今回はアメリカの大学受験で志望校を選択する際のお話です。 

 

 

【アメリカの大学受験で志望校は何校選ぶ?】

 

アメリカの高校では、志望校の数は10校以内に絞るのが一般的のようです。この10校という数は、FAFSA(奨学金制度)の登録大学の上限が10校だから、という理由からきているのかもしれません。

 

もちろん、絶対に10校しか出願できないという制限はありませんし、何校以上出願しなければいけないという決まりもありません。志望校の数は人それぞれ、受験生が受けたい数だけ出願することができます。ただし出願校が増えればその分の出願料金がかかりますので、個人的には本当に行きたい大学のみ出願する方が良いかなぁって思います。

 

全米の高校では平均して5〜8校に出願する生徒が多いと言われていますが、我子の同級生の間では8〜10校に出願していた生徒が一番多かったそうです。ちなみに家の子供はアメリカの大学は5校のみ出願。同じ学校の同級生に、なんと20校以上の大学に出願した生徒さんもいました。びっくり 本当、人それぞれですねー。

 

出願期間中、子供に「5校以外にももっと滑り止めの大学受けとく?」と聞いてみると、「受かっても、入学したくない大学なら受ける意味ないからいい。」と一蹴。そして「大学が全部受からなかったらどうする?」と聞いてみると、「そしたらその時はコミュニティカレッジ行って、そこからUCに編入するよ。」とのこと。確かに大学に受からなかったからといって、この世の終わりなわけでもないですし、大学を卒業する方法は他にもあるので、そんなに気にしなくてもいいかなぁって思います。

 

家の子供は普段何も考えてなさそうで、実は進路のことしっかり考えてたんだなぁって、その当時初めて知ってちょっと驚きました。ニコニコ

 

 

【アメリカの大学を検索】

 

アメリカの大学を検索する方法は色々とあるんですが、私が良く利用しているサイトをご紹介したいと思います。*どのサイトもまずアカウントの作成が必須です。

 

<アメリカの大学検索ができるサイト>

  • Naviance:子供の高校が使っている進路計画ツールで、私は一番よく利用しています。通っている高校の成績とリンクされていて、大学の入試に関する情報や志望校の現在の合格率、同じ高校から何人の卒業生が進学しているかなどの状況を知る事ができる。

     

  • College BoardCollege Boardのサイトの中にあるBigFutureから大学の検索が可能です。情報は常にアップデートされている。

     

  • Common ApplicationCommon applicationの中のFind Collegeから検索することができます。

     

  • The Princeton Review: 必要な情報が割と簡潔にまとめられている。それぞれの大学に合格した受験生のGPAの平均値がわかる。

 

 

【学力に適した大学探し】

 

まず、アメリカでは日本のように学力判定の模擬試験を受けて、A判定とかB判定などの判定結果を得るという習慣がほぼありません。その代わり(と言えるかわかりませんが)、GPAや共通テストスコアを基に生徒の学力に合った大学を検索する方法があります。 

 

上記でご紹介した大学検索サイトからサーチしてみると、大学の難易度によって「REACH」「MATCH」「SAFEというような表示が出てくると思います。これは受験生のGPAやSAT/ACTスコアを基に、どの大学がどのくらいの合格率であるかを表す目安となっています。

  • Reach:受験生のGPAやスコアに対して難易度の高い大学。Dream Schoolとも言う
  • Match:受験生のGPAやスコアに対し学力が合っている合格圏の大学
  • Safe:受験生のGPAやスコアに対し合格率が高い、安全圏の大学

 

Reachに関しては、少しだけ難しい大学から超難関大学まであるので、過去にその大学に合格した生徒のGPA平均値や平均テストスコアなども参考にしながら志望大学を選択してみると良いと思います。 

 

 

 

【大学を検索・選択するポイント】

 

アメリカには約4000校の大学が存在していて、私立大学、州立大学、小規模な大学から大規模な総合大学まで本当に様々な大学があります。その数多い選択肢の中から自分がどうしても行きたいと思える大学や学部を見つけ出すのは本当に難しい事だと思います。

 

アメリカの大学を検索する際にポイントとなりそうな条件をいくつかご紹介したいと思います。下記以外にもまだありますが、ここでは私が重要と思う条件のみリストします。

 

  1. 私立大学 vs 州立大学:学費を考慮する上で最も重要と言われているポイント
  2. 場所:州内の大学、州外の大学、または海外の大学
  3. 立地条件:Urban(都会)、Suburban(郊外)、Rural(田舎)
  4. 難易度: Reachの大学、Matchの大学、Safeの大学
  5. 大学の規模:大規模な大学(Large)、中規模の大学(Medium)、小規模な大学(Small)
  6. 大学の費用:学費、寮費、生活費など
  7. 奨学金の有無:留学生も利用可能な奨学金制度があるか、メリット・ベースまたはニード・ベースの奨学金が利用可能かどうか
  8. 大学の学生の比率:男女の比率、人種の割合、留学生の割合など
  9. 大学の学部:自分が興味のある学部があるかどうか
  10. 大学の合格率:高い数値だと受かりやすく、低ければ低いほど難関大学である。
  11. 大学の卒業率:大学を卒業した生徒の割合で、難関大学ほど数値は高くなっている。
  12. 高校生の平均GPA:合格者のGPAの平均値を表している。志望大学を決める際に目安となる。
  13. テスト方式:Test-RequiredTest-BlindTest-Optional  各大学がどのテスト方式を採用しているかはFair Testから確認ができます。
 
 

<感想>

 

現在、日本には793校の大学があるようですが、アメリカはその約5倍の4000校も大学があるそうです。こんなに多くの選択肢がある中から、自分が進学したいと思える大学を選ばないといけないって、受験生って本当に大変だなぁっていつも思います。

 

上の子供が受験生だった2021年当時は、アメリカの大学に行くならカリフォルニアの公立大学に、日本に行くなら都内の私立大学にと決めていたそうです。カリフォルニアの公立大学がいい理由は、単純に学費が抑えられるのと、実家からもそう遠くない同じ州内の公立大学が良かったからなんですって。なーんて言いながら、結局日本の大学に進学しちゃいましたけど・・。

 

日本だったら都内の私立大学に行きたいという理由については、東京の大学に通って都会の大学生活をエンジョイしたかったかららしい。確かにカリフォルニアだと車無しではどこにも行けないですし、交通機関を利用して日本中どこでも気軽に行けてしまうという点は若者にとっては魅力的ですよねー。

 

インフレの影響でアメリカの大学はどこも学費が高騰していますが、州内の大学にするか州外の大学にするかは、志望校を選ぶ上でかなり大きな選択だと思います。ずっと日本に行きたいと言っていた我子も、ギリギリまで州内の大学にするか、日本の大学に行くかで相当悩んでいました。

 

これは最近友人から聞いた話なのですが、Out of Stateの大学に進学した友人のお子さんは、最初の1年のみ州外の学費を払えば良いのかと思っていたら、なんと実際には親が扶養している未成年の学生は、大学がある州に住んで1年が経過しても親(収入元)の現住所が州外である限り、Out-of Stateの学費を支払わなければいけないのだそうです。これは私も知らなかったので結構びっくりでした。州立大学といっても、州外から来た生徒にとっては留学生並みに高い学費がかかります。州内の学生と同じ金額の学費にしてもらうには、家族で大学のある州に引越さないとダメなんですって。(州により若干異なる可能性あり)

 

大学選びって考えなければいけない事が本当に多くて、受験生にとってもご家族にとっても労力のいる事だと思いますが、色々な観点から候補の大学をじっくり比較してみて、最終的に自分に合う大学が見つけられるといいなぁって思います。

 

 

<過去の関連記事>