自分の中で今現在の感想を書かないと落ち着かない(笑)ので。
書いてみます。
ヲ友達何人かに感想を聞かせてもらったり。
コメントで感想をいただいたりして。
改めていろいろ考えたな。。。
※コメントやメッセージのお返事遅れていてごめんなさい!
いつもありがたく拝見しています。
お返事していきますのでお待ちください。
「桐島、部活辞めたってよ」もそうだったんだけど。
この監督の作品は、とにかく観終わった後に「考えてしまう」のかもしれませんね。。。
(「美しい星」も別の意味で考えた。。。)
あ、ネタバレしていますので。
ネタバレを避けている方は、回れ右をお願いします。
ダラダラと思いつくまま書きなぐっております。
乱文失礼いたします。
4/6(6分の4)なんだな。。。
でした。
最初に観終わった時の感想が。
この新しい試み、国家的プロジェクトを実際に行ってみた魚深市の場合は。
2/6(6分の2)はどうしてもうまくいかないんだ。。。と。
居場所さえあれば(愛さえあれば?)厚生出来る人と、そうでない人の違いはなんなんだろう?
希望が見えた4人の人生について、観終わったあととても喜んでいる私自身がいて。
(特に、大野とクリーニング屋の奥さんの関係がとてもほっとした)
でも、じゃあ逆に。
宮腰はどうすれば良かったんだろう。。。
この事がすごい気になってしまって。
私はわりと、宮腰の心情を知りたくて、そこに注目して映画を観ていました。
もしも。
月末の同僚(ちょっと居そうよね、ああいうタイプも!それを細田さんが上手く演じてた)が余計な事(笑)をして。
6人を会わせたりしなかったら。。。
全国紙に写真を撮られたりしなかったら。。。
宮腰は今頃、文や月末と仲良くやっていたのかもしれない。
いや、それでもいつか、彼はまた人を殺していたのかもしれない。
彼の持つ不気味な二面制を、松田さんもこれまためちゃくちゃ上手く演じてましたよね。
彼以外に、宮腰はもう想像つかない。
宮腰は救われたかったんだろうし。
でも絶望もしてたんだろうし。
月末が、ほんとうにお人好しの、これまたどこにでも居そうな青年で。
6人を魚深に迎え入れるシーンが全然違う6パターンだったじゃないですか。
そこがまた、錦戸亮の演技力のスゴさだと思うんですが。
唯一、宮腰だけが月末より先に、
「いいところですね、魚もうまいんでしょうね」
と言い出して、それを受けた時の嬉しい顔が絶妙でした。
あ、この人はいい人だな、
と月末が信じてしまった(信じたい、かな)と思えた最初の人だったんだろうなと。
宮腰はずっと「友達」というワードを言い続けていて。
月末も、宮腰の本当の凶暴な場面を彼自身は見ていないわけだから。
月末にとっては友達になり得るところまで、近づけていたのかな、と。
でもそこまで元殺人犯(それも初犯じゃなかった)を信じられる(信じようとした)月末という人が逆にすごいし、私には理解出来なかった部分でもあった。
監督が重要なシーンだと言っていた、月末の部屋の場面。
あそこで月末は、宮腰と同室なのに寝てしまうじゃないですか。
「殺人を犯した人」と同じ部屋で寝られるか、
と考えた時、私はやはり肌の感覚で怖い、と思ってしまうと思うので。
月末のお人好しがすごいのか。
それともそれだけ強い人なのか。
月末という人間のあの場面での行動についても、映画が終わった後にずっと考えてしまっている部分です。
ああでも。
月末にとっては、肌の感覚で、宮腰を信じられていたのかもしれないですね、最後まで。
ラストの、月末がしっかり手をつかんだ、あのシーンが私には忘れられません。
(今もあのBGMと共に蘇る。。。何度も観たい場面。。。)
そしてラストにかかる曲が、
「Death is not the End」で。
「死は終わりではない」とずっと歌い続けている曲で。
(この楽曲、興味がありましたら是非、歌詞を読んでみてください。あて書きか!!!と思うぐらい、ものすごいこの映画にリンクしているように感じる楽曲です!!監督が映画を編集している時に決めたそうですが。。。すごい。。。)
あのラストシーンと宮腰の心情は、これからもずっと考えてしまうだろう。
何度も観たら私自身がこの「宮腰沼」から抜けられるのだろうか。。。
ラストの演出が、吉田監督独特なんだろうな、
ってのも思ったかな。
(ファンタジーというか。「美しい星」を見た時の、なんとも言えない????って感じが蘇りました。笑)
うわ!
ここでのろろさま登場???自ら!!!
みたいなツッコミを心の中でして(笑)
あとはとにかく音楽が印象的な作品でしたね。
まず、月末が、
「なんか、変だ・・・」
と思う場面でかかるあの、
「ぽこぽこぽこ」の音が絶妙。
(ピアノ?の単音だったりがあったりしてましたよね?)
奇妙な世界に連れていかれる。
違和感が少しずつ、観客に蓄積されるあの感じ。
すごいな、吉田監督。
あそこで不気味なBGMを流されたら(ありがちなサスペンス映画のように)全然見方が違う映画になっていただろう、とも思うし。
文の奏でるエレキギターの音が(それもボリューム大きかった)より、ゾワゾワしたモノを感じさせたし。
監督が錦戸さんのラジオに出演した時に話していたんですが。
この映画を撮っている時の監督のテーマ曲がこの曲だったそうで。
折坂悠太「鳥」
友人がこの曲を聴いた時に感じる、絶妙な不協和音の感覚を教えてくれたので私も何度も聴いてみて。
まさに文のギターの音の世界とリンクしたというか。
そして宮腰が犯罪をおかしてしまうシーンも。
不気味に鳴り響くギター。。。
あのシーンは、音は後で付けていると監督が話していました。
その音楽について1番語っていたのは、監督が載った「ベースマガジン」だったと思います。
(錦戸さんのベースの音も、本人じゃない。実際に当然弾いていたそうですが)
話が飛び飛びになるけれど。
文と宮腰が付き合っていると知った時の、月末のあのどうしようもないヤキモチやモヤモヤ感や、小っせ〜男感。
錦戸亮、これまた絶妙な演技だったなと。。。
文が宮腰を拒絶してしまった、助手席の場面。
(文は宮腰があの時、人を殺してきた後だとは知らなかったのに)
肌感覚でどうしても怖かったんでしょうね。
そう考えると。
やっぱり宮腰は、一生、救われない人だったのかもしれない?
ああでも。
月末だけは、彼を受け入れようとしてたのか。
錦戸さんの雑誌テキストより。
映画としての物語が終わっても、月末はまだ宮腰のことを理解しようと頑張ってると思いますよ。今日も、明日も、ずっと。
たぶん彼の周りには、宮腰みたいに刺激を与えてくれる人はいなかったんでしょうね。だから純粋に友だちになりたいと思ったんじゃないかな。友だちの定義も難しいんですけどね。
サスペンス映画として観ても、すごい惹き込まれる作品でした。
ゾワゾワした感覚がずっと続いて、どうなるんだろうとラストまで目が全く離せなくて。
朝からすき焼きを食べて胸焼けしている、消化しきれない感じ。
(まさに錦戸さんが表現した通り!)
胃が、重たい感じで終わる、すごい読後感。
でも。
登場人物それぞれの事を考えたり。
これが自分自身だったらどうするだろう?と考えたりも出来る、そういう側面も多々ある映画で。
監督が、すばらしい俳優達に会いに、劇場へ足を運んでください、とおっしゃっていた通り。
誰もがドンピシャの、素晴らしい役者さん達だった。
市川さんも、水澤さんも、北村さんも、優香さんも(いやぁ優香さん、あんな役も出来るんですね)、木村さんも、田中さんも、松田さんも、そして錦戸さんも。
誰もがドンピシャ!
こんなハマる??ってぐらい、全員が。
他にも細田さんも安藤さんも中村さんも松尾さんも山口さんも深水さんも。。。。。
映画館で見るからこそ。
その、素晴らしい演技を堪能出来るとも思えます。
いい時間を過ごせたな、映画館で。
それを強く感じられる作品でした。