| 悩む力 | |
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読んで良かったとしみじみ思える本です。
ベテルは統合失調症の人たちが共同で暮らす家。北海道の過疎の村浦賀というところにあるそうです。
本当に存在しているのか…いえ、「必ず存在している」。それを知って、生きる意味が少し裏付けられたように思います。
それほど、意味のある存在であり記録であると思います。
苦労だらけ、問題だらけの共同生活。しかし、そこにあるのは、人間の本来の姿なのかもしれません。学生時代に少しかじったフーコーの著作を、本当に久しぶりに思い出しました。(大学の卒論で使ったため、意外にも、読みこんだのですよ、当時の私としては)。
近代以降、人間は社会を効率的に回すために、異質を排除し続けてきました。監獄を作り、精神病棟をつくり・・・清潔で、効率的な世の中!
「異質なもの」は保護され、管理下に置くことで、患者の側からは本来の苦しみから遠ざけ、悩む力を奪ってしまったのかもしれません。
一方で、排除した側も、それによって、弱体化してしまったように思えてくる。人間の耐性というものが落ち、もろい社会となり、「異質」を支える力も無くなってくるような…
ベテルの家は、もう一度患者が本来抱えている苦しみを患者に返し、周りがそれに真剣に付き合う場です。そんなことが実践されているなんて、奇跡のように思えます。きっと、とんでもなく、めんどくさいところだと思うのです!とても付き合いきれないと、思う。それなのに、この存在に感動がある。信じられないようなことだけど、信じられる力のある存在です。
読んでいる間はさまざまな気付きにあふれている本です。
とても答えなどでるような問いではないが、読んで良かったと心からと思える本です。
また、この本の著者は、TBSのプロデューサー(当時)。取材対象に深り込んで考えていく態度も誠実で、なんだか人間というものに希望が持てるような気にさせてくれます。
読んで欲しい本。そして、必ず、この周辺の本を読み続けようと思わされた本です。内容が深い、(そのうえみすず書房の)本だというのに、一気に読めます。
内容が深くて、感想が散漫なのは許して…
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