今回はPSATについて少しご説明させていただこうと思います。

 

 

【PSAT】Preliminary SAT

 

PSATとは、毎年10月頃に行われている全米の共通テストで、College Boardが主催しているSATの模擬テストとして知られています。高校2年生、3年生になると学校からこのPSATの日程が知らされ、進学希望の生徒の殆どがこのテストを受けていました。SATよりもだいぶ安い試験料($17)でテスト時間も本番より若干短めだったと思います。我が家の受験生も確か10年生(高校2年)の10月頃に学校で受けたのが最初でした。テストはSATの模擬試験ですので、朝8時か9時頃から始まり、本番同様のマークシート方式で行われます。教科は英語と数学のみ。テスト時間は確か約3時間半くらいだったと思います。

 

PSATは1520点満点で、英語で160–760点、数学も160–760点で両教科の合計点がPSATのスコアとなります。

 

 

【PSATの種類】

 

私自身、調べてみて初めて知った情報なのですが、PSATには下記の3種類のテストがあります。

  • PSAT 8/99年生に受講が可能。でも我子の学校ではこのテストのお知らせは来ていませんでした。学校によるのかもしれません。

     

  • PSAT 10SATテストに近い内容の模擬テストで、10年生は春までに受けることができます。

     

  • PSAT/NMQTSATのテストに近いテスト内容で、10年生と11年生のみテストを受けることができます。また、PSAT/NMQTのテストスコアで全国の上位に入ると奨学金制度(National Merit Scholarship Program)を利用する事ができます。

 

 

【College Boardのアカウントを作成する】

 

前述の通りPSATはCollege Boardが主催している共通テストです。College Boardと言えば、SATやAPテストなども運営している団体で、各テストを申し込みする際にはCollege Boardの公式サイトから行います。 

 

テストを申し込む前にまずはCollege Boardの個人アカウントが必要になりますので、進学希望の生徒さんでまだCollege Boardのアカウントをお持ちでない方はすぐに作成しましょう。大学に出願する際にはテストスコアの送付依頼も必要になりますので、時間のある時に一度ウェブサイトにアクセスしてみるのも良いと思います。

 

 College Board

 

 

【National Merit Scholarship Program】 

  ナショナルメリット奨学金制度

 

National Merit Scholarship Programは、数あるアメリカの奨学金制度の中で最も有名な奨学金制度です。PSAT/NMQTのテストで上位のスコアを納めた生徒は、その成績により下記の3つのタイトルに振り分けられます。

 

  • Commended Scholars:PSATのテストにおいて上位3-4%のテストスコアを取得した生徒。

     

  • Semifinalists:PSATのテストにおいて上位1%のテストスコアを取得した生徒。

     

  • Finalists:15,000人のSemifinalistsの中から更に、高校の成績、SATのスコア、各課外活動、学校の推薦状、小論文などによる最終審査を経て選出された最優秀の生徒。

     

ちなみに、Finalistsに選ばれた生徒はNational Meritから$2500の奨学金が授与さられ、更に企業がスポンサーとなる奨学金や大学がスポンサーの奨学金なども授与されます。残念ながらFinalistsには届かなかったものの高得点を取得した生徒には、企業からの奨学金が授与される場合もあります。その場合は企業が求めている条件をクリアしていることが必須。また、National Merit Scholarshipのタイトルを取得した生徒は、大学受験でもかなり優遇されるそうです。

 

 

<余談>

 

これは余談ですが、昨年はCOVID-19の影響でSATのテスト会場が軒並みキャンセルになり、SATテスト自体を一度も受けられなかった生徒も大勢いました。救済措置として、カリフォルニア州はSATのスコアは公立大学の出願必須項目には含めず、テストスコアがあったとしても合否審査には影響しないと宣言していました。

 

家の子は2年生の終わりから4年生の前半までの間に、7回ほどSATに申し込みましたが、そのうち受けられたのはたったの1回のみ!😭 そんな大変な思いをしてようやく受ける事ができたのに、そのスコアが考慮されないなんて悲しすぎる〜!と落胆していたのですが、先日同じ歳の子供をもつママ友にこんな話を聞ききました。

 

その友人のお子さんはSATを一回も受けられなかったにも関わらず、願書を送ってもいない複数の大学から奨学金込みのオファーレター(大学の合格通知のようなメール)が送られて来たそうです。願書を送ってもいないのに何故?と思って更に詳しく聞いてみると、そのお子さんはなんと3年生までにPSATで既に1500点以上のスコアを取っていたのだとか。もちろん、そのお子さんにとっては全く興味のない大学だったので全てお断りしたそうです。

 

驚くことに、蹴った大学の中に日本の某有名な私立大学も含まれていたらしい。その大学はなんと学費全額免除(寮費も込みで)のオファーだったそうです。びっくり 友人のママ友は泣く泣くお断りのお返事をしたらしいです。そ、そんな事があるなんて〜〜!我家にとってはかなり未知の世界ですが、そんな生徒さんも世の中にはいるんですねー。まあ、だからというわけではありませんが、まだ1年生、2年生だから受験勉強はまだまだ先と思わず、早めにテストの対策を立ててみるのも良いのかもしれないですよ。 

 

SAT同様、PSATは高校1年生から4年生までに習う数学の範囲から出題されます。まだ習っていない範囲だから分からない、と言って何もやらないのは正直勿体ないと思います。我子も今までにPSATを2回、SATを1回受けていますが、テストスコアは受ける度に確実に点数が上がっています。この手のテストは何度も練習をすることで傾向と対策が身に付いてきますし、College Boardのサイトにも過去問の練習用テストがありますので、高校1、2年生のうちにどんどんやってみると良いと思います。

 

長くなりましたが、PSATは高校で受けられる生徒さんは是非とも受けてみることをお勧めします!

 

 

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