ぼくの愛読誌『銀花』の、ある号に載っていた投書と記憶するが、
読者の別荘に『銀花』のバックナンバーを揃えて保管していた、とのことだ。
が、残念ながら全部盗難に逢ってしまう。
読者は、また、一からコレクションし直す決意をして
文末を迎える投書だった、と思う。
まだ『銀花』の古本でも高値だった、バブルの頃の話だ。
それから時は経て、『銀花』の古本は、二束三文の値打ちになった。
ぼくでも、そこそこのバックナンバーが揃えられる値段だ。
当時、ぼくも山中の別荘を手に入れて、
この読者と同じように、『銀花』を並べるような
ライフスタイルに憧れていた。
その想いが、消えかけようとしている記憶から急に蘇った。
山中の別荘ではないが、ぼくにも”別室”が手に入った。
並べるのは『銀花』のバックナンバー、
おまけに、エイ文庫も並べた。
新旧の道楽者のための、本のシリーズだ。
シンプルな部屋に、お気に入りの本だけを揃える。
”想い続ける憧れは、いつか実現する。”
そんなことを心から実感した、ひとときだった。
