晴れていて日差しはまだ強力だが、曇ると体感気温がさっと下がる。
そして、なにより風が強かった。
北風がぶぉーぶぉーと絶えることなくずーーーーーーっと吹きすさんでいた。
コンタクトレンズの眼が乾いて困るほどだった。
暑いのやら寒いのやら。いったい、なんて日だ!と思いながら延々と歩いた。
この風のおかげで、姿を現すべき昆虫や野鳥は見ることができず、何しに行ったのか?という印象。
ただ、風のおかげで(?)思わぬ収穫はあった。
農地のど真ん中の農道を歩いていた時のこと。
この辺りはまだ稲刈りは済んでおらず、金色に実ったイネの穂がたわわに垂れている。
ナツアカネの打空産卵など見れないか期待しながらあるいていた。
だが、風が強くトンボが飛んでいるのは期待できそうになかった。
また、田んぼはほぼ無限に広がりどの区画にいそうか見当もつかない。
その時、目の前の農道のど真ん中に赤トンボがいたのである。
北風に吹き飛ばされまいとアスファルトにしがみついていた。
赤トンボだ。翅にオレンジ味がある。ナツアカネではない。
何だろうかこの色味は。
近づくと敏感に飛んだ。
一旦飛ぶと強風のためどこに行ったか分からなくなる。
しばらくバッタなど観察・撮影していると、いつの間にか元の場所に戻っていた。
今度は慎重に遠回りして逆側から近づいて撮影した。
おや?この胸の黄色の筋。それに複眼周辺部のこの水色。
なんとスナアカネ♂じゃないか。
海外から秋にやってくるらしい渡りのトンボだ。
この北風に乗って大陸から渡ってきたのだろうか。
調べてみると、昨シーズン自分が初見したのは11月だった。
11月1日、福岡市東区
昨年ももっと早い時期から見られていたのかもしれないが、9月から見られるとは想定外でビックリした。
それにしても今シーズンまだアキアカネもタイリクアキアカネも見てないのに飛来種を見つけるとは嬉しい驚きだった。
9月27日、糸島市の農地にて