久々に物語に酔う。「f植物園の巣穴(梨木香歩著)」 | 「本の森の入口で」

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本の森 イメージはドイツの童話にでてくる森 深くて暗い森に足を踏み込む勇気はないけど、
付近から離れることはできない 物心ついたころから本好きの読書日記 とりとめなく書いてみます

f植物園の巣穴
f植物園の巣穴 梨木 香歩

朝日新聞出版 2009-05-07
売り上げランキング : 47372

おすすめ平均 star
star最初は迷宮、最後はほっこり
starますます重層的に、さらなる美しさを放つ妖しの国の女あるじ梨木香歩さん
star“穴”と水

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物心ついたころより本好きだけど、最近の読書はメインが小説、ではない。


学生じゃあるまいしという感じの社会科学系やら一般に向けた生物学関連の本を手にすることが多かったこの十数年。


たぶん物語ってものにたいして期待しなくなっていたんじゃないかと思います。


もちろんたまには小説も読むし、読めば感動もしたり、時に涙することだってあったんですが…


そんな私がこの本にやられました!本当に何十年振りかに物語に陶酔することができました。


妖しく不思議な世界。夢のなかで記憶を遡りながら、封印されていた記憶が明らかになっていきます。あいまいさから味わうことができなかった悲しみとか後悔といった感情を追体験していく展開。まさに人間の感情を取り戻す再生の物語。

でたらめな夢の展開がすべて納得でき、ぐいぐい夢にひっぱられていく感じ。この構築力は見事だと思います。


読後、この小説としての感動より、これだけ引き込ませてくれた物語の存在というものへの希望に心がふるえる思いでした。


いやーお薦め度全開です!

といっても、この物語で他の方がそこまで感じるかはわかりません。


きっと、現在の私の年齢とか精神状態とか、いろんなことを含めて、出会えた幸せだったのでしょう。作者に感謝するとともに、この時期にめぐりあえた幸せに感謝です。


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