世界は100人のTwitter村になってしまったのか
ここのところ日常に欠けていた教養と言うやつを突然取り戻したくなって猛烈に本を読みました。小説は19世紀で時が止まっていると揶揄されるほどの食わず嫌いが多いのですが、たまに凄いあたりがあったりするので日々の本屋のブラウジングはやめられません。まあ、最近読んだ本のなかに小説まじってないんだけどさ。まずこちら。数学者や物理学者のエレガントな思考方式は本当にうつくしくて心に響く。目に見えないものを信じる力ってのは実はこういう仕事の人のほうがはるかに強いのではないかと思われる。だって数字って目にみえないものだから。知ろうとすること。 (新潮文庫)/新潮社¥464Amazon.co.jpそして嫁へ行くつもりじゃなかった/大和書房¥1,620Amazon.co.jpこの人は端的に言えば「編集者になった三浦しをん」なので、オタク属性のあるこじらせ女子の一典型というかロールモデル?同世代だし、同じく石川禅ちゃんファン(禅マリで転んだという点でも)非常に親近感の湧く人だ。ただ読者によっては彼女のこじらせ方とか意識高い側面が非常にスノッブに感じられて鼻につくかもしれません。さらにそれを強烈にしたのが、貴様いつまで女子でいるつもりだ問題/幻冬舎¥1,404Amazon.co.jp挑戦的なタイトルですw「板垣死すとも、女子魂死せず!」を合言葉に我々未婚女子のアイコンとしてジェーン・スー氏には今後ますます気炎を上げていただきたいと思います。個人的には文京区をオリジンとする点と東京人としてのあり方を書いた一節がもっとも心に響きました。東京人であるということの罪と罰というか。ツイッターで声かけて頂いたのもちょっと嬉しい自分。パパは楽しい躁うつ病 (新潮文庫)/新潮社¥497Amazon.co.jpこういう本がどういうわけか大好きなのでついつい買ってしまう。これは北杜夫とその娘の斉藤由香さんの対談。父と娘が腹を割って話してるのって見ていて微笑ましい。浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち/新潮社¥1,620Amazon.co.jp「神が棄てた裸体」「レンタル・チャイルド」から明らかなように、石井光太のノンフィクション・ライターとしてのメインテーマは貧困や紛争で生み出された無数の"アウト・オブ・カースト”とりわけ子供たちに光を当てることなのではないかと思うのだけど、そのパースペクティブが広がって歴史的な方向に広がるのは理の当然というか、個人的に日本のストリート・チルドレンについて書いてほしいと思っていたので、この本は待望の一作でもあった。多くの戦災孤児・浮浪児の実態が明らかになっておらず、今後も彼が取り上げない以上は決して話題にもならないだろうという点で、この作品は非常に貴重。で、紹介した作品全てに言えることなんだけど、やはり自分と読者に真摯に向き合っている作品は読んでて伝わるし、こちらも伝えたくなる。今は昔よりもずっと容易に感想を公にできるブログとかTwitterとかFacebookがあるんだから感動したらそれを声に出すことも、インタラクティブ性を重んじる21世紀のデジタルディレッタントとして必要なスキルかもね。良くも悪くも20世紀後半のコマーシャリズムによるマスメディア→一般人という構図はソーシャルメディアの登場と普及によって崩れつつあり、あたかも、本当にあたかも世界がTwitterでつながった小さな村であるかのように国籍や距離を問わず読者が著者本人にリアルタイムで本を読んだ感想を伝えられるんだからさ。バブル期では考えられなかった話だろう。私自身がディレッタントかどうかはまた別の問題としてだ。裏を返せば、それは作者の欺瞞や浅薄さはかつてよりも読者によって厳しく審査され、リアルタイムで暴かれると言うことでもある。だから作者は己の著作に誠実に、真摯に向き合うことを最低限求められる。テクニックとしての読ませ方などは二の次だ。今回読んだ本の中にはそのような欺瞞を感じられる本がなかった。内容はまちまちだが、どれもそうだった。しかし、今の時代に著述を生業とすることがどんなに難しくリスキーで不安定なものなのか!プライバシーも不勉強もたちどころに明らかになってしまうんだよ。ネット民怖い、と言いながら私も一人の立派なネットストーカーの素質を持っているのではあります。検索のコツとか、書き込みからの分析とか。。。話が最後ずれましたが、ネットに発信する以上自分も一人のある意味作家であり、どんな人が見てるか分からないから己と他者に最低限真摯に向き合おうね。と思ったんでした。