お高い所で絵画鑑賞 | いつか…ユデタマゴ


週末のお話ですが、朝いきなり予定がポッカリ君

「そうだ、新宿いこう」


すごーく珍しいんですが、映画観ようかと思い付く→「ネイチャー」…3Dの劇場じゃないとね

でも電車に乗ってるうちに心変わりして、西口行っちゃったあせる(あーまた何年も映画が縁遠く…)




損保ジャパンビルの東郷青児美術館へ行きました


42階からコクーンタワーを望む…
高い高い (喜)



オランダ・ハーグ派展


ハーグ派というのは、19世紀後半にオランダのデン・ハーグを中心に活動した自然主義を標榜する画家達の運動です
フランスのパルビソン派の影響を受けて、戸外に出て風景を描き、光を効果的に配した絵が多いです
また、17世紀のレンブラントやフェルメールの影響も見てとれる作品も有りました

ハーグ派としての展覧会は日本で初めてだそうです
みんな大好きゴッホやら、いつも混み混み印象派ラブラブ、に影響しているということですが、もちろん私も良く知らないわけで…ナハハ


展示作品の大半は、モンドリアンのお部屋が有るという、ハーグ市立美術館所蔵品です




◆第1章  バルビゾン派

1830~70年くらいにフランスのバルビソン村やその周辺に集まった画家達は、自然主義的な風景画や農民の姿を描きました

代表的なところでは、ゴッホが師と仰ぐジャン・フランソワ・ミレーやテオドール・ルソーなど、バルビゾンの七星と呼ばれる画家達がいます



「バター作りの女」ジャン・フランソワ・ミレー    1870年

ミレーはあと4点、油彩ではない小品が出てましたが、どれも優しい光を捕まえた作品でした



バルビゾン派では有りませんが、大好きなヨンキントが3点、テイストの異なる作品が出ています

超写実な小品「デルフトの眺め」、やはり月光は間違いない「夜の月明かり」、そして、色彩分割を採用した「シャトー・ミーウング」……

年代での相違を確認できて満足です




◆第2章  ハーグ派

この章の中で、下記の5つに分かれています

セクション1・風景画
セクション2・大地で働く農民
セクション3・家畜のいる風景
セクション4・室内と生活
セクション5・海景画



アタクシ、ヴァイセンブルフに捉えられました…ラブラブ!


「トレックフリート」ヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ    1870年

運河、排水のための風車、曳舟道など、(当時の) ザ・オランダというモチーフ

他、「川の眺め」という作品に観入りました
もうもう、川だけ切り取って飾りたいというくらい川面の光の表現が秀逸です




マリス三兄弟の作品の中では、三男のヴィレム・マリスが家畜を描いたものが素晴らしいです


「水飲み場の仔牛達」ヴィレム・マリス    1863年

ここでもついつい光の存在を強く意識させられます
大切な家畜達を照らす親愛なる優しい光、という気持ちで描いたのではないでしょうか…

彼は「私は牝牛をかかない。むしろその光の効果を描いているのだ」と言っていたそうです





「縫い物をする若い女」ヨーゼフ・イスラエルス    1880年頃

落ち着いた色調と精神性の高い作風から第2のレンブラントと評されたそうです
左から射し込む光といい、女性が手元に集中する様子といい、フェルメールを連想しました…先入観?

フェルメールもそうですが、オランダなんだ…という背景があると、戸外でも室内でも一段優しく感じられるのは何故でしょう…






「漁船」ヤコブ・マリス    1878年

124×105の画面に、雲だけが広がる空を背景にしてニシン船が堂々とそのシルエットを主張しています
灰色の空を映す海にも目が行きます
馬がいるのは、港の無い漁村だったために、船をロープで砂浜に引き揚げるためです





「オランダの海岸沿い」ヘンドリック・ヴィレム・メスダッハ    1885年

夕景に浮かび上がる帆船のシルエット、夕方から闇に向かう雲の切れ切れ、静かに過ぎ行く一日を引き受ける海面…
毎日の何気ない時を描いたのでしょうが、荘厳な雰囲気を漂わせています

裕福な生まれのメスダッハは海洋画家でありながらハーグ派の作品を集めたメスダッハ美術館を建てています
印象派におけるカイユボットに似てますね…





◆第3章  フィンセント・ファン・ゴッホとピート・モンドリアン


ゴッホは若い頃にハーグの画商で働き、仕事に挫折し画家として生きようと決めた後に、いとこと結婚したマウフェ(本展にも出品あり)から絵を学んでいます
作品は6点でしたが、さざーっと観る・・・

ゴッホよりP・モンドリアンが楽しみでした



「赤、黄、青のコンポジション」など抽象画で知られるモンドリアンですが、初期にはハーグ派の影響を受けた風景画を描いています


油彩4点でしたが、具象から抽象表現に行くのだろうな…という過程がほんのりと感じられます



「アムステルダムの東、オーストザイゼの風車」    1907年頃



「ダイフェンドレヒトの農場」    1916年頃

この作品にはモンドリアンの色々が詰まっていると感じられました
具象風景を描きながらも木々の枝ぶりなどは少し抽象的だし、水面に映った景色がイラストを連想しました




「夕暮れの風車」    1917年頃

シルエットで描かれた風車は尊大です
雲の表現といい、風景画というより画面の構成に尽力したように思えます
それは、後の抽象表現の萌芽を見つけようと考えていたからかもしれないのですが…




この展覧会には二つの副題がついています
「ゴッホの原点」
「近代自然主義絵画の成立」

バルビゾンとハーグだけで語れないとは思いますが、確かに近代の自然主義の一端を観たんだなーと感じられました