黒猫ピエロ
夜の黒猫は不吉だと
明るい都会の誰かが言った
そんなの別にかまやしない
あたしはここが大切なんだ
唯一無二のあなたに出会ったこの場所を
あなたが愛していますように
ねえ
もしもあたしが不幸の予兆だったとして
絶望の引き金のひとつだったとして
それでも愛してくれますか?
あなたに愛されたいあたしの
ほんの少しの我儘が
もしもあなたを殺したとして
それでも許してくれますか?
あたしは歌う あたしは踊る
美しくなくたって構わない
あなたの道化でいたいのです
どうかあなたは笑っていてね
あたしがいるのはそのためだから
ひび割れた仮面の中
私の顔がのぞいてる
笑顔も涙もできやしない
下手くそな私がこっちを見てる
一気に上がる心拍数
息切れしそうな幕開けに
私はそっと目を閉じる
虹色の雑踏で出会ったあなた
ここは愛すべき世界だったよ
誰かが袖でくすりと笑った
私が生きるはあなたのために
あんまり言ったら嘘くさいかしら?
それでも私はかまやしない
理性は全部預かるから
あなたは心で踊っておいで
誰かのために歌っておいで
気難し屋の猫又さん
得意な文字を無数に並べて
それっぽい理屈を捏ねている
普通に一言
愛していると言えばいいのに
あたしが踊るはあなたのために
あなたが待ち侘びた結末は
満足いくものだったのかしら
もしもそれが叶わなくても
嘘でもいいから
どうか どうか笑っていてね
あたしがいるのはそのためだから
腕がちぎれて 足が折れても
去り際がひどく不恰好でも
2本に増えた尻尾の先で
ハートマークでも作ってやるわ
固い口角 意地でも上げて
幸せだと叫んでやる
そうやって強い言葉を吐くのは
いつも私よりあたしのほう
久しく忘れていたけれど
私も空を飛べたのね
きっと あと数回だけ
幕が降りるその日までだけ
2人で道化になりましょう
ハッピーエンドは分からないけど
どこかの誰か あなたのために
きっと2人で立ちましょう
どうせ祭りの後はきっと
どうしようもなく寂しいのだから
今朝出した短編詩。元々は、誰にも伝わらなくていいやと思っていました。
エゴエゴしいね。
本当は明言する気もなかったし、人の書いた戯曲に自分の言葉を重ねるのは二次創作めいていて失礼かなとも思って躊躇ったのですが。今日のテーマがあまりにタイムリーだったので、思い切って。
この詩について、多くは語りません。お薦めポイントとは少し違うかもしれませんが、私と役の関係性を集約した文章のつもり。役者としての個人的な思考も含まれています。
少し前に書きましたが、自分の役を過剰に愛してしまうことは危険だと思っています。感情だけで芝居をするなと教わったし、自分と役のリンクに酔いしれて独りよがりになってしまう可能性があるから。
まだ配役も決まっていない読み稽古の段階で、十万喜さんに「明るい芝居できる?」と言われました。元より暗い芝居やシリアスシーンの方が得意です。性格も明るい方ではないので、舞台上であっても笑うことは苦手です。ハイテンションで爆発的なお芝居は難しいなあと思います。
私がいただいた役、カペラはまさにそんな役どころ。自信家で、テンション高くて、明るくて。演じる私の性格とも相まって、粗野で乱暴な愛し方のキャラクター。
感情で笑うのは難しい。だから彼女が笑う理由を与えてあげたい。ラストシーンをもらったとき、その理由に説明がついた気がしました。
カペラにおける個人的なテーマは、いかにして笑うか、です。まあ役者なんて道化師みたいなものですから。
話は変わりますが。常々、ベーシストの様な役者になりたいと思っています。今回の作品に関しても、いかに共演者を立てられるか、誰のためのシーンにできるのかを大切に作っています。
でも。ベースソロがあったっていいじゃない。強いて挙げるなら見所はそんなとこ。今日は期せずして十万喜さんとお話しする時間があり、「あそこはもっと魅せてほしい」と言われました。久々にもらったダメ出し(?)。そうかそうか。ベースソロにしていいのか、と思いました。ちょっとだけ、きっとほんの数秒だけ、私のためのシーンにしてもいいですか、と。次の稽古が楽しみです。通しやるとか言ってるけど。
派手なことを書こうと思えば、前半の楽しいシーンとか、アクションとか、頑張りポイントはたくさんあります。美味しいシーンはきっちり美味しくいただこうと思います。
でも1番大切にしたいのはラストシーンかな。ラストのために、その前のシーンを積み重ねる。序盤の笑顔が、最後に回収されるような作りになればいいなと思っています。
まだ稽古は続くから、どうなるかは分かりませんけどね。
p.s.
昨日今日と、色んな方から「はるかのカペラ好きだよ」と言われました。褒められるのって嬉しいよね。私は魅せ方の手段をあんまり知らないから器用にはできないけれど、全身全霊ってやつをやってみようと思うのです。