今回はアメリカの大学受験で出願に必要なEssay(小論文)についてのお話です。 

 

 

 

【大学受験のEssayについて】

 

アメリカの大学受験では、Essayが出願条件となっている大学が結構多いです。その理由としては、エッセイから生徒がどういう人物・人柄であるかを良く知る事が出来ること、またどの程度その大学に入学を希望しているかなど熱意を伝える事ができるので、大学側も合否審査をする上でエッセイの存在をかなり重要視しています。

 

ただ、必ずしも全ての大学でEssayが必須というわけではありません。実際に探してみると大学の出願条件でエッセイは不要としている大学は意外とあります。例えば、カリフォルニア州立大学(CSU)は出願の際にEssayは提出不要。さらに、Common Appの大学検索で、”No personal essays required”(エッセイ不要) にチェックを入れて検索してみたところ、600校以上の大学が検索結果に出てきました。(2024年2月現在)

 

また、Common Appのシステムを利用している大学では、全受験生が提出必須の共通のエッセイと、大学別の独自テーマのエッセイがあります。大学によってPersonal Essayは不要だったり、文字数やテーマの内容も異なりますので、必ず事前にチェックしてみてください。

 

ちなみに、カリフォルニア大学(UC)の出願条件であるPersonal Insight Questions(PIQ)は、8つのテーマの中から4つを選択し、各350文字のEssayが必須。350文字と文字数は多くないように思えますが、4つの別々のテーマで書く必要があるので、早めに書き始める事をオススメします。

 

 

 

【大学受験のEssayの種類】

 

アメリカの大学受験のEssayは、一般的に下記の2つに分類されます。1つ目はCommon Appの受験生共通のエッセイで、2つ目は各大学がテーマを設定した独自のエッセイです。

  • Common Application Essays(Common App Essay)

     

  • Supplemental Essays (Personal Statement Essaysともいう) 

 

 

 

【Common App Essays】

   共通テーマのエッセイ

 

Common Appから出願する場合、受験生は 7つの共通テーマの中から1つを選び、250文字〜650文字のEssayを提出することが必須です。文字数は250〜500文字くらいで要点をまとめるのが適当と言われていますが、650文字は超えない方が良いとのこと。

 

ちなみに7つの共通テーマは毎年ほぼ同じですが、変更になる年もあるそうなので出願される場合は必ず内容をご確認ください。

 

 

 

 

【Supplemental Essays】

   パーソナル・エッセイ

 

Supplemental Essay(Personal Statement Essays)は、各大学が独自に設定したテーマのエッセイのことをいいます。大学を選んだ志望動機や、過去の体験談、将来の進路希望、趣味や得意分野など、出願者の人柄や個性を知ってもらったり、どういう事に興味を持っているとか、大学に進学した場合どのような形で大学に貢献できるか、など自分自身を良く知ってもらう為のエッセイと考えて良いのではないかと思います。

 

Supplemental Essayは大学によってはオプショナルだったり、提出は不要としているところもあります。個人的にはオプションなら絶対に書くべきだと思うし、更なる自己アピールのチャンスがあるのに、敢えて書かないのはとっても損な気がしてしまいます。アピールした者勝ちなイメージが強いアメリカでは特にそう思います。

 

 

 

【受験のエッセイでした方が良いこと】Good List

  • ブレーンストーミングのリストを作る。(課外活動、部活動、ボランティア、アルバイト、インターンシップ、リーダーシップ、趣味・特技など)

  • 自分の人物像を理解してもらう為、ポジティブな内容を選んで簡潔にまとめてみる

  • トピックが決まったら、まずドラフトを書いてみる。 出願サイトにいきなり書くのではなく、別のアプリケーションで下書きを書く。Google Docsがオススメ!

  • エッセイの構成をしっかり組立てる。(IntroductionBodyConclusion)
  • プロのライターではないので、自分の言葉で自分らしい文章を書く事が一番大事
  • あくまで主人公は自分なので、自分が中心の文章になるよう心掛ける。
  • 志望動機について書く場合は、大学のホームページをよく読み込んで、特にどんなところが良かったかなど、予め知っておく事が大事。(熱意アピールの為)
  • なぜ自分がこの大学に相応しいかを説得する為の具体的な理由を書いてみる。

  • 熟考・校正を繰り返し、誤字・脱字、文法などに気をつける。Grammarlyがお勧め!
  • Essayでよく使われている単語・表現を使って書いてみる。
  • Thesaurus(同義語・類義語)を使ってみる。
  • 高校の先生やカウンセラーにエッセイの添削を依頼する

 

 

 

【受験のエッセイで絶対しない方が良いこと】NG List

  • 嘘の内容や脚色された内容を書くのはNG
  • 自己アピールの文章を書く時に、過剰な自慢話はNG
  • 一般論の説明や抽象的な内容は避ける
  • トピックに対する説明過剰・説明不足はNG
  • 同じトピックを複数のエッセイで書くのはNG
  • 複数のエッセイを書く場合、続き物のエピソードを書くのはNG
  • 普段使わないアカデミック過ぎる言葉・カジュアル過ぎる文章はNG
  • 省略語の使用は絶対にNG。(例: UC → University of California)
  • ポエムや文学的な難しい表現は敢えて使わない
  • ブラックジョークやネガティブを強調する内容は避ける
  • 文字数の上限は超えない
  • 同じ単語を連続で何度もリピートしないThesaurusを活用
  • 定型文などを元に書くのはNG。直ぐにバレます。

 

 

 

<感想>

 

実は今回このトピックを書こうと思ったのは、私のブログを読んで下さっている複数の方々からのご質問がきっかけでした。お問い合わせは、上の子供が大学受験の時のエッセイはどのような対策をしていたのかというのが一番多かったです。

 

上の子供が受験生だった2021年は、コロナ禍の真っ只中だった事もあり、とにかく親子でアタフタと時間に追われて余裕のない状況でした。なので、エッセイの為にクラスを取ったり、対策をしたりという事は全くできないまま、ただ一つずつエッセイを書かせて、ギリギリに出願するという、めちゃくちゃ計画性のない受験生の代表例でした。😓  そんな訳で、気の利いたアドバイスをする事ができず申し訳ありません。🙏

 

来年度は下の子供がいよいよ大学受験で、また出願にエッセイが必要になります。同じ失敗を繰り返さない為にも、今回は早めに情報収集を始めようと思い、覚書きとしてこのブログの記事を書き始めました。ニコニコ *足りない情報は後日また随時追加していきます。

 

家の子供たちは特別エッセイを書く事が得意な訳ではなく、むしろ苦手な方だと思います。特に下の子は文章を書き上げるまでにすごく時間が掛かります。正直、エッセイのクラスでも取らせるかなぁって本気で考えてみたりもしましたが、本人が絶対に必要ないと言い張るので、今回も私がせっつく役に徹することになりそうです。プンプン

 

ママ友で過去にプライベートのカレッジカウンセラー兼、エッセイのコーチを雇った方がいるんですが、話を聞いてみたらお金の無駄だったと話していました。そのお子さんは高校の英語の先生にもレビューをお願いしていたそうですが、学校の先生の方が全然良かったとのこと。エッセイのTutorを雇うかどうかは賛否あると思いますが、仮に私の子供がアイビーリーグの大学を受験するというのであれば、私は迷わず雇うのではないかと思います。

 

上の子供が高校在学中は、高校のカレッジカウンセラーと英語の先生の2人にエッセイのレビューを依頼しました。Google Docsのファイルをシェアして、気になる箇所にコメントを入れてもらう形でレビューをしてもらい、直してはまたレビューをお願いするという感じです。コメントの内容を読んでみると、指導箇所が的確で子供のエッセイに対する感想のコメントもいくつかあって、「ここの表現、すごくいいわね」「あなたの考え方とてもユニークで素晴らしいわ」とか「この具体例は分かりやすくて良いと思う!」など、とにかくポジティブな感想ばかり。先生たちの愛情溢れるコメントに当時の子供も元気付けられていたように思います。忙しい中何度もエッセイにコメントしていただいた先生たちには本当に感謝しかないです。

 

アメリカの子供達って、小さい頃から常に褒められる教育環境で育ってきているんだなぁ〜ってこの時つくづく思いました。私も見習って今からでも褒め上手な大人を目指してみようかなぁ。

 

 

 

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