「えっ・・・な、に」
「ムカつく。」
「・・・キュヒョナ、?」
戸惑ってるイトゥクヒョンの瞳が落ち着き無く揺れる。
こうして組み敷いてみても危機感なんて感じてないんだろうけど。
顔を近づけるとぎゅっと目をつぶられた。
その眉間のしわが俺を拒否しているように見えた。
「ヒョン・・・」
「ちょ、何なの・・・!?」
髪をなで、露わになった額。
眉間、鼻筋・・・唇。
何度キスしたいと思っただろうか。
片方だけにできる笑窪も。
少し尖った顎も。
喉仏でさえも俺にとっては欲情の対象になった。
「俺のこと、甘く見すぎですよ・・・」
耳元で低く囁く。
この声が起爆剤になればどれほど良いか。
もう、頭の中では乱れる貴方が想像できるほどなのに。
現実では簡単に振りほどかれる。
「やめろ・・・」
「ヒョン、」
「悪ふざけは止せ・・・全く。」
俺の下から抜け出して髪を整える彼。
いつものリーダーの顔。
「キュヒョナ。ヒョンはそういうふざけ方は好きじゃない。」
「・・・そう、ですか。」
一瞬にして奈落の底に落とされたような感覚。
この人は多分、鈍感なんだ。
はっきり言わないとわかってくれない。
項垂れたままの俺を残して部屋を出ていく背中に俺は声にならない気持ちを投げかけるしかなかった。