翔平さんにも言われた。経験者は語ってた)。
本当は、もっと技巧的なお芝居ができるといいんだけど。場数だけは踏んでるから度胸はあるけど、やっぱり熟練度という点では敵わないなあなんて思いました。今回ダメ出しもほとんど貰わなかったし、自分のお芝居では全くと言っていいほど苦労しなかったわけだけど、それは私の引き出しの少なさ故なんだよな。まあ結果オーライだけど。
ここからは、火伽噺ピノキオチームについて書いていこうと思う。
ま〜大変でした。大変な思いしたのは私じゃないので申し訳ない話なんだけど。全部のチームの中で1番噛み合わなかったんじゃないかしら。まあそのでこぼこ感がいい所でもあったのかも知れないけれど。お客様の目にはどう映ったのでしょう。
多分、このチームの中で1番頑張ってたのはみのりさんだろうな。畑もキャリアもバラバラな我々を、なんとかまとめようとしてくれた。コミュニケーションの面でも、たくさん話しかけてくれて。
今回色んな人から言われたんだけど、私って怖いらしいんですよ。話しかけるの躊躇うんだって。よくもまあその壁を突き破ってくれましたよ。Twitterにも書いたけど、距離の詰め方が上手いんだろうな。稽古前の自主稽古の提案も、いつもみのりさんからでした。実は彼女のおかげで、私は色んなことを横着させてもらっていました。みのりさん自身も気付いてないと思うけど、めちゃくちゃ甘えてました。今更のごめんなさい。
みのりさんは、役的にも結構大変なんですよ。ピノキオチームのリーダー的な役どころだし、役割もはっきりしてる。そこに自分のキャラクターを乗せていかなきゃいけないんだから、大変ですよ。稽古期間中もギリギリまで迷ったり悩んだりしてた。十万喜さんともたくさん喋ってたし。いっぱい苦労していっぱい考えてたんだろうなあ。その努力に尊敬が尽きません。
悠海さんは、みのりさんとはまた違うベクトルでめちゃくちゃ頑張っていた。
悠海さんは底抜けに不器用。お芝居だけじゃなくて、ありとあらゆる部分で不器用。色々から回ってたり、十万喜さんやみんなに色々言われて不安になってたり。私にもその思考がなんとなく分かってしまうような気がするのは、似た部分があるからなのかなとかも思った。自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃう所とか、人に頼るのが下手くそな所とか。これ悪口か?だったらごめんなさい。
でも、不器用って本当に武器になるんです。これTwitterにも書いたけど。自分の不器用を認めて開き直って振り回すことができたら、それって案外強いんです。器用な人間をパワーでぶん殴ることだってできるかも知れない。もちろん、不器用だから人より長い時間をかけてコツコツ頑張る選択肢も強い。でも悠海さんは、開き直って強いタイプだと思うんだよなあ。勝手なイメージだけど。自分と近しいものを感じるからこそ、色々思ってしまうのかも知れません。いや何様よ。本当に失礼だな。ごめんなさい。
あとは、多分今回はめちゃくちゃ畑違いだったんじゃないかなと思った。悠海さんが今までどんなお芝居してきたのかは分からないけど。悠海さんこそ、全くのアウェーでの戦いだったんじゃないかなと思います。だからめちゃくちゃ頑張ってるのもよく分かった。コミュニケーションに関しては思い切りのいい方みたいだったから、色んな人から色んなものを吸収して。消化には時間がかかっただろうけど、その姿勢は見習わなければと思うのです。本当に努力家揃いだなピノキオチーム。
安藤さんは、今回出会った中ではダントツで好きな役者さんでした。変な話、共演するより客席から見たかった感じ。舞台上で対峙していても、毎回新しい顔を見せてくださる方でした。小屋入りしてから芝居が大きく変わったように見えたのは、マスクが外れたせいだけじゃないと思う。元々好きだったシーンが、より素敵になっていました。
ピノキオチームの中では1番のキャリアの持ち主だし、経験も引き出しも段違い。ヴィランズという立ち位置も良かったんだと思う。一歩引いた目線から、我々3人を助けてくださいました。3人のシーンの自主稽古するって言ってるのに来てくれてアドバイスくれたり、時には自主稽古自体を提案してくれたり。4人の中では1番大人で1番先輩で、もうお世話になりっぱなしでした。
だからこそ、甘えすぎちゃいけなかったなと思うのは小さな反省。認めたくないけど、最後まで認められなかったけど、そういう意味では私が横着しすぎた。もう少しだけでも私が視野を広く持てたら、もっと負担かけずにできたのかもなあ、なんて。今更ですが。
個人的には、2人でのアクションシーンがありましたね。芝居では一切緊張しない私が、唯一毎回ドキドキしながら挑んだところ。桁違いにできる人とやるのって怖いのよ。私はアクション初めてだったけど(から?)、どうしてもその技術に甘えざるを得ないのが悔しかったり悔しかったり。特にあれはハダルのためのシーンだったから余計に。5月半ばくらいかな。アクションの自主稽古ができますよみたいな日があって、安藤さんはいなかったけどそのときめちゃくちゃ練習して。十万喜さんと翼さんに「これで相手がアンディだったら結構いいものになる」って言ってもらってて。その言葉は最後までずっと私の脳内にあったから、実はずっと悔しかった。お芝居のロスはないけど、アクションはもっともっとやっていたかったなあ。
自分の話になっちゃった。たくさん助けてもらって、甘えすぎるくらい甘えさせてもらって。本当に頼れる先輩でした。客席で見たいとか言っといてアレだけど、またご一緒できたら嬉しいなあ。
こうやってひとりひとり書き出してみると、本当にでこぼこなピノキオチーム。金伽噺のピノキオチームがめちゃくちゃ仲良しだったからその対比もあって「これ大丈夫か?」ってずっと思ってました。今だから言えるけど、正直不安でしたよ。誰がどうと言うんじゃなくて、相性がね。十万喜さん、よくこのチーム分けにしたなあ、と。
それでもギリギリでなんとか形になったのは、それぞれが役とチームにちゃんと愛着を持っていたからなのかなあ、なんて思ったり。深い話はほとんどしなかったけど、それぞれが役とシーンを突き詰めて考えられたから、何かがどうにかはまって上手くいったのかなあ、とか。
もちろん最終的には十万喜さんが整えてくださいました。十万喜さんは「責任は僕が取るから」ってずっと言ってて。それはうちらだけじゃなくて作品全部に対してなんだけど。わあ有言実行。まあそういうことなんだよなあと思った。
でもね。演出家は整えることしかできないから。特に十万喜さんみたいなやり方の人は。あれは役者の提示ありきだということを明言しておきます。私はやりたいこと大体やらせてもらえたし、3人もそうだったらいいなあと思う。
私にとっては、一緒にやってくれてる人が楽しいかどうかってめちゃくちゃ重要で。作品のクオリティやお客様のことももちろん大事なんだけど、やっぱり私には目の前の共演者が大切で。その原因が私じゃなくても別にいいんだけど、3人が楽しく舞台に立てていたら、それで私は満足だなあと思うのです。
今回は特に、いかに共演者のために演るかが自分の課題だった。話すのは苦手だから、お芝居の上で作用できたらなと思って試してたシーンがいくつもありました。私も器用な方ではないからちゃんと渡せてたかどうかは分からないけど。
だから、今回貰って1番嬉しかったダメ出しは「いいパス出したね」でした。本番期間中のダメ出しだったんだけど。その回は私がはけた後のシーンが裏で聞いててもいつもより上がってたから、やったあと思ったんだよな。自分が褒められるのも嬉しいけど、自分が出したパスで共演者が光ると「勝った」と思える。まあただの自己満足なんですけどね。それでも、今回自分が果たしたかった役割は果たせたのかなと思う。十万喜さんの狙いに合っていたかどうかは別として。
誰かのために何かをする。独りよがりで自分勝手な私にとって、お芝居は唯一他人と繋がれるツールだから。それでもずっと下手くそだけど、私は多分これがないと、人と話すことすらままならないから。初めましてだらけの現場で、そんなことを痛感していました。これから長い付き合いになる人、もう二度と会わない人、ご一緒はできないけどなんだかんだ関わっていく人、きっと全部あると思います。それでも出会えてよかったと、私は思うし、思ってもらえていたなら幸せだなあと思うのです。思いすぎだね。重いね。
十万喜さん、共演者のみなさん、スタッフのみなさん、MARUさん、そしてご来場くださった皆様。出会ってくれてありがとうございました。とりあえずこれでおしまい。またいつか、会えるなら会いましょう。
ではさよなら。