アングラ演劇の旗手 唐十郎の初期作品を“関西弁”で再解釈し二作連続上演!
というお芝居を観劇してきました。
今年も、毎年お誘いいただいているヲ友達に連れていってもらいました。
(ありがとうございます!!!)
おととし、安田くんが主演していた唐作品、
『少女都市からの呼び声』
を観ていて。
唐作品って、なんつーか猥雑で妄想がすごくて幻想的、
だけど難解で全然わっかんない!
な世界だとは認識していたので。
とりあえず予習しておかねば。。。
とレビューをネット上であさってみたのですが、これが正解!みたいなモノを書かれている方は見つけられず。。。
あああ。
やはりこの舞台は、
考えるより感じろ!
なんだろなと納得(笑)
それで挑んだ世田谷パブリックシアター。
三軒茶屋の、なんだか庶民的なビルの上にある劇場。
入った感じ、ハコの大きさはグローブ座みたいなアットホーム感でした。
天井が空の模様になっていて、装飾が独特で、
とても素敵な劇場でした。
あらすじ。
『アリババ』
雨の中、真夜中の高速道路を駆け抜けて行った黒い馬を探す宿六。そしてその妻の貧子。二人のもとに老人が姿を現し、あの馬は赤いはずだと言う。ブランコが馬の嘶きのように音を立てて揺れだしたころ、隅田川に流した遠い記憶がよみがえってくる。「朝は海の中、昼は丘、夜は川の中。それはなあに?」
『愛の乞食』
生命保険会社に勤める田口は、公衆便所で具合の悪そうなミドリのおばさんを介抱していた。そこに、セーラー服姿の少女・万寿シャゲが帰ってくる。今夜からここは、キャバレエ「豆満江」になるのだ。さらに支那人のチェ・チェ・チェ・オケラと、刑事の馬田と大谷が現れる。男達は万寿シャゲに、かつて海賊時代に出会ったある事件の生き残りの女の面影を見出す。と、その時――彼方より、伝説の海賊ジョン・シルバーの足音が響く。
まず『アリババ』
基本的に家のリビング(といっても昭和な、和室でちゃぶ台の)で、
安田くんと奥さん役の壮一帆さんがずっとしゃべっている。
(早い関西弁でガーーーーー!っと)
奥さんは、頭にカーラーを巻いて花柄のペラペラなワンピースを着て、昭和ないでたち。
造花を作る内職をしている。
安田くん扮する宿六は馬を見た話をずっとしている。
(でもこの馬が何を意味するのか全然わかんないw)
奥さんはその話にずっと「ほんで?」って相槌をうっている。
時々、風間杜夫さんが謎の赤子を抱えて家に来て、これまたガガガーっとしゃべって帰っていく。
どうやら、2人には亡くした水子がいる模様。。。
そのうち馬に乗った水子が出てくる。
(なんで馬なのか、やっぱりわからんw)
この水子が粘膜の中にいる人っぽくて、
その描写の仕方が面白かったな。
ラストには、水子(というか形にもなっていない?子達??)がわんさか出てくる。
わんさか。
そして幕。
もうね。
全然わからなかった(笑)
終わった後、唖然(笑)
今まで見たお芝居の中でもダントツでわからなかった(笑)
この後の『愛の乞食』も、これぐらいわからなかったらどうしよう・・・・
とビビりながらwの第二幕。
こちらは、わからないながらも伝わるお話で。
『アリババ』が凄まじい妄想世界だったからこそ、『愛の乞食』が普通の世界に見えるぐらいでした(笑)
舞台は現代(といっても昭和)の公衆トイレ。
そのトイレの時代と、満州がまだあった頃???ぐらいの時代を行き来する話。
あらすじに"ジョン・シルバー"ってあったので、事前にググったんですよ。
唐十郎氏はこの戯曲も書いていて、初期の代表作でもあるそう。
”ジョン・シルバー”っていうのは元々小説『宝島』に出てくる海賊。
片足で、肩にオウムを乗せているんです。
今回予習として、『宝島』と『アリババと40人の盗賊』のあらすじを読み直しました(笑)
だけど!!!
今回のお芝居との関連は、全然わかんなかった(笑)
そういえば。
『アリババ』のラストで宿六は足を切ってたんですよね。。。
あれはジョン・シルバーへの前触れか何か???
この2つの演目が並んで上映されることにもきっと意味があるよね???
とにかく。
2つの時代を行き来する話で。
公衆トイレの時代では、安田くんは生命保険会社のサラリーマン役。
めっちゃオドオドしてて小動物みたい。
ちっちゃい安田くんがよりちっちゃく見える。
(そしてそれが凄く似合ってる)
片や、満州?時代の安田くんは、片足の軍服姿、そして盲目という役で。
この鋭さがすごかった。
いつも足の悪い彼をいざなう妖精のような人が付いてるんですが。
それがジョン・シルバーにおけるオウムなんかな????
この2役の使い分けが凄かったっす。。。。
子リスみたいな小動物から、盲目の軍人へ。。。
っていう。
現代にいる人たちは皆、過去海賊だったって設定だし。
設定自体がやっぱりカオス(笑)
『アリババと40人の盗賊』や『宝島』の話に共通するように"宝物"がキーになってるんだけど。
その宝物が、金歯!
金歯を奪うために人を●したりもする。
おそらくたくさんの人を●して、金歯を集めてきたんだろな。。。
みたいな世界観。
伊原剛志さん、温水洋一さん、彦摩呂さん、という錚々たる面々が元は海賊だった役で。
みなさん素晴らしいお芝居。
でも、けっきょくバッタバッタと●されてしまう。
あと、『さがす』や『空白』なんかの映画で凄い存在感だった、伊東蒼さんも出てました。
ちょっと声が枯れてしまっていたな。。。
伊東さんみたいに上手な俳優さんでも、舞台の上での声がこんな風になってしまったりするんだから。
朗々と声を出してる役者さん達、安田くんは凄いんだな。。。
ってことも感じさせてもらいました。
最後には、でかい曼珠沙華だらけの船が出てきて、みんなで船出していく。。。
みたいに終わります。
話はよくわからないし頭の中????でいっぱいなんだけど、
なぜかラストシーンは感動でいっぱい。
すぐ、スタンディングオベーションしたかったよ私(笑)
(3回目にみんなで立ち上がる、じゃなくてね)
結局。
よくはわからないwんだけどあの世界観は決してキライじゃないんだろな(笑)
子宮やら水子やらの世界観も含め。
あ、そうだ。
途中、演者さんが舞台からコレを客席に投げ入れる場面があって(笑)
(紙粘土で作られているみたい)
近くで見てみたら、まんまだったwww
やはり。
生のお芝居でしか得られない栄養素ってあるなー。
とても素敵な時間でした。