ゲートをくぐると、まず目に入るのは、ガチャポン(ガチャガチャ)。
「愛の鍵」と銘打たれているが、
中身は、ホームセンターで売られているような黄銅の錠と鍵だ。
試してはいないが、ホームセンターと同様、
鍵は2本なのだろう。値段は1回300円。
小高い丘の上にもガチャポン。
こちらは、メッセージを書くような何かが入っているのだろうか。
白い札が、風に飄々と、はためく。
色とりどりのペンも一緒に置かれているので、
至る所にメッセージだらけだ。
もう、落書きと言ってしまっても、
間違いない段階だろう。
”生まれ変わっても一緒だよ”風のメッセージも目に入り、
ここが小高い丘の上ということもあり、
足元に2組の靴が脱ぎ揃えてられないか、
思わず確認をせずにはいられない。
小雪チラつく冬の空に、”祠”と”白い札”という、
純和風の小物達に囲まれながら、
長居をすると、どこかに吸い込まれていきそうな気もして、
そそくさと無人の小高い丘を背後に眺め眺め、
クルマに戻るのであった。
(続く)