日曜日の話なんですが

日本橋の三井記念美術館へ出掛けてきました
お目当ては土曜日から開催のコチラ↓↓
特別展 蔵王権現と修験の秘宝
ワタクシの近年の行きたい県 No.1であるところの奈良県…
見処は数あれど常に上位を譲らぬは(何の?) 千本桜で有名な吉野です
秀吉も愛でたと言う山桜の名所ですが、その桜の木々は花見の為に植えられたものでは有りません
今回の主役、蔵王権現に捧げられた木々なのです
【蔵王権現】・・・それは日本独自の仏です
遥かなる飛鳥の時代、「役行者 (役小角)」が吉野の山もその連峰に含む金峰山で厳しい修行の最中に沸出させた仏
衆生を救済してくれる仏の出現を一心に祈りましたが、次々と現れる釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩に対しては優しすぎるその他の理由でお断り(!) をしちゃうというね…
そしてついに!
雷鳴をBGMに現れましたるは怒り狂った凄まじい形相の仏さま…!
そうそう、悪魔を降伏させて今の乱れた苦しい世の人々を救うには、これ位の恐ろしさが大切なのよ!
…と思ったかどうか知りませんが

とにかく役行者はその姿を刻んで、金峰山の山上と山下に祀ったということなのでありマッスル
因みにその姿を刻んだ木が桜だったということから、桜は蔵王権現の御神木なんだそうです
前置きが長くなりました

本展には修験道の聖地である《金峰山修験本宗総本山 金峯山寺》などから 、
修験に関わる仏像・曼荼羅図、経塚遺品 (経筒・経箱・鏡像・懸仏など) がやって来ています
また、地方の修験道の拠点として、断崖絶壁に建てられた「投入堂」が有名な鳥取県三朝町の《三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)》からも蔵王権現像が多数お目見えされてます
良いものピックアップ場というような独立ケースの展示室1では、これでもかの蔵王権現像の展示です
全てが鋳造で像高は場所柄大きくても4―50㎝といったところ、殆どが平安時代の作品でした
重文も多いのですが表情が様々で、勿論の強面からボンヤリ系あり、ほのぼのさん有り、イケメン有り…

国宝〈藤原道長経筒〉(鋳造・平安時代)
(前期展示)
貴賓室には国宝です
金峰山 (山上ヶ岳) の蔵王堂に道長自筆の経巻を入れて埋めた、現存最古の経塚遺物だそうです
「堅牢な造りや分厚い渡金には、この経筒を弥勒下生の世まで保存しようとした道長の並々ならぬ思いが伝わる」とかとか…ウーム
私達もタイムカプセルを埋め込むときには、紺地金泥文字で法華経なぞを書いたほうが良いかも知れません
まあ、やらないとは思いますけど
次は金峰山からシリーズ…
仏像は木彫になり、制作時代も鎌倉から南北朝、江戸時代と様々です
役行者像、聖徳太子像、薬師如来像、釈迦如来像、十大弟子のうち阿難陀・摩訶迦葉、地蔵菩薩像、大峰八大童子像、吉野曼荼羅図などの展示でした
重文〈蔵王権現像〉(源慶作・鎌倉時代1226年)
これが、THE蔵王権現!という造形で見とれました
パンフレットのお写真ですわね

衣装の柄も細かく残っていて、お顔もコワーイ中にも美男子エキスが漂ってまして見応え充分です~
(しかし…イケメンかどうかって考えて観ている人はいないと思われ
お客さんの層かや男女比からいっても…)この展示室には、本来他の場所にカテゴライズされている仏像がありました
重文〈釈迦如来坐像〉(鋳造・白鳳時代)
吉野では現存最古の彫像だそうです
説明板によると、裳裾を前面に垂れさせた裳懸座と、二等辺三角形の正面観は飛鳥仏に通じますが、
丸顔で独特の緊張感を持つ表情と左右対称としない衣紋表現などから、白鳳時代・7世紀の作例と考えられるそうです
アタクシ今、白鳳と聞くとウルウルしますよ…はい、全くの余談ですけど
この夏行きたい行けないなヤッパリあ~あ
…というものが、ナラハクで開催中の、「白鳳―花ひらく仏教美術」だったもんで

(シツコク捨てられないパンフレット)
安時代作の鏡像と懸仏、修験者が使った室町時代の笈も有りました
鏡像は神道の御神体とされた鏡面に仏像を
線刻したり朱墨で描いたりしたものです
やがて仏の姿をより明確に立体化し、吊り下げる機能を重要視した懸仏か作られていきました
国宝 〈蔵王権現鏡像〉(鋳造・平安時代1001年・總持寺)
一抱えほどの大きな鏡像です
下部は欠損していましたがそれでも立派なもので、沢山の神仏がウヨウヨしています
銘文により制作年がハッキリしているので、この時には蔵王権現の基本が出来ていたとわかる貴重な資料です
蔵王権現の基本型といえば・・・
怒りを湛えた眼は吊りあがり、
掲げた右手に三鈷杵 (魔を打ち砕く法具)を握り
左手は腰に当てて、刀印 (煩悩を断ち切る・ピースサインみたいな感じです)を結ぶ…
左足は地の魔を抑えて、右足は膝を曲げて掲げ、天との間の魔を払う…
多くの蔵王権現像を見たせいか、憤怒の相すら見つめていたいキモチになりつつ次に進みますよー
最後は鳥取県は三佛寺からの品々…
国宝の「投入堂」は役行者がエイっと放り投げて設置されたという逸話が有るとか
創建時の木材 (国宝附) 、蔵王権現像をはじめ素朴な仏さまの数々が展示されています
~ * ~ * ~ * ~ * ~
守護神ではない本尊の仏像は「静」のイメージですが、蔵王権現はまるで覆い被さってくるかのように、こちらを追い立てます
山に分け入り自然と一体となって悟りをひらく修験のご本尊は、
煩悩を収め自らを見つめる行者を強く強くそして優しく包んでくれるのかと感じられます
ああ~~
勧進御開帳のうちに、あの大きな大きな蒼い三体の蔵王権現を拝見したいと改めて思った展覧会でした
関東ではそうそう馴染みがない仏像展なので、是非…


