今回は2023年10月から始まるデジタルPSATについてのお話です。

 

 

【PSATって何?】

 

アメリカ在住の高校生とそのご家族の皆さんは既にご存知だと思いますが、PSATは毎年10月に全米で一斉に実施される全国共通テストの事を言います。College Boardが主催している共通テストの一つで、主にSATの模擬試験のような内容のテスト。

 

全米の多くの高校生がPSATを受ける最大の理由は、National Merit Scholarship Programに参加して奨学金をもらう事ではないかと思います。このNational Merit奨学金制度は、アメリカでも最大規模の奨学金プログラムで、主に高校の10年生(Sophomore)と11年生(Junior)の生徒を対象に審査が行われます。PSATの成績上位にランクインした生徒に奨学金が授与されたり、企業や大学がスポンサーとなる奨学金が貰えるなど素晴らしい特典があります。

 

 

【デジタルPSATが開始】

          2023年10月

 

2022年までは、PSATは従来の紙版マークシート方式のテストでしたが、2023年からいよいよデジタルPSATに変わります。アメリカ国外では既にデジタルSATが開始されているかと思いますが、2024年からアメリカでもついにデジタルSATが開始します。今後はSAT・PSAT共に完全にデジタル化されるので、従来のテスト方式と比較しながらどのような点が新しくなるのかを簡単にご説明していきたいと思います。

 

 

【SATとPSATの違い】

  • SAT:一般的にアメリカの大学受験で提出するCollege Board主催の共通テストのこと。現在、SATスコアの提出はオプション制(Test Optional)にしている私立大学が多い。カリフォルニア州の公立大学(UCとCSU)では出願の際のSATスコア提出は不要。 

     

  • PSAT:一般的にSATの模擬試験として広く知られていますが、模擬試験だからといってあなどるべからず!PSATを受ける別の目的として知られているのが、National Merit Scholorship Program(奨学金制度)への参加です。PSATで成績上位にランクインすると、なんと奨学金がもらえちゃうという素晴らしいプログラムなのです。基本的にアメリカの大学の学費は高額なことで有名ですが、全米の高校生はこの奨学金を稼ぐためにPSATテストを受けている、とい言っても過言でないほど重要なテストだったりします。

<SATとPSATの主な違い>

 

 

 

電球National Merit Scholarship Program

 

PSATで成績上位者にランクインした生徒は下記3つのタイトルに振り分けられます。

  • Commended Scholars:上位3〜4%にランクインした生徒。

     

  • Semifinalists:上位1%にランクインした生徒。

     

  • Finalists:15,000人のSemifinalistsの中から約半分(7140人)の生徒が、高校の成績(9th~12th)、SAT(ACT)のスコア、課外活動、校長の推薦状、小論文などによる最終審査を経て選出された最優秀の生徒。

ちなみに、National MeritのFinalistsに選ばれると、それぞれに$2500の奨学金が授与される。また、最終審査に残った生徒には企業や大学がスポンサーの奨学金が与えられ、学費が全額免除になるなどの優遇があるとのこと。

 

 

 

 

【従来のPSATから変更になった点】

  • テスト時間が短縮
  • 紙版からデジタル版に変更(ディバイスの持ち込みが必要)
  • Reading & Writingが2sectionから1sectionに変更
  • 全てのMathセクションで計算機が使用可能(持参の計算機、ビルトイン計算機、共に使用可能)
  • Mathの文章問題が縮小
  • スコアレポートの送信が以前の2ヶ月後から数週間後に短縮
  • PSATテストはデジタル上で行われるが、テスト当日にメモ書き用の紙が配布される。(筆記用具は各自で用意)
  • Reading & Writingのセクションで注釈やハイライトの使用が可能
  • 気になる問題を後で見返すためのブックマークの機能が利用可能
  • 不正解だと思われる回答に取り消し線を引いて、選択肢を減らすことができる
  • 文字を拡大・縮小する機能が利用可能
  • 持ち込みのディバイスにBluebookのアプリをインストールする必要がある

 

 

 

【Bluebook】デジタルPSATに必要なアプリ

 

Bluebookは、College Board主催のテスト(SAT、AP、PSAT)を受ける際に必要なアプリの事をいいます。持ち込みをするディバイスに予めインストールして、事前に動作確認のテストが必要。学校が管理しているChromebookを使用する場合は、Bluebookのインストールが可能かどうか確認をしてから行ってください。

 

 

 

【デジタルPSATに使用可能なディバイス】

  • Windows: Windows 10以降で、250MB以上の空きスペースがあるもの

    *タブレットの外付けキーボードとマウスの使用は可能

     

  • Chromebook: OS 114以降で、150MB以上の空きスペースがあるもの 

    *外付けのマウスは使用可能

     

  • Mac: macOS 11.4以降で、150MB以上の空きスペースがあるもの 

    *外付けのキーボードは使用不可であるが、マウスの使用はOK

     

  • iPads: iOS 14以降で、150MB以上の空きスペースがあるもの

    *外付けのキーボードとマウスの使用が可能

 

 

 

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